第8回大学がなくなった街 あきらめきれない誘致に、新たな「学びの策」

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島崎周
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 人口約15万人の三重県松阪市。ここにはかつて、市内で唯一の大学があった。

 松阪駅からバスに乗り、20分ほどで降りると、古びた周辺地図が残っている。ほど近い場所は「三重中京大学」「三重中京大学短期大学」と書かれていた。

 三重中京大が閉学したのは2013年。隣接の三重中京短期大学部もその2年前に閉学した。

2003~25年度に募集停止または閉学した大学22校のうち、9校が3大都市圏以外にありました。少子化の加速で、地域によっては、2040年の定員充足率は、5~7割台に落ち込むとも試算されています。経営が厳しさを増す地方大学の意義をめぐり、議論となった三重県の例を紹介します。

 松阪大という名称で1982…

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権
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    常見陽平
    (千葉商科大学准教授・働き方評論家)
    2025年6月22日8時41分 投稿
    【視点】

    ■安易な大学統廃合論をこえて  推し記者、島崎周、やりやがった。さすがの島崎周、朝日新聞東京社会部クオリティだ。大胆な問題提起でありつつ、視点の複数性が確保されており、そうであるがゆえに深く考えさせられた。  「大学」の「淘汰」「再編」が現

    …続きを読む
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    上西充子
    (法政大学教授)
    2025年6月22日10時56分 投稿
    【視点】

     私は小・中学生の頃、親の転勤の関係で奈良から東京に引っ越し、早稲田に住みました。小学生の頃は高田馬場駅前の芳林堂書店で、なんでも好きな本を買ってあげると親から言われて文庫の棚で品定めをし、中学生の頃は中間・期末試験が終わると高田馬場まで出

    …続きを読む