何故女性は男女平等が好きなのに「平等」を理解出来ないのか?

というより今リベラル・フェミニズムにおいて「平等はミソジニー」という考え方がトレンドである。例えばケンブリッジ大学は国連の女性差別撤廃条約の更なる推進方法として以下のように述べている。

女性と男性の扱いに差を設けるべきでないとする平等概念から脱却すべきだ
(it is necessary to move away from a concept of equality that simply demands that women be treated in the same way as men.)

https://www.cambridge.org/us/universitypress/subjects/law/human-rights/womens-human-rights-cedaw-international-regional-and-national-law?format=HB&isbn=978110703462

このような考え方の正否は別に「男女平等とは男性と女性の扱いに差を設けないことでない」自体は罷り通っていると言えるだろう。というより、この考えが罷り通っているからこそ日本においてポジティブアクション(女性管理職優先登用)や女子枠が実施されている。少なくとも今の日本で男女平等は「男性と女性で扱いに差を設けないこと」であるとは言えない。そして現在日本含む先進国においては、このような「男性と女性で扱いに差を設けない」はミソジニーであるとの見方が主流だ。実際、先進国のフェミニストや騎士から絶賛されてる「Breaking Free: The Lie of Equality and the Feminist Fight for Freedom」という本はタイトルからして平等=ミソジニーと主張としてるが、その宣伝文句は更に踏み込んでいる。

「平等」は人種差別的、家父長的な理想であり、女性の制度的抑圧を永続させ、フェミニズムの可能性を制限するという大胆な主張
(A bold argument that “equality” is a racist, patriarchal ideal that perpetuates women’s systemic oppression and limits the possibilities of feminism)

https://www.amazon.com/Breaking-Free-Equality-Feminist-Freedom/dp/1541702425

この平等=ミソジニーは何も急進的なフェミニストだけが主張してるわけではない。例えばユニセフは男女平等とは男女を平等に扱わないことを意味すると明確に定義している

ジェンダー平等とは、女性と男性、少女と少年が、同じ権利、資源、機会、そして保護を享受することを意味する。少女と少年、女性と男性が同じであること、あるいは全く同じように扱われることを要求するものではない。
(Gender equality means that women and men,and girls and boys, enjoy the same rights,resources, opportunities and protections. It does not require that girls and boys, or women and men, be the same, or that they be treated exactly alike. )

https:/www.unicef.org/gender/files/Overarching_2Pager_Web.pdf

これを聞いて恐らく「平等=ミソジニーであり、男女平等は男女を平等に扱わない事を意味するなら、男女平等とは結局どういうことなんだ?」と首を傾げる方は少なくないだろう。これを紐解く為に日本政府が推進しており、毎年その順位が下がった上がったで大騒ぎになる「ジェンダーギャップ指数」を見てみよう。「平等はミソジニーであり男女平等は男女を平等に扱う事ではない」という主張における男女平等達成度が如何に測られるか追う事で、朧げながら男女平等とは如何なるモノか?が見えてくるはずだ。

ジェンダーギャップ指数は女性の労働力参加率、女性専門職・技術職の割合、過去50年間の女性国家元首の割合など、フェミニズムに関するよく知られた14の統計の加重平均として算出される。具体的に14の数値は4つの分野に別けられる。

経済参画
・労働者の男女比
・同1労働における男女賃金格差
・推定勤労所得の男女比
・管理職の男女比
・専門・技術職の男女比

政治参画
・国会議員の男女比
・閣僚の男女比
・過去50年間の女性国家元首の割合

健康
・出生時性比
・健康寿命の男女比

教育
・識字率の男女比
・初等教育就学率の男女比
・中等教育就学率の男女比
・高等教育就学率の男女比

パッと見て皆様は「犯罪者/犯罪被害者の男女比」や「労災の男女比」や「自殺の男女比」や「判決の格差」等の男性の困窮や差別を示唆する変数は除外されてる事に気付くだろう。この数字は徹頭徹尾、平等ではなく男女平等を実現するために設定されている。その指標における日本はこんな感じだ。

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https://www.weforum.org/publications/global-gender-gap-report-2024/

ジェンダーギャップ指数4分野の何れも低いランキングだが、よく見ると色々おかしい事に気付く。例えば日本における高等学校までの男女進学率は女子95.7%で男子95.3%であり、男女に差は殆どないにも関わらず教育分野の72位と低い順位だ。また当然に識字率に男女差はない。

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https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r03/zentai/html/honpen/b1_s05_01.html

次に健康に関しても58位だが、日本は平均寿命世界1位の超長寿国かつ国民皆保険制度を実現した超医療先進国でもある。その日本が健康分野で58位というの1体どういう事なのか!?結論からいえば、この指数は「どれくらい環境が充実してるか?」ではなく「如何に女性が男性より優勢であるか?」で測っている。要するに「如何に環境が劣悪であれ女性の方が男性より恵まれていれば順位が上がる」というシステムなのだ。

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https://joicfp.or.jp/srhr/data-srhr/srhr-data-202402/

例えば健康分野と教育分野で「完全男女平等を達成した!」と世界経済フォーラムに太鼓判を押されてるナムビアは、高等教育進学率は29%で平均寿命は67歳だ。ナムビアには失礼だが、それぞれ国民を取り巻く環境自体は日本の方が上だと言わざるを得ないだろう。しかしナムビアは高等教育における男女比は1:1.4であり、尚且つ平均寿命は男性63歳に対し女性72歳と女性優位な差が開いている。要するに日本の男女平等を妨げてるのは男性が進学し、男性が長生きしてることなのだ。

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https://www.theglobaleconomy.com/Namibia/Tertiary_school_enrollment/

男性が自殺や労災の男女比に関して「男女の偏りを無くすべきだ」と言うと、決まって「女性が犠牲になってもいいのか?」と返ってくるが、既に男女平等推進国において男性の学業不振や早死は良い事として評価されるようになっているのだ。というよりジェンダーギャップ指数は男女比の偏りを無くす云々通り越し、女性より男性の方が進学せず早く死ねば死ぬほど良いとしてるので、前者の「自殺や労災における男女比の偏りを無くすべきだ」発言とは比較することすら出来はしない。とにかく男女平等推進国は国民女性は国民の9割が高等学校に進み長生きするよりも、男性が進学しなかったり早死にする方が幸せになれると想定してる(正否は別のnoteで論じる)。

この指標は男女平等とは如何なるモノか?について、我々無知蒙昧な愚物にも手がかりを与えるものだ。雑に言えばジェンダーギャップ指数は「まず男性に不利な格差は除外し、次に女性不利から男性不利に変わった状況を"平等が達成された状態"として定義し、女性だけが不平等に直面出来るようにシステム設計されてる」ものであり、即ち男女平等とは男性を不利に扱うことであり、その概念において辞書的な意味での平等はミソジニーに他ならないのだ。

こうした指摘に対するフェミニストや騎士の言い分は概ね以下のようなものになるだろう。「これはバランスを是正する為の措置なんだ!男性はずっと家父長制社会で特権を得てきたから仕方ないんだ!」理論だ。因みにこの理論を唱えている最も影響力の高い組織が国連であり、国連は女子差別撤廃条約を通じてこの理論を日本を始めとする条約締結国に浸透させている。

締約国が男女の事実上の平等を促進することを目的とする暫定的な特別措置をとることは、この条約に定義する差別と解してはならない。ただし、その結果としていかなる意味においても不平等な又は別個の基準を維持し続けることとなつてはならず、これらの措置は、機会及び待遇の平等の目的が達成された時に廃止されなければならない。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/index.html

ポジティブアクションや女子枠等はこの理論により実施されている。しかしこの理論はよく考える間でもなく奇妙なものだ。まず男性に対して「昔は男性優勢だったのだから、今は女性優遇しろ」という言い分が通るなら、過去男性のみに課せらていた義務…例えば徴兵を持ち出して「戦場には女性だけが今後行くべきなんだ!」と主張することは出来るだろうか?

またそもそも「過去に女性が不利だった」事が優遇の理由になるなら、男性も女性と同じぐらい過去に抑圧されてきた女性の先祖がいるので男性も優遇されるべきではないだろうか?また女性の先祖の男性が、男性の先祖の女性を抑圧していた場合、優遇されるべきは優遇されてきた先祖の男性を持つ女性より、抑圧されてきた先祖の女性を持つ男性ではないだろうか?

このような言葉遊びをしても仕方ない。このような「ある種の不均衡の是正」が1方的にしか適用されない事はもう皆知っていることだ。例えば男性の不利として大学の推薦入学は女性が男性より1.5倍程度受かりやすい事が明らかになっている。

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https://www.kaisei-group.co.jp/nyushiblog/university/33227.html

推薦入試においては男性を不利にする何らのメカニズムが働いてるのは明らかだ。しかしコレをもって私が「だから推薦入試はミサンドリー!是正すべきなんだ!」と主張したら、次のような正論で完膚なきまでに論破されることだろう。「確かに男性不利なナニかがある事は間違いないが、しかし大学には自由に生徒を選考する権利がある。それに単純な性差別があるにせよ、大学も熟慮の果てに推薦入試の合格者を決めている。それを機械的に是正せよというのは自由権の侵害だけでなく、何らかの不利益や不合理を大学に課す事になるのではないか?」と。全くの正論だ。しかしこの正論が男女賃金格差、男女の管理職割合の話になるとどうだろうか?

また私が「女性は容姿で男性を選ぶ!だから不細工な私は苦しんでる!女性は容姿で男性を選ばないべきなんだ!」と言ったらどうだろうか?間違いなく「気持ちは分からないでもないが女性にも個々人の選好があり、それを強制させることは出来ない」で終わりだろう。しかし女性が「男性は女性を容姿で選ばないべきなんだ!」と主張するとどうなるだろうか?男女賃金格差や女性管理職割合だけでなく、パートナーに選ぶ異性の選好といった完全なる私的領域にさえ反ルッキズムや女性の自尊心低下や隠された女性差別等とあらゆる方便を駆使し、比喩ではなく国をあげて乗り込み是正してこようとするのだ。

つまるところ男女平等とは男性の困窮を透明化し、女性の困窮を強調して新たな女性の権利を創出する事に他らないのだ。「生殖に関する権利(胎児を自由に殺す権利)」「性的に見られない権利(内心の制限)」「理系大学に優先的に入る権利」「女性専用車両に乗る権利」「家賃補助を受け豪華な住居にすむ権利」etcは、どれも確立された人権から派生したものでなく、何れも本義の万人に対する…といっても男性だけだが…人権に干渉するものである。これらの女性の権利は単にフェミニストや左派によって主張されてきただけで、男性や男児には対応する権利が全くない。何故か?は言うまでもなく、これらの権利を男性や少年にも認めると女性の人権への干渉を起こすからだ。

国連のSDGsにおけるgender-equality…男女平等の目標は5つ掲げられているが全て女性についてであり、男性については全く語られていない。その中にはこんな項目がある。

人身売買や性的搾取、その他の搾取を含む、公的および私的な領域におけるすべての女性と女児に対するあらゆる形態の暴力を撤廃する
(Eliminate all forms of violence against all women and girls in the public and private spheres, including trafficking and sexual and other types of exploitation)

https://www.un.org/sustainabledevelopment/gender-equality/

国連薬物犯罪事務所の報告書によれば、2022年において搾取形態が報告された人身取引の児童被害者は少女9323人に対し少年8749人であり、男女差はほぼない事が確認されている。繰り返すがコノ報告書を作成したのは国連だ。それにも関わらず男児の人身売買や搾取に対する懸念は1切触れられていない。これが何を意味するか?はもう説明する間でもないだろう

男女平等が女性の為だけのものであり、男性の為ではない…というか明確に害を及ぼすものと言っても大多数の方は「知ってた」で終わりだろう。これに関しては恐らく左派やフェミニストの方々でさえ、少なくとも「男女平等は男性に何か新しい権利や保護措置や優遇を与えるものでない」ことには同意するだろう。彼等はせいぜい「男女平等により男性も男らしさの呪縛から~」みたいな話を繰り返すのみである。

女性の権利や男女平等が、本義の人権や平等とはまったく意味が異なることは明らかだ。人権や平等は文字通り全ての人間に平等に権利を付与するのに対し、女性の権利や男女平等は人間を2つに別け片方にのみ特権を認め、平等に反し人権の普遍性を損うものだからだ。

結局のところ男女平等は女性が何かを望む或いは不満を持つなら、女性は無条件にその権利を主張できるという前提に基づいている。しかし当然に自分が何かを望んだとして他者にそれを与える・実現する義務が生まれるわけではない。女性が男女平等を振りかざすにも関わらず平等という概念を理解出来ないというより嫌い、拒否し、ミソジニーとまで断じるのは、つまるところ女性は先進国において何かを望めば男性にはそれを与える・実現する義務が生じる事を知っており、それを男女「平等」と定義することに成功したからだ。(また女性が後天的文化だけでなく先天的に平等の概念を理解しづらい事については別の機会にnoteに書く)

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コメント

10

まさに「異質平等論」を地で行ってやがる…
この概念については私も3年前にいくつか記事を書いたことがあるので、これからこの記事を読む方々にはこれらも併せて読んでいただきたいかな。
https://note.com/k_g40xwikj/n/n1e7885cd5b30
https://note.com/k_g40xwikj/n/n949d66b287de
https://note.com/k_g40xwikj/n/nf466ba64c240
https://note.com/k_g40xwikj/n/na02727029dd0

r.s
r.s

こんにちは
いつもご参考にさせて頂いております

一点気になる事があり、長文で失礼します

ジェンダーギャップ指数の"Tertiary education"、"高等教育"とは日本で言う大学教育に相当すると思われます
日本の高等教育は、国際標準的には中等教育の一部として扱われるものかと

ですのでナミビアと比較するべきは「大学進学率」になり、そこでは一応男女差が出ているので、その意味では減点が入るののも妥当と言えば妥当です

ただ、男性優位の数字が減点されている一方、どれだけ女性優位に振り切れても減点にならないという論旨自体は全くその通りですので、飽くまで「男女同値と女性側超過が全く同じ満点扱いにされる」という面から指摘するべきかと愚行致します

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E7%AD%89%E6%95%99%E8%82%B2

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC3%E6%9C%9F%E3%81%AE%E6%95%99%E8%82%B2

kurokuroneko
kurokuroneko

平等というより公平といったほうが正しいが、法の下の平等でおなじみの合理性のある性差別は認められるを地で言ってるとは…
なぜ、差別をする抜け穴として使われるにもかかわらず、裁判所や学者はこのような憲法解釈を許してるんだろうな…。

かいがら
かいがら

日本では左派だけでなく保守や財界も大喜びでこれを推進してるのが地獄ですね。

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何故女性は男女平等が好きなのに「平等」を理解出来ないのか?|rei
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