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 りかたに(アタマが)風邪っぴきの夜











「そういやさ、今日届いたんだ、夏服。」



よくわからないお嬢さん(←オレンジ様んちのまひるさまである)を後に、ちょっと嬉しげにたにの上目が覗きこむ。
ハマると怖い狼のBだけあって、たにはあれからももんがタッチで、通販まで手を出していたらしい。
偏屈で凝り性な狼同士、今更と巷で囁かれるパライソごっこに、未だハマっているのはこいつらだけだった。


早速、バス・ルームで白地に紺襟のセーラーを頭からかぶってみる。
近頃大人っぽくなってきた、とはいえ、そんじょそこらの女子高生などよりはるかに初々しい。
「ん~、こ・い・び・とかあ~。」
(RIKAORUでは)滅多に使われない新鮮な響きに、ちょっとウキウキしつつ、髪を耳にかけてみたりするたにであった。
ふと見ると、シンクの横にさっきのお嬢さんから貰ったガラス瓶が置いてあった。
「まひるブレンドぉ~、コロンみたいなもんか?」
お前の匂いが好きなんだ、とのりか(とRIKAORU)の強引な主張によって、たには余りこういうものとご縁がなかった。
そっと空けてみると、バラのような朝顔のような(?)えもいわれぬ香りが漂う。


「たまにはさ、いいよね。
 庭で埃っぽくなってるし。」



「りかさあぁん、準備できたぁ~。」



「よろしくてよ、薫子。」




・・・・


――――――――――――――――――――







時計の針はもう10時を回っている。
肌に吸いつくような絹のネグリジェに揃いの白いローブを纏ったりかは、
幾度となく時計に目をやった。





「只今、帰りました・・遅くなりまして。」
「そうね・・・・お勉強も宜しいけれど、
 余り根を詰めるのはよくないのではなくて。」



胸に教科書を抱き締めて、たにが少し顔を歪める。
「すみません、ご心配おかけしてしまって。」
そう云って目を伏せるたにに、歩み寄る。
柔らかい頬をゆっくりと両手ですくいあげ、瞳を覗きこむようにして微笑みかける。
「あやまることはなくてよ、ただ少し心配だっただけ。」
「おねえさま・・・」
「こんなにわたくしを、心配させて・・・・いけない子ね。」
瞳を潤ませ嬉しそうに浮かぶ笑窪に、そっと唇を寄せる。


その時、かすかに香りが鼻を刺す。
サディステッィクな心に火をつける、甘い香り。



「薫子さん、この薫りは・・」
「あ、陽子おねえさまが舶来の香水を。」



云い終わらぬうちに、りかはつれなく背を向ける。
教科書を放りだし、たにが追いすがる。
薄い絹を通し、華奢な指に抱き締められる。
「わたし・・・・背伸びしてみたくて。
 少しでもおねえさまのお気に召すかと。」


「どんなに高価な香水よりも、わたくしはあなたの薫りが気に入っている。
 どうしてわからないの、薫子。」
喜びに潤んでいた瞳が、戸惑いの色に覆われる。
「ごめんなさい、ごめんなさい、わたし、本当に考えなしで。」


指を一つずつ外し、掌を重ねて頬に押しあてる。
「あなたは、なにを、お勉強しているの。」
「 ・・・・えっ 」
「こんな、時間まで。」
掌に歯を立てる。
「っ・・・・」


振りかえりたにの顎を掴み上げた。
「陽子さんと。」
艶然とした笑みを浴びせる。
「いえないような・・・こと?」
大きく見開いた目で、必死に首を振ろうとする。
「こんな、ことかしら。」
赤く震える唇に、噛み付くように唇を重ねる。
「 ・・・おねえさま・・・・痛っ・・」 
拒む歯を抉じ開け、強引に舌を進める。


天蓋の下、白いセーラー服を押さえつける。
「おねえさま、どうして・・」
「そうね、あなたがしたい背伸びを、教えてさしあげたいだけかしら。」
そう云いながら、紺のリボンを滑らかに外す。
「さあ、手をお貸しなさい。」


両手を頭上で戒められて、怯えたような瞳が一層心に火をつけた。
上着をずらしながら、露わになってゆく白い胸に唇を這わせる。
スカートの襞を探るように、指を滑りこませる。
「わ、わたし・・・・・・あ・・っん・・・
 ・・ご、めんなさ・・・・・  。」
恥じらいながらも洩れ始める喘ぎ声が、今日はいつもより早く掠れる。


「どうしたの、声を使いすぎるような事でもしたの?」



張りのある腿を指で弾きながら、這い上がる。
強張りが抜けて、そっと膝が広がってゆくのを感じる。
「えっ・・ この処、風邪気味で、だから・・・・・んっ ――――」
赤く跡がつくほど吸い上げて、最後まで云わせない。
唇に反応し、薄い花弁を散らせたような胸が白くそり上がる。


唇が鎖骨にとどく頃、掠れた喘ぎが涙混じりになる。
絹を通して身体を摺り寄せ、耳に舌を寄せる。
「なあに、かおるこ?」
上気して赤らんだ頬が微かに歪み、睫が泪を湛えふるえる。
指で軽く、身体の芯を弄ぶ。
「もう、いや?」
笑いながら、息を流しこむ。
短く叫んで、必死に首を振る。
「欲しいの?」
恥じらいを含んだ唇が細く開き、艶やかな瞳がりかに縋りつく。
少し強めに、爪を立て弄る。
「やめましょうか・・・。」
耐えられぬように、切れ切れに吐息混じりの声がもれる。



「  やめない・・・・・で。 」




セーラーの胸元を掴み、一気にひきおろす。
纏わりつくスカートももういいでしょう(←なりきり)。




「あああん――――っっ・・・・・
 
   りかおねえさまあああっ――――――――――――――  」





深夜の轟邸に、響き渡る絶叫が余りに今更すぎるのは云うまでも無い。










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