足し算や引き算に比べて、掛け算や割り算は、小数点の扱いが急に難しく感じられることがあります。計算の途中で小数点が移動し、「ややこしい」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
その原因は、小数点がなぜ動くのか、その理由がはっきり分かっていないからかもしれません。
今回は、小数点を含む割り算に挑戦して、その仕組みを確認してみましょう。
問題
次の式を計算しなさい。
3.2÷0.04
小数点の位置に注目してください。
解答
この問題の答えは「80」です。
小数を使った問題なのに、意外と大きな数になりましたね。
この計算を筆算で解くと、以下のような手順になります。
- 割る数「0.04」の小数点を2ケタ右にずらして整数にします。
- 割られる数「3.2」も同じように2ケタ分、小数点を右にずらします。
- あとは整数の割り算として計算します。
つまり、
320÷4
という形になり、筆算でも簡単に解けますね。
小学生のときに習った「小数の割り算の筆算」、思い出せたでしょうか?
ここで「そもそも、なぜ小数点を動かすの?」と感じた方は、次の説明を読んでみてください。
ポイント
小数の割り算で大切なのは、「計算式を整数に変えて考えること」です。
整数の式になれば、ふつうの割り算としてシンプルに計算することができます。
では、どうすれば計算式を整数に変えられるのでしょうか?
答えは簡単で、計算式が整数になるまで×10、×100...と10の倍数を掛けていけばよいのです。
今回の問題では、割る数が「0.04」なので、×100をすれば「4」になります。
ただし、割る数だけに×100をしてしまうと、もとの式とは違う別の式になってしまいます。
そこで、割られる数「3.2」にも同じく×100をして「320」にしておく必要があります。
この操作がなぜ正しいのかを理解するには、「分数の形」にして考えると分かりやすくなります。
3.2÷0.04
=3.2/0.04
分数では、「分子と分母に同じ数をかけても値は変わらない」というルールがありましたよね。
分母・分子ともに×100すれば、こうなります。
3.2/0.04
=(3.2×100)/(0.04×100)
=320/4
=320÷4
このようにして、もとの式と同じ意味を保ったまま、計算が簡単になります。
「320÷4」は、暗算でもすぐに「80」と答えが出せますね。
まとめ
今回は、小数を含む割り算に取り組みました。
ポイントは、「割る数を整数に直す」こと。そのために、10の倍数をかけて小数点を右に動かす必要があります。
そして、計算式の意味を変えないためには、割られる数にも同じ操作をすることが大切です。
「小数点をなぜ動かすのかピンとこなかった」という方は、分数の考え方を使ってみると理解しやすくなりますよ。
小数の割り算のルールをしっかり思い出せたら、ぜひ他の問題にも挑戦してみてくださいね。
動画:『小数の計算の面白い解き方って?参考動画』
協力:『大人の数トレチャンネル』
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。