同クラスでいじめ2件、学校側の対応は「不十分」 面談の記録もなし

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原田悠自
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 水戸市の私立水戸英宏中学校に通っていた男子生徒が、同級生から1年以上にわたり嫌がらせを受けて転校し、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」があったと認定されていたことがわかった。

 同校では、同じ学級のクラスメートである女子生徒をめぐっても重大事態と認められるいじめがあったことが朝日新聞の取材で判明しており、一つのクラスで2件のいじめが認定される異例の事態となっている。

 関係者によると、男子生徒への嫌がらせについて、学校側は2023年12月に重大事態があったと認めて、茨城県知事に報告した。その後、弁護士や大学教授らで構成する調査委員会が24年2月から今年4月まで調査し、「いじめが継続的に行われていたと評価することに疑いの余地はない」などとする報告書をまとめた。

 報告書などによると、男子生徒は中学2年だった22年9月以降、クラスメートの男子生徒らから過剰ないじめを受けるようになった。

学校側「友人関係のトラブル」と適切に対応せず

 授業中にタブレット端末で撮…

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この記事を書いた人
原田悠自
水戸総局|キャップ
専門・関心分野
調査報道、社会問題、事件・事故・裁判
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    内田良
    (名古屋大学大学院教授=教育社会学)
    2025年6月20日16時31分 投稿
    【視点】

    公立中学校のデータですが(記事の事案は私立中学校)、中学校で認知されたいじめ事案について、加害者に出席停止処分が下された件数が公表されています。 文部科学省のいわゆる「問題行動調査」(「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関す

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