2011年12月3日~2012年3月21日
    なお、菅内閣から野田内閣に変わった際の閣僚・党内人事をみて、次を書いている。
あの人事をみれば、その後なにが起こるかはおおよそよめるもの。
  • 政争の具にされてきた年金の現状」『週刊東洋経済』2011年10月22日号
    彼らが存分に弄んできた年金はこういう状況にある。政府が成案で示した改革の第1段階「現行制度の改善」を行うために社会保障審議会の年金部会が始まった。絵空事を唱道してきた人達の面子を守るための制度の改悪などは御免被りたい。
 3月18日  ありがとうございます。そうさせていただきました。
  • 勿凝学問380を読ませていただきました。
    書かれていること、まったく同感です。
    昔、統計学の勉強のために、薬効評価のセミナーに出ていたときに、薬の効果がないという結果が出た研究も立派な研究と教えられたのを思い出しました(ただし、そのような研究は公表されることが少ない=「出版バイアス」)。
    2頁目の「人名がかかった医療の世界、あるいは医療の現場と密接な繋がりをもちながら研究を行う医療経済の研究者は、おそろしく安易に政策提言がなされる普通の経済学の世界とは違うわ(笑)」の後に、宇沢弘文先生の次の名言を引用されたらいかがですか?
    ○宇沢弘文(経済学者)「私たち経済学者は、間違えた論文を書いてもそれほど大きな問題にはなりません。ところが医師の場合は、非常に深刻な問題になって、マスコミでも大きく取り上げられます」(『日経メディカル』2006年12月号265頁「この人に聞く」)。
    勿凝学問380 研究と政策の間にあるはずの長い距離の自覚と無自覚ver2
マスコミつながりでいいますと、今日、知人に送ったメールです。
  • テレビで西山事件を取り扱った『運命の人』をみていると、55年体制まっただ中の話だなと思います。
    国家権力との闘い!

    未だに、マスコミの多くは、敵は政府・官僚にありというスタンスのご様子。

    国家権力が弱体化して、デマゴーグとポピュリズムが蔓延した民主主義末期の今は、
    トンデモ論の検証、トンデモ論者との闘いこそが、マスコミに求められることだと思うけどね。
    みてると、まったく逆の動きをしている。
    この前の政権交代で少しは学べばいいのに、懲りないもんだ。
    慣性の法則というか、時代の変化に気づいていないのか。気づいても変わらないのが組織だけどね。

    『運命の人』をみていると、政治部が偉かった時代の雰囲気が分かるよ。
    でも、マスコミに求められる闘いの矛先が昔とは大きく変わった今は、
    いろんなことがメディアの中で変わらないといけないんだろうというのが、
    毎週日曜日の夜のドラマをみての感想。本日は最終回。
 3月17日  
 3月12日  
  • 経済を見る眼「年金政局の歴史と一体改革」『週刊東洋経済』今週号
 3月10日  今日の講演の最後に紹介したのは次。
  • 於 長岡 
    湯浅誠氏 内閣府参与辞任について
     私がこの2年間で発見したのは、官僚の中にも、私と同じような方向性を目指しながら働きかけを行っている人たちがたくさんいる、ということでした。その人たちはテレビや新聞で原則論をぶったりはしません。錯綜する利害関係の中で説明・説得・調整・妥協を繰り返しています。決定権をもたない組織の一員として、言いたいことを声高に言うことなく、しかし結論が「言いたいこと」になるべく近づくように奮闘しています。ところが、外側の私たちは、そうした内部の奮闘の結果として最後に出てきた結論が情報に接する最初になるので、そこから評価が始まり、交渉が始まります。批判の矛先が奮闘した当の本人に向くこともしばしばです。
     Aという担当者がいて、ある事柄をなんとかしたいと発案し、提起する。課内から局、局から省、省から政府と持ち上がる過程でさまざまな修正が入り、結論としての政策が出来上がる。しかし、もともと同じ方向性の主張を掲げていた人たちが、その結論を原則的な立場から頭ごなしに批判し、説明者でもある担当者をなじる。この過程が何度となく繰り返されていけば、少なくとも私だったらだんだんと気持ちが萎えていきます。
     原則的な立場は大事です。問題は、原則的なことを言っていれば原則的なことが実現するわけではない、という点にあります。「ぶれずにある立場を堅持していれば、いずれ理解される」と言って、30年40年と同じことを言い続けている人がいます。しかし、言い続けてきた30年分40年分、世の中が言っていることに近づいてきているかというと、必ずしもそうでないという場合があります。世の中には、反対の立場から30年40年原則的なことを言い続けている人もいるからです。その際の問題点は「原則的な立場を堅持するかどうか」ではなく、「原則的な立場に現実を少しでも近づけるための、言い方ややり方の工夫をする必要がある」という点にあります。工夫が足りないことの結果として自分の見解が広く理解されなかったことの結果責任の自覚なく、「聞き入れないあいつらがわかってない」と言っているだけでは、さらに多くの人たちから相手にされなくなっていくだけで、その逆にはならないでしょう。
     あたりまえのことしか言っていないと思うのですが、実際にはそのあたりまえが通用しない局面があります。現実的な工夫よりは、より原則的に、より非妥協的に、より威勢よく、より先鋭的に、より思い切った主張が、社会運動内部でも世間一般でも喝采を集めることがあります。そうなると、政治的・社会的力関係総体への地道な働きかけは、見えにくく、複雑でわかりにくいという理由から批判の対象とされます。見えにくく、複雑でわかりにくいのは、世の利害関係が多様で複雑だからなのであって、単純なものを複雑に見せているわけではなく、複雑だから複雑にしか処理できないにすぎないのですが、そのことに対する社会の想像力が低下していっているのではないかと感じます。
     テレビや新聞の断片的な情報と、それを受け取った際の印象で自分の判断を形成し、それがきわめて不十分な情報だけに依拠したとりあえずの判断でしかないという自覚がなく、各種の専門家の意見に謙虚に耳を傾けることもなく、自分と異なる意見に対して攻撃的に反応する。ツイッターでもブログでも、テレビのコメンテーターから中央・地方の政治家から、そして社会運動の中にも、このような態度が蔓延しており、信頼感と共感は社会化されず、不信感ばかりが急速に社会化される状態、他者をこきおろす者が、それが強ければ強いほど高く評価されるような状態、より過激なバッシングへの競争状態です。
     容易に転換しそうにないこの風潮をどうすれば変えることができるのか、私にはまだよくわかりません。ただ少なくとも、このような局面で社会運動が採るべき方向性は、バッシング競争で負けないためにより気の利いたワンフレーズを探すことではなく・・・
 2月のアメニティフォーラム初日夕食の時には、僕は、僕の本をかなり読みこなしてくれていた湯浅さんから、僕の政治との距離の置き方をはじめとして、いろいろと質問を受けていた次第。
 そして、翌日のパネルディスカッションの時、僕は、パネルで最初に話をした湯浅さんの言葉、「強いリーダーシップとは一をとって他を切り捨てるということ、という湯浅さんの言葉を、今日出席している人たちには、しっかりと覚えてもらいたい。私が昨日の講演で話をしたことと同じような今の時代の危なさを表している言葉だと思います」と話す。

 それと、今年のゼミの夏合宿で雲仙に行くぞ!、と言っていたのは、下記、アメニティフォーラムのパネルディスカッションご登壇の田島さんのところに行くという話。  アメニティフォーラムのパネルディスカッションの時に田島さんが言っていたように、「2年前に悪い人にあってしまいまして、一回りくらい年下なのに、お前は何もわかっていないかわいそうな人間だなぁという人を哀れむような目で私を眺めて、東京から京都に向かう新幹線の中で講義を受けまして、私は考えを根底から崩されまして・・・」と、ある民主党議員の後援会長だった田島さんは、僕にあってすぐに、これもパネルで話されていたように、予定されていた民主党のサポーターになることを止め、党員になることも止め、長崎県の民主党顧問になることも断った潔い人で(笑)、2010年2月に、当時の財務大臣菅さんに、僕に会うようにと進言していたひとり(当時同時期に複数人いた模様)。長崎はちょいと遠いから、君らゼミの学生は、バイトをしっかりとしておくように。。。
 ちなみに、田島さんの発言の後、壇上で僕は、「いま調べてみたんですけど、田島さんは1945年生まれですから、一回りではなく、僕よりは17歳年上ですね。田島さんは1月生まれのようですから正確には、今は、僕より18歳年上かな(笑)・・・」。
 そして、パネルディスカッションの時の田島さん説によると、僕が菅さんに会った日に、菅さんから、「会った」と田島さんに電話があって、その頃から彼は消費税を言い始め、その結果、7月の参院選で負けてねじれ国会になったんだから、権丈さんのせい。勝海舟のように「俺の知ったことか」と言ってないで・・・云々。でっ、僕は応えて、菅さんに会った数日後に僕は谷垣さんに会っているわけで、谷垣さんも消費税10%を掲げて参院選で勝っている。だから、あの参院戦の敗因は消費税で言っていることがコロコロ変わった菅さんや、2009年マニフェストを掲げた民主党にあって、僕は関係なく、やっぱり「俺の知ったことか」ですね。。。だいたいもって、僕が誰に会おうが会うまいが、事態の推移に変化があったはずがない。

 2年前の2010年2月5日、僕がはじめてアメニティフォーラムに参加する時、大熊由紀子さんに誘われて、大熊さん、堂本暁子元千葉県知事、そして田島さん3人と一緒に新幹線で、東京から大津に向かうことになる。3人の大御所と一緒だから、おとなしくしておこうと思ったわけだが、新横浜あたりでの、田島さんの「埋蔵金は、いくらでもあるんですよね」の言葉に、僕は、ピキンと反応して、新横浜から京都まで、この数年間いったい何が起こっていたのかを延々と授業をしてしまったわけだ。京都に着いた時には、田島さんは僕が言うことを理解されていた。そして、彼は、すぐに行動に移す――偉いもんだよ。

おっと、今日の講演の関連資料
   
   次の文章の「税と財政の規模について」を読んでおくように。
   う~ん、理由は、もう少し考えた方がいいだろな。 『世界』3月号の「社会運動の立ち位置――議会制民主主義の危機において」も読むべきだろうね。

そして参考までに アメニティフォーラムでは、彼は初日の僕の講演の時も会場にいて、夜は、野沢さんや田島さん僕やみんなと一緒に食事をして、翌日のパネルディスカッションに参加。
 3月7日 あはっ、おもしろい(笑)
異国に住まわれているようですけど、なかなか日本を観察されてますねぇ。
この前は、一日が全部終わって、書斎で落ち着いて晩酌をしながら奥さんに黙って僕のホームページをみてるって人から挨拶を受けたけど、朝派ですか(笑)。以前は、奥さんと一緒にみてるという人もいたな。。。
  • 面識がないにもかかわらず、突然のメール失礼いたします。
    ・・・
    まずは権丈先生のホームページを拝読してから、一日が始まります。
    先生のホームページで吉田拓郎の「永遠の嘘をついてくれ」を知り、曲自体の良さにはまってしまい、吉田拓郎と中島みゆきが一緒に歌う動画をyoutubeで繰り返し観ております。その結果、以下のような替え歌を作ってしまいました。出来はよくありませんが、ご笑納ください。
    曲を聴きながら味わって下さい。。。
    youtube「永遠の嘘をついてくれ」
    なのに 永遠の嘘を聞きたくて 今日もまだこの「案に」酔っている
    永遠の嘘を聞きたくて 今はまだ「党の中で検討」の途中だと
    君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでも種明かしをしないでくれ
    永遠の嘘をついてくれ 何もかも「票のため」だったと言ってくれ

    「財源」は「埋蔵金」の中らしい 
    「事業仕分けだけで」間に合うだろうか
    片っぱしから「消費税率を上げ」まくれば
    けっして「出せない額」でもないだろう 「70兆円」ぐらい

    なのに 永遠の嘘を聞きたくて 今日もまだこの「案に」酔っている
    永遠の嘘を聞きたくて 今はまだ「党の中で検討」の途中だと
    君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでも種明かしをしないでくれ
    永遠の嘘をついてくれ 何もかも「票のため」だったと言ってくれ

    この国を「牛耳って」やるのは俺のほうだと
    「叫びながら掲げた党のマニフェスト」には
    「一元化すればすべてうまくいく」と
    見知らぬ誰かの 下手な「制度設計」

    なのに 永遠の嘘をつきたくて 「詳細は聞くな」と結んでいる
    永遠の嘘をつきたくて 今はまだ僕たちは「検討」の途中だと
    君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでも種明かしをしないでくれ
    永遠の嘘をついてくれ 一度は夢を見せてくれた君じゃないか

    傷ついた「民主党(枝野たち)」は 最後の力で牙をむく
    放っておいてくれと 最後の力で嘘をつく
    嘘をつけ永遠の「改革」のかわりに
    やりきれない事実のかわりに

    たとえ繰り返し「財源を」尋ねても 振り払え風のようにあざやかに
    人はみな望む答えだけを 聞けるまで尋ね続けてしまうものだから

    君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでも種明かしをしないでくれ
    永遠の嘘をついてくれ 「出さなければよかった案」などないと言ってくれぇ♪♪

    君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでも種明かしをしないでくれ
    永遠の嘘をついてくれ 何もかも「票のため」だったと言ってくれぇ♪♪
     参考資料?
> たとえ繰り返し「財源を」尋ねても 振り払え風のようにあざやかに
最高だねぇ(笑)。

この替え歌、おもしろすぎるから、次回、大合唱すっかね。次の曲といっしょに。
 3月6日  本日のみなさんへ
   これも、14ヶ月ほど前に書いたものだな。
   そう言えば、今年の代表質問の翌日には、次のようなことを書いているね。
 3月5日  
   なるほどぉ。
  • ところで質問させてください。
    2004年改革を、年金部会で議論し始めたのは、いつと考えればいいでしょうかね?

    >新人口推計対応試算が出された「平成14(2002)年5月」ではないでしょうか。
となれば、2005年5月17日の社会保障審議会年金部会での、次の配付資料からだな。 この5月17日の会を含めて、方向性と論点がまとめられる同年12月13日前の10月29日まで、年金部会は8回開催され(社保審議会)、公開の場で議論が行われているね。
 3月4日 そう言えば、 一昨日の『日本でいちばん簡単な年金の本』は、エキスパートの対立型になっているけど、次も、実は対立型なんだよな。まぁ、一方が民主党の年金政治戦略の擁護につながる弁を発すると、もう一方が、遠回りにその弁を潰すという形なんだが。。。 なお、細野さんは、2013年に国会に提出予定の民主党の新年金案の設計図を、今年の6月までに出して広く国民的な議論をするようにと言っている。ちなみに、2004年2月10日に年金改革関連法案が政府により国会に提出されているのだが、この法案に関する試算結果の詳細を含めた資料「年金改革の骨格に関する方向性と論点」は2002年12月、つまり法案提出の14ヶ月前に出されている。 もちろん、この「方向性と論点」は、社会保障審議会年金部会において何度も議論を重ねるという手続きを経た上でまとめられたものである。
細野さんの言う、「今年の6月まで」というのも、今の政府に対してかなり優しい発言なわけだ。

ちなみに、僕が初めて書いた年金の論文「年金改革論議の政治経済学――厚生労働省「年金改革の骨格に関する方向性と論点」を読んで」は、副題の通り、「方向性と論点」を読んで書いたもの〔『年金改革と積極的社会保障政策』第1章に所収〕。この論文は、2003年4月14日脱稿だから、法案提出の1年近く前に僕的には検討をし終えて、制度を評価する軸もその頃にはできあがっているな。
 3月2日 ただいま、眺め中・・・ 次は、すぐにみたよ(笑)。
  • ◎年金のエキスパートに聞く! 年金改革、今後のゆくえ
    太田啓之氏(朝日新聞記者) vs 鈴木亘氏(学習院大学教授)
参考資料として、次なんかどうかな。
 3月1日  昨日話していたのは、この2つのことかぃ? 勿凝学問373「そのウソは」は、次の最終頁にもあるよ。
 2月29日  > ご自由にお使いください。

えっ、いいの? 「年金お弁当説」にマンガがあるんだ(笑)。こりゃ、ありがたい。来年度の講義でも、授業で使わせてもらいます!
日吉の産経論の一コマ分は、この資料使って年金やろうかね(笑)――産経論(産業経済論)=オムニバス形式の講義で、僕にとっては日吉に年に2回の出張講義
 2月28日   見るのは、午前中だと細野参考人(笑)のところだけでいいぞ。国会議員との質疑応答のところも、見ておくように。
午後は、僕の研究室のお隣の深尾先生の話も勉強しておこうかね。
   そうか、やっぱり、あらたにすは2月24日に終わっていたのか。。。
僕は、社説をトップページとして開いていたから、終了のおしらせに気づいてなかったわけだな。
 2月27日 一昨日のだけど。
 2月26日  これなんかどうかな。
 2月25日 最近、永田町界隈ではやっているようすの「前門の虎、後門の狼」――ちょいと言い間違えたりしてるけど(笑)。
去年の3月に書いた文章だな。 去年7月15日の日医では、上の文章などを使いながら、次のように話している模様。
2月24日    参考までに
  • 政争の具にされてきた年金の現状」『週刊東洋経済』2011年10月22日号
     「防貧機能強化」への必須の策に短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大があり、政府はこれへの取り組みをアピールしている。だが、この方向に第一歩を踏み出す法案は07年4月に自公政権が提出しており、これを廃案に追い込んだのは民主党だ。成立していれば、被用者年金一元化は10年4月1日から、パート労働者への厚年適用拡大は今年9月1日から施行されていた。
 2月23日  間欠泉のように出てくる朝日の高論
 2月21日  たしかにな(笑)
  • 太田啓之「民主党は年金に指一本触れるな」『新潮45』2012年3月号
記者ゆえに書くことができる、力のある論だな。
  •  巷ではデマに近い「年金破綻論」が流布し、年金不信を煽っています。なぜ、ここまでしつこく「破綻」が語られるのか。その理由をいくつか挙げてみましょう。・・・もう一つは、メディアの問題です。私も属していますから自省が必要ですが、マスコミには「危険を煽った方が目立ちやすいし売れやすい」という経験則があります。しかも、一部のメディアでは、「年金問題は運営しているのが政治家でなく官僚なので、批判した相手から訴えられるリスクも少なく、書きやすい」という意識もあると聞きます。
     年金改革以外にも民主党が政権獲得時に総選挙で掲げたマニフェストの中で、まともに実行できた案は一つもありません。「政権交代」を囃し立てたマスコミの一員として責任は認めた上で、まずはあのマニフェストに実現不可能なウソばかりであったことを、はっきりとさせた方がいい時期です。
     今、民主党が打ち出している主要政策の中で意味があるものはただ一つ、マニフェスト違犯である「消費税増税」です。・・・一体改革の実現がほぼ絶望的となった今、民主党政権が行うべきことは・・・
さて、この後、どう続くと思う?
 2月20日  僕の「第2次ケインズ革命」の定義は、次のようになっていますね。
そして、青木・吉川モデルは、小野善康さんのπ-l分析でも描くことができたりもする。次の脚注29(55頁)参照。 まぁ、今なら、過少消費という言葉も使って定義するかな。「第2次ケインズ革命」という言葉を使った論文の初出は、2003年8月だもんな――2003年5月17日脱稿の模様。
この論文の最後は、次。
  新聞記者さんへ
次の、77頁からの二木先生による、読売新聞、田中秀一さんへの批判は、僕は、当然だと思いますよ。 2004年年金政局始まってからの、各紙、年金報道についても、僕は言いたいことは山以上にある。
 2月20日  > 権丈先生も「生活保護受給者でも年金分はより多く受け取れる」という案をどこかで書いていたと記憶していますが、どこでしょうか。 2007年の、この論文を書く前の年金部会なんかでもかなり言っているんじゃないかな。
2008年の国民会議、年金部会、いたるところで何度も言っていたんで、年金部会でまとめた次には、次のような文章がある。 だいたいもって、当時の年金局は、この話にのって、社会援護局と相談をしたはず。しかし、社会援護局が財源問題を理由に渋ったために、年金局は保険料軽減支援制度という変化球を投げてきたんだと僕はみている。

江口先生と僕の年金論議は、次が良くまとまっているよ――今、読み返してみたけど、一言も書き直す必要ないな(笑)。自分で呆れるほど、昔から言っていることが変わらんよ。 他、僕の勿凝学問で「最低所得」がタイトルに出てくるのをピックアップすれば ところで、先日の転石亭で話題になった、総選挙直前の僕のインタビューふたつ。 そして次が、上記『読売新聞』の次に引き受けたインタビュー ―― 月日は丸2年経っているけどな。
 2月19日 たしかに、おもしろいよな。
朝日、読売、毎日は、一体改革素案で新たに組み込まれた新年金制度を、素案から撤廃しろと社説で論じた。
いつものことながら、民主党は、これを相手にしなくても問題はなく、朝日、読売、毎日はすぐに野党を批判してくれるようになると見越してのこどだと思うが、これら三紙の意見を完全に無視したまま閣議決定して大綱とする。
そして、朝日、読売、特に朝日新聞は民主党の思い通りに動き、
この前の言を忘れて、言葉の限りを尽くして野党を批判してくれている。
首尾一貫してるのは、年金の事業主負担を減らしてくれる新年金制度の復活を歓迎していた日経だけだな(笑)。
毎日は、先日、新年金制度を撤廃しろと言ったことを忘れてはいない社説を書いている。
ひとつの新聞社を、あたかもひとりの人間の意思決定主体であるかのように眺めるとすると、朝日は、解離性同一障害だな。
社説は論説委員の合議で決めるとは言え、ちょいとひどすぎる。
集合的意思決定に、個人がもつ合理性を求めることはできないというのは集合的意思決定論の常識ではあるが、社論をどう決定するかということは、集合的意思決定の問題ではないだろうに。
   うん、以前、こういうやりとりがあったりもする。
  •  > やはり、「なぜ年金なのか」というのは、・・・

    まぁ、ネットで、「年金 ヒトラー」で検索してごらん。
    扇動的な政治家がやることは、昔から変わらんのだよ。
しばらくして
  •  > 背筋が寒くなりました。心してとりかかります・・・。
 2月16日  黒を白と言いくるめるディベートの教材
   > 私の記憶が正しければ、権丈先生は国庫負担分については減額は致し方ないというお考えだったかと思います。 保険料財源の給付ではあり得ない話だけど、給付を守る力が弱まるのは国庫負担の宿命だもんな。
しかし、「もし減額するなら、最初から条件を示して順守すべき」というのは筋だし、もっと言えば、高所得者は税でとるというのが当たり前の考え方。そしてもし「最初から条件を示して」という話に、種々条件を加味して突き詰めていくと、「年金保険」の強制加入条件を外すべしという論が正当性をもつことになるかもな。とにかく、カッチリした制度は、どこかのタガを外すと、どこかに必ず歪みがでてきて、へたすりゃ全部が壊れるもんだ。

> 低所得者加算については・・・ 

これだね。年金:加算、月6000円了承 低所得者対策、免除期間で上乗せ--社保審部会 mainichi

年金だけでなく、今年度予算のばらまきのひどさも含めて、選挙のためなら何でもするのがこの政権だから、まぁ、今さらって感じはあるけどな。
でっ、免除対象になり得る所得の低い人たちの中の相当数が、しっかりと年金保険料を払ってるんだよな。僕は昔、免除者への保険料軽減支援制度の話が出た時、すぐに、同じように低所得者であっても保険料を払っている人たちの存在を問題視して、所得が低くてもがんばって保険料を払った人は救われないんだよね?って言っていたんだけどね。免除は申請主義で運営されていて、所得が低いからって、自動的に免除になるわけではないからな。そしてこの問題、所得捕捉の問題もからんでいて、実に厄介な話へと続いていくわけだが。。。
まぁ、次でもどうぞ。
  • 政争の具にされてきた年金の現状」『週刊東洋経済』2011年10月22日号 
     彼らが存分に弄んできた年金はこういう状況にある。政府が成案で示した改革の第1段階「現行制度の改善」を行うために社会保障審議会の年金部会が始まった。絵空事を唱道してきた人達の面子を守るための制度の改悪などは御免被りたい。
> しかし、こんなものを入れると、制度は複雑化するは、
   いったん入れたらなかなか廃止できなさそうだはでかなり混乱するのでしょうね。

得られる教訓は、権力は強し、くらいだ。
でっ、年金部会ってのは何やってんだ? まともなことを言っているのは経団連代表だけか?
とにかく、あの政党に筋を求めてもムダだよ。選挙のためならこんなことができる才能をもつ人たちなんだから、なんでもありだろう。次もか。 まっ、極めつけは次かな。。。これを書く際に、大の大人たちが、制度設計の打合せもせず、試算もまったくやってなかったわけだから、大したもんだよ。
ナチスも年金をつかった。だから、ヨーロッパには、年金を政争の具としてはいけないという教訓のようなものがあるだと思う。だけど、日本の政治家は、だから、年金はいけると思うだけなんだろう。年金はデマゴーグの手段としては効きがよ過ぎるというのが人類の知恵であるはずなんだが、日本では完全に無視されたな。
 2月15日 そう言えば、これ、良い教材だったな――昨日の日経の記事をみて思い出した次第。 このシンポジウムには、次の47頁脚注19でコメントしている。
 2月13日 そうだな。昨日の日経の社説「年金の再生は民自公の共同責任だ」というのは、次のような話だ。
  •  インタビュー「大切なことは考え抜いた制度を作ること」『年金時代』2012年1月号(No.604号)
    そして三つ目は、年金批判論者は絶えず経済界にサポートされ、結果、年金批判論は永続するということ。
    ・・・
    経済界にとって社会保険の年金制度は外形標準課税みたいなもので邪魔で仕方がない。だから彼らは、社会保険料から逃れる改革を勝算は抜きにして永遠に言い続けます。
 2月12日  
 2月11日  
   
 2月10日   参考までに。
   3月6日講演の演題を送る――今回は年金。
  • 「年金が政争の具とされた国の政治経済の行方」
 2月9日  日本医師会 平成23・24年度 医療政策会議 報告書 権丈担当箇所 参考資料――平成22年度医療政策シンポジウム 
 2月8日 2004年の年金選挙で味をしめた彼らは、2匹目、3匹目のドジョウを求めて2007年、2009年と大勝。2005年郵政選挙の時も、年金抜本改革を全面に掲げて後は、かなり追い上げてもいる。
そして、次期選挙でも年金選挙をねらったのが、一体改革「成案」から「素案」への変化。
しかしそれが、年金試算騒動を招いて、彼らの思惑とは少し違う方向に。 次の選挙の前に、野党が彼らの姑息な年金戦略を潰しておきたいと思うのはあたりまえ。しかし、国会では、ディベート力、スピーチ力の限りを尽くしてごまかしをはかっているのが今の状況。試算公開後も、あわよくば次回も年金選挙をと願っている面々による見事なディベート、スピーチを、君たちは、毎日、国会で眺めることができるよ。テレビでも眺めて、就活のために、ディベートやスピーチの練習でもすることだな。実に良いお手本だ。
なお、彼らのディベート、スピーチにだまされそうになったら、昨年の春、なぜ、彼らは年金試算を封印したのかを考えることだ。さらに言えば、なぜ、2004年から8年近く、年金の具体像を示そうとしなかったのかもな。言っておくけど、野党だったから情報がなかったというのは大ウソ。そのあたりのところが分かれば、2008年、社会保障国民会議で僕が何をしようとしたのかも、少しは分かるかもしれない。もっともあの時は、試算に必要となる、彼らの年金制度の骨格情報を彼らが出さなかったから、民主党の年金改革案そのものの試算はできず、彼らは、国民会議で試算されたものは民主党の年金案とはまったく関係のないものだと言って逃げ切った――と言っても、民主党の年金案の問題点は国民会議の試算でほとんど示されている(「基礎年金の税方式化 大半の国民は損に 企業が専ら得をする」『週刊東洋経済』2008年6月7日号122-3頁)。 2005年に、次のようなことを書いているね。
  • 勿凝学問41 肥満訴訟よりは勝ち目があると思う年金未納推奨訴訟――および9.11総選挙その後と厚生・共済年金一元化
    余談は続きます・・・ 先日も書きましたように、わたくしが今、年金に対して最も大切と考えていることは、次の選挙で、年金を政争の具とした政党が得票率を落とす政治環境をつくることです。
    そのために、各省庁のマンパワーをフル活用して、各政党がマニフェストに描いた年金案に肉付けしてあげ、具体的年金案を作りあげる。次に、両院合同会議でそれら年金案の技術的・政治的実行可能性を、公開のもとで広く議論し、どの政党が、毛針で無知な有権者を釣るに似た卑怯な選挙戦略、すなわち実現可能性のない年金案で有権者を騙そうとしたのかを明らかにする。そこで明らかにされた情報を、ひろく有権者に届くように限りなく努め、これからもこの一連の作業を繰り返し行うという姿勢を、野党に知らしめる。そうすれば、次の選挙から、年金を政争の具とすることに、各政党は慎重になるはずですし、与党が勝手に野党の年金案を肉付けして、その実現可能性の低さを公開のもとに議論すれば、野党も、両院合同会議の外にいられなくなる効果も見込める。 面倒ですが、これは民主主義を運営するためのコストです。このコストを負担しておかないと、次の選挙で、野党が、また同じように年金で仕掛けてくる可能性は多分にあり、そこでなされる不毛な政争のなかで、年金への誤解や過剰な不信感が国民に植え付けられることのほうが、はるかに大きなコストを求めることになると思えます。年金が政争の具とされると、災難なのは国民。このことは分かっておいてください 。
  年金話のつづき。 さてな(笑)。まぁ、賢者が年金を語る経済学者にいないことだけは確かだ。
次もどうだ。
   帰宅したので、加筆。
  • 「霞が関の掃き溜め ”内閣府” 行政機構の無駄の象徴」『選択』2012年2月号 
    ・・・
    旧経済企画庁の経済財政担当や、財務省と厚生労働省がエース級を送り込んだ一体改革担当などの例外を除けば、官僚の掃き溜めの観さえ呈する。山岡が言う「内閣行政の要」ではない。
    ・・・
世代間格差の内閣府試算など、内閣府にいる財務省・厚労省のエース級の者たちがかかわるはずがない。
次もどうかな。 とにかく、彼らの常套手段は、民に公の営みを憎ませること。
そして、先日のアメニティーフォーラムでも言ったことだが、公を度を超えて憎む国民に、まともな福祉国家を作ることは絶対にできない。
 2月7日  
  • > 困ったことに、内閣府が出した、年金の世代間格差について書かなければならないんですけど・・・
なるほど(笑)。そりゃぁ、紙面が制約されていたら困るだろうね。
みんなが信じ切っている宗教を肯定するのならば「一言」で十分だろうけど、否定するためには「一言」で言えるはずもなし(笑)。
ちょうどこんなのが、出ているよ。
  • 「霞が関の掃き溜め ”内閣府” 行政機構の無駄の象徴」『選択』2012年2月号
この試算結果を見た時、僕の関心は、仕掛けたのは本籍地内閣府の役人か、それとも他府省からの出向者、たとえば経産省の役人かという一点だけだったね(笑)。以前、知人に送ったメールでもどうぞ。
  • どの国の公的年金にも世代間格差は存在する。公的年金に世代間格差が存在しない制度を作っておくためには、制度発足時から保険料率を課す積立方式の年金を設計しておく必要があった。しかしその制度の下では、制度発足時――すなわち国民の生活水準が相当に低い段階から――約20%というかなり高い保険料率を課す必要があり、しかもGDPをはるかに超える巨額の政府積立金が発生することになる。そしてその制度の下でも、経済成長の果実を、年金受給世代にまで十分に行き渡らせることができない。高齢者にも成長の果実を分け与えるためには賦課方式に移行せざるを得なかったのであり、したがって、各国、年金の財政方式を賦課方式、つまりは、世代間格差が発生する制度に移行していった。その中で、日本のように成長のスピードが速かった国の世代間格差は、ゆるやかに成長をしていった他の国々よりも大きくなってしまう。しかし他面、日本は、高齢化のコブが大きいために、それを乗り切るバッファーとしての積立金を、他の先進国よりもはるかに多く持っていたりもする。
    もちろん、かなりアバウトな指標であるとは言え、今の高齢者の所得代替率が60%程度であるのに、将来世代ではこれが下がるというのは、できるだけ速やかに調整していく必要はある。しかし、世代間格差を示す指標として用いられている世代間のネットの受給額や、負担給付比率は、年金に対する不信感を徒に高めることになるだけ。それにそもそも、これらネット受給額や、負担給付比率は、生活者たちの生活実感とはかけはなれた指標。格差があるかどうかは、客観的な事実として確認できるが、それが公平か不公平かという価値判断を含む問題、規範分析の世界のことは、そうした指標では接近できず、これらの指標がもつイメージとその中を生きる人間の感覚との間にズレが生まれてしまっている。僕も、前の世代や前々の世代に比べて相当に損をするらしいけど、そんな実感は、僕の中にはかけらもない(笑)。今の若い人たちの生活実感では、どうなんだろうね。
    ちなみに、僕は、世代内の格差は今よりもかなり強く調整をはかる必要があると思っている。だから、世間の世代間格差論者たちが、世代間格差の議論をいつのまにか世代内格差の議論にすりかえて展開しているのをみると、頭をこづきたくなる(笑)。
    さして問題でもない年金の世代間格差という現象を、世の中の最大の問題だと勘違いし、しかも、その問題というものを解決する術もないわけだから、永遠に欲求不満状態で現代日本人は生きていく――ただのアホだね。
    こうした仕掛けられた閉塞状況を喜んでいるのは、公的年金を縮小したいと絶えず願っている経済界と経済界のサポーターさんたちだけだろ。持ちつ持たれつってことだな。バカバカしい。
次もどうだ。 そう言えば、こういうのもあったな。
  •  たとえば、社会保障費をもとにいくら若者が損をしているといっても、それはあくまでも金銭的な話だ。実際にどれくらいの「損」があるかは、もう少し主観的な話になってしまう。現在僕たちが利用しているインフラやテクノロジーは、先行世代が作り上げてきたものだからだ。・・・僕はいくら「1億円トクする」と言われても、団塊の世代にはなりたくない。昔って今より注射は痛かったらしいし、公害はひどかったし、海外のチョコを手軽に買えないし、携帯電話もない。・・・世代間格差の話をしたが、若者たちの親世代がまさに高度経済成長期の恩恵を受けてきた「勝ち組」世代なのだ。だからマクロで見た世代間格差も、実はミクロで見れば格差ではなく、家族内で様々な資源の移転が行われている場合も多いだろう。
     古市憲寿『絶望の国の幸福な若者たち』
( ̄。 ̄ )ボソ... 今、椎野の修論面接のためにSFCに向かう電車の中なんだが、なんであいつのために、俺は早起きをしてあんな遠いところまで行かなきゃいかんのか・・・大学の先生ってのはどうも割があわん。先日も大津で、よし、安土までドライブするぞぉと連絡すると、すみません、免許証を忘れました・・・とな。いつもながらのことではあるが。。。(T_T)トホホッ
 2月5日  
  • > 年金問題について、今朝の新報道2001、日曜討論、報道ステーションサンデーを観ていても、
    > 民主党は新たな“まやかし”発言をはじめましたね。民主党のウソつき体質はほんとうに悪質です。
昨日もアメニティーフォーラムの人たちに僕が言ってたことだけど、今の彼らは、手負いの猪、超過債務に陥った銀行。
もう、死に物狂いのなんでもあり。
成案から素案への変化からも分かるように、彼らのウソつき体質の度合いは凸型で高まる一方だぞ、手負いの猪が死ぬまでね(笑)。
そして僕らにできることは、政治家が確信犯的に正々堂々とウソをついたら誰もかなわないというここ数年の認識を、再認することだけかもな。
  撮りたかった絵は撮れたようで、あらゆるニュース、あらゆる新聞に三色旗を背景とした絵を流させることに成功しているな。
  • 「年金制度の抜本改革、社会保障改革をやっていく中で・・・」
よくもまぁ、滔々と流れるようにウソをつけるもので、慶應の学生も、この程度のもんだろうと完全になめきった言動だな。
 2月4日  ニュースでやってたな――以前、連絡が来てた話。
  • 総理室が新橋駅前の二の舞にならないようにとひた隠しに隠している慶応大学での2月4日の総理講演ですが、権丈先生の正しい教育を受けた正義の眼をもった学生が的確に総理に対峙する勇姿を見せてほしいと願っています。
    反対派の乱入を惧れ、きれいなヤラセ的な講演にするため・・・
僕のまわりの学生は、そんなのには絶対に行かないで、きっと家で寝てたよ(笑)。
  • で、4日に総理が慶応で講演するというので、権丈先生もいらっしゃるのかな~とHPを見たら、
    この日は恒例のアメニティフォーラムだそうで・・・。
    でも、ほぼ同じ時間帯に「社会保障と税の一体改革」をテーマに講演されるとは、相変わらずウィットの効いたお話ですね。
    思わずぷぷぷと笑ってしまい・・・
    あしたの講演内容もぜひアップしてくださいね。
アップはないない。
今日は講演の後、アメニティーフォーラムに来ていた学生たちと、安土城に遊びに行ったりしていたよ。雪が積もった石段を革靴で登ったり下りたりするのは、死ぬほど大変だった( iдi ) おまけに顔は雪焼けだ。。。
   アメニティフォーラム16 プログラム
  • 2012年2月3日(金)~5日(日)
  • 2月3日
    2月4日
   こういう明白な?が、日々堂々とテレビで報道されているお国柄だから、君らは自分で考えるしかないんだよ。
  • 昨晩の報道ステーションでの、古舘氏による現行年金制度の解説
    積立金をかなりつかいこんだ・・・さらには後にグリーンピアとかさまざまな保養施設をはじめとして積立金をがんがん使った、一説によると800兆円分くらいつかったんじゃないかという説もあるぐらい
年金局、あるいは野党は、発言の根拠を求めなきゃな。
次でもご参照あれ。この国では、政策を批判する側になんのコストも負わせないから、こんな世の中になるんだと、2007年に書いた文章。
 2月2日  完全に形勢不利な中、ディベート力だけでその場しのぎをする技を学ぶのに、良い教材の紹介。「公平」という言葉の多義性を利用して、相変わらず逃げ切ろうとしているよ。時に大声をだしたりしてな。「公平」を盾にする人間が、「運用3号」や「加算制度」等々、この上なく「不公平」なことをやろうとする面々であるところがおもしろくはある。 質疑応答の中に出てくる2005年の年金与野党協議は、次。年金に関心があるならば、必読の議事録だろうな。民主党の抜本改革年金号は、2005年のこの協議会の時点で既に死んでるのが分かるはず。 この両院合同会議については、次あたりをご参照あれ。 次は、教育に関して検討する会議での僕の発言(12月26日開催)――議事録は、まぁ、近々公開されるかな。隠蔽されるかもしれないが・・・
  • 国会の答弁とかを見ていると、ディベートやスピーチの弊害が大きいなという気がするんですね。恐らく先ほどのように、くじ引きでポジションを決めて、それで自分を正当化していく論を展開するのに長けた人間が、政治家の上に行くというシステムになっている。最近の政治はその傾向が顕著になった気もする。ディベートの訓練をすることによって、国民を本当に幸せにする政策解というか、そういう方向に子供たちを導くことができるのでしょうか。
  うん、まぁな。欲を言えば、図に、現行制度の給付水準を破線で示しておいてもらいたかったけどね・・・欲張りすぎか(笑)。 各紙揃って、「民主党は新年金案を撤回せよ」と簡単に言うけど、それは、なかなかできないんだよ。
撤回したら、枝野、大串、長妻、古元、山井(五十音順敬称略)をはじめ、年金で絵空事を唱道してきた面々は、次の選挙で総崩れになる。政治家の再選への悲願は国民の幸せよりも大切だろうしな。 ちなみに、新聞は年金をよく知った報道をしているけど、テレビは民主党の隠蔽戦略(お得意の国民愚民扱い戦略?)にのせられた素人報道をしているな。まぁ、新聞とテレビの記者の力量の違いが明白に出ていておもしろいよ。
 2月1日 やっぱり、テレビはみない方がよかったみたいだな(笑)。次、人口推計報道が解禁された1月30日のニュース。
NHK7時のニュース
  • 津谷典子氏(社会保障審議会人口部会部会長・慶應大学経済学部教授)「我が国の社会システムは公的年金に限らず、それ(急激な人口減少や少子高齢化)を前提に設計されたものはひとつもない」
NHK9時のニュース
  • 藻谷浩介氏(日本総研主席研究員)「(年金を)受け取るお年寄りが増えて支払う現役が減る、絶対数の問題だ。年金の支払いが足りなくなりつづけるということ」
  • Q「若い世代が高齢の世代を支える(制度には)財政面から破綻しかねない懸念が」
  • 藻谷氏「すでに破綻していると言ってもいいのではないか。さらに今出た見通しよりそれが改善するどころか、放っておけば悪化することが改めて確認された。制度の見直しはとっくにやっていないとおかしいし、やらなくてはいけない」

君たちは、僕が一昨日書いた「前回の年金財政検証は、合計特殊出生率は1.26で計算して、今回は、それが1.35になる」ということと照らし合わせて、上記のコメントについて自分で考えることだ。もう一度、次をみて、国勢調査、人口推計、財政検証の関係を確認しておくように。 とにかく、自分で考えることだ。それしか君らに言えることはないね。再度次でもみておきな。
  前回の年金財政検証は、合計特殊出生率は1.26で計算して、今回は、それが1.35になるってことだろな。
それがどういう意味を持つのか、自分で考えることだ――昨日も話をしたように、テレビはみない方がいいだろな(笑)。
参考までに。 これもどうだ。
   
  • > 彼らは試算もしないままに、マニフェストに書いていたということでしょうか?
そのくらいで驚くなよ、アホ。
必要財源の見積もりもないままに、法案をだしてしまったこともある面々だぞ。
次の動画の話の中で、僕ら研究者が一番ひっかかる言葉は、「私たちが調べた限りでは」だ。政治部の記者や政治学者も、この言葉に強く反応するようであってほしいんだけどな。
 1月30日  まぁ、バカバカしい話だが、一応、記録として。 年金受給者の中には、そして民主党議員の中にも、政権交代すればすぐに年金が7万円になると思っていた人が結構いたんだけどな。
なお、あの試算は、民主党の調査会(仙谷由人会長・古川元久筆頭副会長・大串博志事務局長)、当時の枝野幸男官房長官、細野豪志補佐官らが、前提等を綿密に打ち合わせして、昨年春に年金局に行わせたもの。一体改革素案における該当箇所は次。
それと下記、「保険料15%程度」は、自営業者の人を含めたすべての人も同じという意味。
 1月28日   まぁな。2015年消費税10%は財政再建の一里塚に過ぎず、将来、基礎礎的財政収支を黒字化するためには消費税はさらに上げなきゃいかんのだよ。加えて金利が成長率を上回れば国債費が増える問題も視野に入れなきゃいけない。その上に、民主党の新年金を実現する余地が、将来の消費税にはどの程度あるのかも考えなければな。
次の図「財政再建と消費税機能強化を両立する消費税増税案」(2頁)をご参照あれ。 ただ、民主党が年金を政争の具として政権をとったのも事実。民主党の年金戦略と8年近く対峙してきた僕からみれば、次の谷垣さんの代表質問での要求は、当たり前だ。
  •  谷垣さん代表質問

    この点に関し、昨春の民主党の調査会では、最低保障年金を導入すれば、最大で7%分の消費税の更なる増税が必要になるとの試算結果が示されたものの、資料は回収され、お蔵入りになったと報道されています。その試算では殆どのケースで、中堅所得者の給付が減るうえに税負担も増えるダブルパンチになるとも報道されています。これは、保険料を納めなかった人も含む全ての人に月7万円をばらまくことが如何に大きな財政負担を伴うか、財政負担を抑えようとすれば中堅所得者までも負担増となるのみで、いかに保険料を納めた正直者がバカをみることになるかを示す試算だと言えます。
     総理にお尋ねします。報道されたような非公表の試算は実在するのですか。するのであれば隠蔽せず、公表すべきではないでしょうか。そしてなぜ「素案」に追加財源が必要なことを書かなかったのですか。お答えください。あわせて、そうした試算結果を妥当なものと考えるか、お答えください。
     民主党の輿石幹事長は、与野党協議の土俵作りのため、年金制度改革の案を早くまとめる意向を繰り返し示しています。しかし、先ほどの試算の隠蔽疑惑があるほか、最近では昨年6月の「成案」を取りまとめた民主党内閣の与謝野元大臣が民主党の年金制度改革は「嘘」であり「使いものにならない」、「成案では、一応看板だけ残しているが、あれは墓碑銘」とまで言い切っています(インタビュー)。このように「死せる年金制度改革」疑惑まである中にあっては、今度示されるものは、抽象的な考え方ではなく、よほど具体的なものでなければ意味がありません。これを欠いては、民主党の言う年金制度改革は、幽霊のような実体のないものであって、不都合な真実を隠して、できもしないものをできると言い募る、民主党マニフェストの典型的な手法の繰り返しとなります。
     増税だけ決めて、その使途たる社会保障制度の根幹について将来の姿が曖昧かついい加減では国民の理解は得られません。そこで総理には、考え方や選択肢といったものではなく、輿石幹事長の発言も踏まえ、新年金制度の所得制限の水準などの詳細設計、更にはその費用と財源についての政府・与党案を、消費税率引上げ法案を国会に提出するのであればその提出より前に明らかにしていただくことを求めます。その際には、報道された試算との関係や、我々が主張してきた更に必要となる消費税率の引上げ幅との関係、中堅所得者の給付と負担に及ぼす影響についても具体的に説明していただく必要があります。負担を先々の話として誤魔化すことは許されません。総理、このことを確約いただけますでしょうか。その期限も明確に示してください。
     なお、この浮かんでは消える年金制度改革を早くから提唱してきたのが、今回入閣した岡田副総理に他なりません。・・・岡田副総理には、「逃げないできちっと結論を出す」という総理からの人物評価に相応しい対応を期待しますが、その決意も伺います。

  • 大切なことは考え抜いた制度を作ること」『年金時代』2012年1月号(No.604号)
  • 公的年金論議のパラドックス」『週刊東洋経済』2012年1月1月7日号
  • 政争の具にされてきた年金の現状」『週刊東洋経済』2011年10月22日号
   なんだかな。
   そう言えば、昨日、ここで紹介した民主党の新年金改革案・・・再びお蔵入りさせるらしい。みんな見てしまったのにな(笑)。
  • 年金財源示さぬ方針 増税論議への影響懸念 朝日digital
「前原氏は輿石氏との会談後、この試算について”党内の大衆討議にかけて決めた事実はない”」と言っているらしいけど、大衆討議にかけようが、総理の言うように「民主党でさらに検討を深め」ようが、政策選択の制約条件ってのは変わらない・・・ことは、君らは分かるよな。年金試算というのは、消費者選択における予算線のようなもの。党内の大衆討議や深い検討で形状が変わるわけがない、いわばcool head部分。
いつものことながら、彼らは国民を気持ちが良いくらいになめてる(笑)。

ところで、来週には、新しい人口推計がでるみたいだ。次でもみて、来るべき来週に?備えておきな。
 1月27日  あのなぁ。毎日新聞の社説にある、「谷垣氏は衆院選で信を問い直した後なら「ともに力を合わせて努力したい」とまで語った」ってのは、去年の昨日1月26日の代表質問でも谷垣さんは言っている話。続けて、「再三指摘してきたように、このまま総選挙に突入しても、民主党と自民党との違いは有権者にはよく分からない」と書いているけど、有権者に関しては知らないが、みなさんたち論説委員が、歴史をしっかりと把握していないから分からないだけ。今年の野党代表質問に対する社説を書く際に去年の代表質問を調べようともしない態度は、いただけないねぇ。うちのゼミの学生なら、即刻、「降りろ」だな。
 朝日も毎日も、野党代表質問の翌日の社説としては、去年より少しはましになっているけど、まぁ、しっかりとした歴史認識をもつという意味での教養の低さがめだつ文章だな。歴史を無視した判断は間違えやすいんだよ、去年の論のように。
 とにかく、メディアってのは、間違えないという、よほどの自信がない限り(そのためには若い時からしっかりと勉強してもらわなければならないんだけど)、あんまり決め打ちしないことだ。プライドってのは大いにあるようだから、間違えても方向転換できなくなるからね。次は、年金の例だけど、どうぞ。 ちなみに、年金の話をしておけば、今は、旧来の「民主党の最低保障年金」〔昨日メディアにリークされていた案?〕の他に、一体改革成案・素案に書かれた最低保障年金というのがあるわけで、後者は、実は、「読売の最低保障年金」。だから、成案・素案の最低保障年金のだらしなさを批判できるのは朝日くらいで、あの制度の欠陥が明々白々になった今も読売は正面切っての批判ができない状況に陥っている・・・でっ、この読売案ってのは、読売の記者が必ずしも考えたわけではない・・・、そのあたりの経緯を説明するためには、中央公論が読売の傘下にあって強い繋ながりがあることや、読売が良かれ悪しかれ上意下達の意思決定システムを持つことまで触れなければならないわけでね。まぁ、このあたり、いつか、生き証人シリーズとしてまとめておこうかね。
おっと、去年の野党代表質問での谷垣さんの言葉「国民の信を問えば、その後あらためて共にその危機を乗り越えていくことは可能であると考えます」が書いてある文章をのせておかなくてはな。 おまけ 上記の文章を書いた2008年4月にすでに、次を言っているな。
  • 貧困に陥ることを防ぐ「防貧機能」をはたす社会保険に、貧困に陥った人を救う「救貧機能」を租税を使って組み込もうとすると、保険料の拠出インセンティブを削ぐことになり、結果、国民の自立自助の精神を侵していずれは租税支出が膨らんでしまうという難問に直面する。読売による最低保障年金の提案が、こうした難問を国民が考えるきっかけとなってくれればと思う。
   なるほど(笑)。今日の谷垣さんの話、一年間授業に出て、スミスだリカードだという話を聞いていたわりには、君らはほとんど理解できるようになっていると思う。 細田さんの話は笑える。2009年5月に新報道2001に出た時、当時の細田幹事長vs岡田幹事長+今の黒岩神奈川県知事でやりあっていたけど?(俺は知らん)、細田さんが2009年マニフェストを掲げて「恨み辛みもあるので毎日のようにみておりますが、これほどのウソはない」というのは、ウケた(笑)。彼が民主党を評した「一将功成りて万骨枯る」、まさにそうかもな(笑)。とにかく、あの党の幹部たちは、政権交代のおかげで、実にいい目にあっているよ。

去年の谷垣さんの代表質問も、1月26日だったようだな。 まぁ、一年前、僕はぎりぎりのラインとして総理禅譲も視野に入れていたようだけど、今は、それもありえないな、僕の中でも。
与謝野さんをはじめとした人たちが、あの党を以前のようなバカな野党には戻らないところまでひっぱってきたしな――甘いかもしれないが。
 1月26日  
  • 民主・新年金制度 神戸新聞
  • 新年金案、解かれた封印 新たな火種に 朝日digital
    公表する考えを示していた民主党の前原誠司政調会長も、試算内容を知るとトーンダウンし、「表に出して与野党協議の俎上(そじょう)に載せるか、これから相談して決めたい」と語るにとどめた。官邸内では「公明党から変化球を投げられ、食いついてしまった。民主党らしい」との声も漏れる。
関連資料
   まぁな。今問われていることは、僕は、次あたりであってほしいと思う。
僕が以前から言っている、選挙の正当性、統治の正当性などは一切お構いなしという国にはなってほしくないんだけど、大新聞の論調なんかをみていると、どうも、この国はその程度っぽいな。
  •  日医医療政策会議講演録(2011年7月15日)
     今年の224日に書いていることだが(勿凝学問363所収)「今の総理や与党は、不思議と相手の論が正論になってしまうという大きな特徴をもっているんだよなぁ。良いことなのか、悪いことなのか分からんけど、興味深い特徴ではある」――この特徴が、「政権交代の是非」以前に、「政権交代の仕方の是非」に由来して、この政権が根っこの部分で統治の正当性を持っていないことから生まれているように思える。選挙という、どんな人物でも先生に昇華させてしまう「神聖な儀式」を通過した人たちは、官僚を頭ごなしに怒鳴り付けることができるくらいに強い権力をもつことになる。だから、その「神聖な儀式」が、あまりにも卑怯な手段で穢されてしまうとすれば、その人物は先生ではなくなることになる。そのあたりが、私が以前から使っている選挙の正当性、統治の正当性という言葉と関係してくる。
ちなみに、上記の講演録は、次の中の121ー150頁に収められ、来週か再来週には、出来上がるんじゃないかな。
  • 目次(平成22・23年度医療政策会議報告書)
この報告書には、僕は他に、「医療保障政策と医療団体の政治経済学的位置」という文章を書いている。
  •  目次
     
 1月25日   次とセットに読んでおいてくれ。
  • 新春インタビュー「大切なことは考え抜いた制度を作ること」『年金時代』2012年1月号(No.604号)
     彼らは今、一三年に年金の改革法案を出すと言っています。民主党は〇四年に、スローガンを掲げただけの、わずか11頁の法案を出したことはありますが、あれは普天間で「最低でも県外」と言ったのと同じレベルの話。年金をどこに移設するのか?我々は、彼らが出す改革の具体案を7年間も待っている。実は、昨年五月に民主党は非公開の場で、年金改革に要する財政試算を検討していますが、その結果があんまりだったので、彼らは試算を封印しました。一三年では、解散総選挙に間に合わないかもしれないので、早く法案を出してもらいたい。今や年金での民主党の卑怯なやり方を強く蔑んでいる新聞・経済誌の記者の前に彼らの具体案を示して初めて、民主党議員の責任の大きさが明らかになり、有権者は選挙に臨むことができるんじゃないでしょうかね。
1月12日には、次も書いてるな。
  • まぁ、最近の民主党年金戦略のぶり返し。僕らが、昨年9月の組閣人事・党内人事をみれば、予測できることではあるわけだ。
    そこで、10月に次を書いている次第。
    • 政争の具にされてきた年金の現状」『週刊東洋経済』2011年10月22日号
    • 彼らが存分に弄んできた年金はこういう状況にある。政府が成案で示した改革の第1段階「現行制度の改善」を行うために社会保障審議会の年金部会が始まった。絵空事を唱道してきた人達の面子を守るための制度の改悪などは御免被りたい。
   去年の今頃に書いた次でもみておきな。
 1月23日  どもな。昨日、次がアップされたわけか。なるほどっ、「16兆8千億円財源を作ることは十分可能であります」「財源はいっぱいあります」かぃ。まぁ、あの頃、確かに彼はそう言っていた。財務副大臣、財務大臣の時の流れるようなウソも、誰かがアップしたらまた一興なんだけどね。 まぁ、去年9月の学会で、テーマ「政権交代の意義」として、僕は次を報告してきたわけだけどな。 次もどうだ。
  • 権丈報告要旨持続可能な中福祉という国家像 Aging Forum 2011 於 目黒雅叙園) 
     今の野党が与党時代に骨格を作った社会保障・税一体改革案が、今の政府の下でスムーズに実現するとなれば、政治家はウソをついてでも権力をとった者が勝ちという話になり、今後一層、政治的モラルハザードが深刻化し、政治家の言葉を国民はますます信用しなくなって日本の民主主義は真の危機を迎えることになるだろう。
 1月22日  うん、まぁ、政治家が確信犯的に、正々堂々とウソをついたら、誰もかなわないんですよね。
(昨日のHPを読んだ人より)
  • 権丈先生

    突然のメールをお許し下さい。
    ・・・
    当時、私は○○をしており、この“天下り12兆円問題”を担当していました。少し精査すれば分かりそうな数字のトリックですが、それを堂々と大きな声で何度も言われると、まともに議論したり、反論したりすることがいかに困難かを痛感しました。今でも、天下り12兆円を信じている国民は多いと思います。たぶん、みのもんたさんも信じていると思います。
    ・・・
    とにかく「議論できない状況」こそが、政策の過ちより圧倒的に問題だということを肝に銘じているところです。
    「話せば、わかる」と言いますが、「話せれば、なんとかなる」です。

    当時を思い出してだらだらと愚痴めいたことを書いてしまいましたが、ただ、確かなことは、先生の「勿凝学問」や東洋経済の記事などと読み比べてみると、当時私たちの説明は稚拙で有権者に伝わりにくかったのは、残念ながら、事実だと思います。

    先生の益々のご活躍を、心から期待しております!
いっ、いや、ご隠居ですから・・・
   付け加えておけば、彼が街頭で調子よくスピーチしている話の中身は、このウソだ。 消費税5%分の天下り先というウソ話は、次にもあるな。 ウソってのは、付きなれるとなんとも思わなくなるのかもな。
 1月21日  うん、たしかに面白い(笑)。 スピーチの調子が良いだけで、彼の話は最初から聞くに値する中身がないということが、みんな、わかんないんだよな。
僕が12月に、教育について話し合う、ある公の会議で話をしてしまった、ディベートやスピーチの練習だけの弊害というやつ。
野党時代からの彼や前の官房長官をみてきて、つくづくそう思いつづけてきた次第。
彼らを評して、『ゲーテの警告』には職業的詐欺集団(116頁)と書いてあるが、いやはやなんとも。。。

君ら3年生は、もう、次のことも知らないかもな。まだ、鳩山さんが首相だった頃に流されていた画像。 逆に、こういうのもある。 一昨日知人に送ったメール。
  • この国が救われるためには、すみやかに前回の総選挙を清算してもらう道にかけるしか方法はなかったと思いますよ。
    自民党と公明党は、消費税の増税を正直に掲げて総選挙を戦い、消費税の増税は20年間不要で、消費税の議論さえ必要なく、総予算の1割や2割は簡単に削減できると謳った民主党に敗れ下野していくことになる。「職業的詐欺集団」と世間で言われているやり方で政権を簒奪した民主党が、今になって権力を笠に着て消費税の増税に協力しろと野党の自公に要求してもなかなかね。私ならば、世間からどんなに批判され、自分が結局不利になることが分かっていても、2009年総選挙を清算しろと言って応じないでしょうね(笑)。下衆な面々からは政局しか目にないのかと言われるでしょうけど、問題の本質はそこにあるのではないから、無視するだけ。まぁ、実際、私の性分ではああいう類の人間たちに協力することはあり得ないから、「この国で最初の歴史に対する反逆者になってやるよ(2011/2/15)」と言って、そうしてきたんですけどね。それと重要なことは、彼らに係わるということは、詐欺の片棒を担ぐことと同義。「係わった瞬間に罪を負った」と仰るように、係わったあなたが負け(笑)、権力は強しです。
    ただ、第2の民主党が育つ前に、2009年総選挙を清算しなければならなかったんですが、時、既にあぶないかもしれないですね。でも、そのリスクを視野に入れても、早ければ早いほど望ましく、遅くなればなるほど、次なるリスクは高まる。
でっ、なぜ解散はないのか?
答えは簡単――総選挙をやると民主党は3人に2人が落選するとの調査結果があったりするから。
昨年6月の内閣不信任案投票で、民主党議員が不信任案反対に投票したのは、それだけが理由。
素案がまとまった昨年12月29日の次の言葉にすがって、今の与党は動いているだけの話。
  • 「衆院解散は考えていない。皆さんの当選が自分の仕事だ」
      日経「民主 亀裂深刻に 9時間議論、深夜の決着 政権運営波乱含み」
去年とは違った形での新たなチキンゲームだな。
完全に行き詰まってる。僕の言う、後遺症に苦しめられる日本ということだ。 ちなみに、昨年の今頃のチキンゲーム。
  •  「日本の社会保障と財政」『世界の労働』2011年1月号(第61巻第1号)
      さて、八つぁんの立場としては、熊さんへの報復に血道を上げすぎると、今度は自分が国民から批判されてしまう。熊さんもそこを見こして八つぁんにゆさぶりをかけるつもりでいる。さてさて、来年度予算、国民の生活を人質にしたチキンゲームのお膳立てができたところで、2011年が幕開けとなった。
     やらなければならないことは消費税をはじめとした増税――当の昔から決まっているのに、それを誰も実行できない。財源で大ウソをついて政権を奪い、この国を正しい政策にたどり着かせるのに大きく遠回りさせてしまったのみならず、この国の傷口を広げてしまった熊さんの罪は深い。ところが、今は、「熊さんは手ぬるい、俺さまがやればまだまだムダを絞り出すことができる」という与太郎というのが出てきて国民の人気を博している。国民というのはまったく困ったものなのであるが、数年前に、この困った国民につけこんだ熊さんの登場の後遺症のために、この国では、まず、政治が破綻し、政治は八方塞がりの状態に陥ってしまった。この政治の破綻を引き金にして、次に社会保障が、そして財政が、さらに国民生活の全般が破綻するという破綻連鎖が起こるのか、それとも破綻連鎖を阻止するために、社会の最も根源的かつ影響力のある位置にいる政界がなんらかの自浄作用をみせるのか――2011年の新年を迎えた今、この国は混沌の中にある。
   本日締切で、今提出 昨日が、本年度、最終講義――僕は、1回目の4月の講義で、「川を渡ってこっちの岸にきてもらうことが、この講義の目的」と言っていて・・・
  • 権丈先生

    今年度最後の授業、お疲れ様でした。
    一年間、大変お世話になりました。

    始めの頃は、向こう岸に渡りたくて必死にもがいてばかりいましたが、
    一年間の授業を通じて鍛えられた今は、世の中を少し冷静に見られるようになりました。

    世の中は「そうゆうもん」かも知れませんが、
    少なくとも自分は、正しいことを見失わずに真面目に社会のために働きたいと強く思います。

    これからも先生のHPを拝見させていただきます。
まぁ、ボチボチとな(笑)。僕の基本は脱力系で、マジメに何かをやろうと思うと子どもの頃からじんましんが出きたりして(笑)。
僕が、自分の講義を生涯学習一年目と位置づけたのは、2007年の1月みたいだな。
  •  勿凝学問62 選択のときへの選択のとき
     そしてできれば、この講義を履修した人たちには、テストを受けて単位を取得した後も、わたくしの「仕事の頁」を、時々チェックしてもらいたい。講義で話したことやわたくしの考えのその後の推移を、今後長く「仕事の頁」で君たちに伝えていくつもりである――ようするに、この講義の履修は、ネットを使った生涯学習の1年目の履修と諦めてもらったほうがいいのかもしれない。
そして、学生が自分で、答案用紙に生涯学習1年生と書いていたのは、その直後。
   次の中にある、「医療費の将来見通しに関する検討会」の1~3回の議事録をみてごらん。会議の流れが、これほどひっくり返ることは、なかなかないよ。
 1月20日 昨日話した、ワシントンのことは、次の脚注にあるな。
  • 勿凝学問212 11年度からの消費税上げを32%も評価しているらしい――リベラル自民と保守民主の兆し?
    次の言葉は誰のものでしょう。「一部の人間が集まって騒ぎを起こしているが、彼らは配慮に欠けた人たちである。いったい自分たちの行っていることが、いかなる結果を引き起こすか考えてみたことはあるのだろうか」。

    答えは、ワシントン。ジェファーソンの行っている民衆の話し合いのことを耳にしての、ワシントンの反応です。このジェファーソンの「民衆の話し合い」が、後の民主党になり、アメリカにおける政党政治の原型となっていきました。
    また、アメリカ大統領選挙が、選挙人による間接選挙になっているのは、衆愚政治を避けるために考案されたということが大きな理由でもあるわけです。
政治というのは、直接民主主義に近いところから、徐々に壊れていったりするものだったりしてな。。。( ̄。 ̄ )ボソ...
う~ん、ある出版社の編集者は、2005年頃から、僕に民主主義と国家の成り立ちの本を書いてほしいと言ってきていた――彼には、僕が考えていることは、そういうことなんだということが、当時から見えていたのかもな。
 1月19日  日刊スポーツ・・・
   そう言えば、こういうのがあったな――2009年12月、総選挙から数ヶ月後
  おぉっ、復帰してんだ(謎)。明日、ゼミでバブルへGO特典ビデオの「総理に聞く!!」をみるんだが、これが笑える(再び謎)。
   ども。
  • HDの整理をしていたらこんなものが出てきました。
    2007年当時、このビラは何十万枚(あるいは何百万枚?)も印刷され、農村にばらまかれました。
    農業分野でいう「年金問題」に相当すると言えるかもしれません。
まぁ、あのマニフェストを、「あれは野党時代に作られたものだから仕方がない」とか言うメディアってのがあるとすれば、それは、自分たちの取材力には大変な欠点がありますから、今も自分たちの記事は信じなくて良いですよと言っているようなもんなんだよな。まったくもって、メディアの自殺行為だ。
次の言葉がある講演録(昨年7月15日の講演)、来週あたりには、公開できると思います。
  • ただ、ここで断っておきたいのは、日本が現在のように壊れてしまうのは、別に予測できなかったわけではない。日本の政治が現在のような隘路にはまってしまった根本の原因は、財政や社会保障という国家運営の根幹の問題で確信犯的に大ウソをついて、選挙には最も強い戦略を採った政党が、残念ながらこの国に登場したことにある。まさか、できもしないことをあそこまで正々堂々と口約束だけでなく、マニフェストに、しかも具体的な数字を列挙しながら書くことはあるまいと信じる一般人の良心を逆手に取った選挙戦略をとるデマゴーグが出てくれば、早晩、彼らは確実に選挙で勝つ。彼らがそうした手法を採り始めた頃から、政権交代は時間の問題になっていた。ここでは、その様子の一端を回顧してみよう。・・・
 1月17日  はい、昨晩は、お疲れさん。まずは、人口高齢化を考えるのならば、次をみておいてください。
  • 「日本における少子高齢危機論への疑問」『再分配政策の政治経済学Ⅰ』
上記の論文は2000年に書いたもので、昨日話をした、必要成長率というのを試算しています。
それから次かな。政権交代後、最初に書いた文章です。 それからしばらくして書いたのが次。 それとこれだね。
次の仕組みも知っておいた方がいいだろな。 税とかに関する日本人の意識は・・・ ノーベル賞もの3つ、お手すきの時でも これもあるな。 はじめの方で、次も話題になったかな。
   
   
   
 1月17日  相変わらず、無理のある話を無理に通そうとするから、論に無理が生まれてるねぇ。
  •  民主党大会 首相は「負担増」の説得尽くせ yomiuri.com
      民主党は、財源不足で既に破綻したマニフェストを実行するとごまかしを重ねても仕方がない。野党時代に作成したマニフェストに無理があったと謝罪したうえ、一体改革を進めることが大切だ。

     昨夏の中間検証は、マニフェスト作成時に「検討・検証が不十分だった」との総括にとどまった。より踏み込んだ総括が必要だ。
あのマニフェストは、「野党時代に作成した」からという理由だけではないんだよ。次でもどうかな。 これも見ておきな。総選挙の前から、みんな分かっていたことだ。政治部の記者が分かっていたかどうかは分からんけどな。 大手新聞は、懸命に目を瞑ろうとしているけど、論に無理が出るな。
まぁ、いずれ、朝日の方から、もっとおもしろい社説が出てくるだろうけどな。
そして、国会が始まって、野党が代表質問をした直後から、大手新聞は一斉に野党批判を開始して、世論を民主党支持に向けることに尽力――去年と同じように。 世論調査とうのは、メディアが作りたい流れが世論に映った像が示される傾向があるものだが、今の世論調査の結果は、これだけ、大手新聞がサポートしてあげても、支持率はこんなレベルというふうに見た方がいいかもな。
読売の社説にある「昨夏の中間検証」というのは、前総理辞任会見の日にぶつけたやつだな。
マニフェスト中間検証の発表と前総理正式退陣表明は同じ日――なんと、すばらしき偶然。
あの日のメディアは、退陣表明と代表選の話で大いに盛り上がり――思うつぼってところだろな。

状況は次にある。君らは、今後どういう展開になるのかを予測して遊んでみることだ。 次でもみておきな。
 1月16日  今朝の日経の「やさしい〔はずの〕経済学」、僕が授業で話している、社会保障論の核心の部分の話だから、みておきな。
  • 貨幣論の系譜(9) リカードとマルサス
   さらっとですが、ようやく拝読。 王道、正論の落ち着いた内容で非常にいいですね。
まぁ、数理の世界では、トンデモ天動説の年金論を展開することは、やろうと思ってもできないでしょうけどね(笑)。
このHPとの最近の話題との関連で言えば「BOX7 年金財政の将来見通しにおける前提は甘いか?」などがおすすめ。
僕が年金の世界にお邪魔し始めた時、アクチュアリーの人たちから、「権丈さんは、アクチュアリーにも分かる年金論を言う人なんだよね」って不思議がられたんだよな・・・って、それまでの年金経済学者って、なんだったのか。。。
9月24日にも次のように書いてるね。
  • そう言えば、この前、医師の方から、次のような連絡が。
    • エビデンスを示しての内容は説得力があります。我々自然科学者(?)は、こういう論法には抵抗が無く親しみを感じます。

    年金の時も、僕の論に最初に注目してくれたのは、アクチュアリー(保険数理人)、つまり、理系の人たちなんだよね。
    先日の松本のシンポジウムでは、「僕は、雑駁な議論が苦手でして・・・」と言って、エビデンスベースの講義?をしてしまったけど、まぁ、それは、僕の特徴なんだろうな――良い意味でも悪い意味でも。。。
アクチュアリーについては、この頁の12月5日も触れていますね。
こういう専門家の見解と対極にあるのが、まぁ、いわゆる民主主義政治?ってなわけかな。
民主主義の下で年金騒ぎをして遊ぶためには、アクチュアリーは邪魔だろうね。
だから、民主党は、ずっとアクチュアリーを遠ざけて、まぁ、いわゆる「年金経済学者」頼みだったわけだ。
 1月15日 んっ? この質問は、正確じゃないから、僕は答えることができないな。
読売はわざとか、それとも、読売の記者はその程度ってことか。
  • 「年金など社会保障制度の財源として消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%まで引き上げるとする政府・与党案・・・」 
    内閣支持率37%に下落 yomiuri.com
財務省は、この手法を使いすぎると、一里塚の次のステップ、つまり、高齢者三経費のスキマが埋まった後に必要となる増税の時、どう考えても手詰まりになるな。消費税に頼らないでPBの黒字化ができるはずもなし。まぁ、この流れは、2008年12月の中期プログラム――否、その前年11月の財政改革研究会の中間報告書からはじまってるんだけどな・・・いやいや、2005年10月の財政改革研究会の「中間とりまとめ」の中に、すでに「消費税のすべてを社会保障目的税化する」の文言があるな。
僕は、2015年ではなく、2020年以降も視野に入れた中長期計画派なんだよね。そうした方が、隠し事なく正直に語ることができるし、むしろ当面の2015年のことも、実現可能性が高まると思ってるんで。次でもどうぞ。
  • 財政・社会保障一体改革の工程表を」『週刊東洋経済』2011年5月28日号
     集中検討会議は、財政全体の中で社会保障を位置づけながら、租税と社会保険料、双方で財源を確保する中長期の道筋を、正直に国民に示す工程表を出してほしい。そうした工程表を作れば、民主党のマニフェストと大きく矛盾する。だが、この種の報告書は内閣よりも寿命は長い。
 1月14日 ここで、ひとつの疑問が出てくるな。僕は、「公的年金論議のパラドックス」で、財政検証のための経済前提専門委員会の議論を観察・評価すべしと論じている。一方、「誰が何を間違えたのか」の「1経済前提が甘い」のところで、年金局は、民主党の山ノ井氏たちの要求により前代未聞の前提で試算を行っている。なぜ、経済前提専門委員会を通さない年金試算を年金局は行ったのか?

この問への説明は、時々、年金の話としてではなく、政治ってのはねぇという話題の中で、授業の雑談で話すところだが、昨日は、「誰が何を間違えたのか」を勝手に読んどきなと言って、年金とはまったく関係のないマルサスだケインズだという経済政策の話をした。
ということで、上記の問、なぜ、年金局は専門委員会を通さずに年金試算をしたのかについて、若干説明しておく。

まず、当時の年金部会の日程をみてみる。 あの年の財政検証は、2月23日に終わっている。
そうであるのに、なぜ、3ヶ月後の5月26日に臨時年金部会が招集されたのか?
ここは、僕の仮説なんだが・・・と断って話していることだが・・・
6月始めに、基礎年金国庫負担を2分の1に引上げる財政措置に関する法案を通さなければならなかった。
当時、解散総選挙は近い。だから与党は、「強行採決の映像」だけは残したくない。
目の前に迫っているはずの選挙戦の最中に、連日、その強行採決の映像を報道されてはたまらない。
そうしたこともあり、どうも、与野党で取引が行われているな――我々民主党が要求する前提で年金試算をするなら、与党の条件を飲むと。
こうして、与党は、民主党の要求する前提で年金試算をするよう年金局に指示を出したと、僕はみている。
しかしながら、これは、ルール違反。だから、5月26日の年金部会で僕は、次の発言をしている。
  • 議事録  (2009年5月26日)
     我々は、経済前提専門委員会、そしてこの年金部会というところで、ある程
    度の専門的な考えに基づきながら納付率や経済前提について話し合い、財政検証の試
    算の事前に、前提を決めているわけです。まさか▲0.7%の経済成長率が100年間続
    くとかという、年金以前に国が破綻してしまうような値を我々が出すはずがない。
     つまりここで言いたいのは、我々は年金を政治から守るために、ある程度専門家の
    知識というものを使っているわけなんです。我々専門家が、この国の年金で最も心配
    していることは、政治リスクなんですね。それをどういう政治状況があるか知らない
    けれども、年金が政局作りに使われ、年金が政争の具にされ、おもちゃにされるよう
    な状況をブロックする機能を、経済前提専門委員会や年金部会が持つ必要があるので
    す。
     社人研がやっている人口推計に関しては、政治家が人口推計の前提を変えてくれと
    注文したら、その場合は専門家に問い合わせるのではないかと思うんですけど、なぜ
    経済前提に関しては、あるいはこういう納付率の問題に関しては、経済前提専門
    委員会や年金部会に無断で追加試算を出すのか。
     経済前提専門委員会で議論させれば、民主党の山井さんが試算要求を出した▲
    0.7%の成長率が100年間続いたらどうなりますかとか、▲1.7%はどうなりますか、
    というような話は荒唐無稽な話だと一蹴されることになるでしょうし、こうした年金
    以前に国が崩壊するような経済前提で年金の財政検証を行うことは百害あって一利
    なしだという議論が行われるでしょう。追加試算の要求を出すのが政治家ですから、
    我々に試算の拒否権はないでしょうけど、そうした要求に含まれている経済前提の愚
    かしさ、愚かな前提を出す政治家の愚かしさを議論することは意味があると思います
    し、経済前提専門委員会を、そういう形で機能させないと、政治から年金を守ること
    はできないと思います。
     今後、経済前提専門委員会にどういう人が参加されるようになるか、そして年金部
    会にどういう人が参加されるかわからないのですけれども、専門性というものを持っ
    て議論しているわけですから、そして我々は同時に、これは皆さんがどう意識されて
    いるか知らないのですが、経済前提専門委員会や年金部会は社会システムとして、年
    金が政争の具とされるのを守るための組織として存在していると考えることもでき
    るわけですから、年金の財政検証についてはその前提のひとつひとつについて、公開
    で議論できるような、そういう方向というか、道もあるということも視野に入れてい
    ただいて、次の財政検証では考慮してもらえればと思います。
この日5月26日の年金部会は、委員の多くから、こんなくだらないことで呼ぶなよな、だいたい、こんなバカげた試算なんかするかよ、という雰囲気で終了。時間は、17時から18時53分まで。
ところが、その直後から、テレビでは年金が破綻したことを政府が発表したという報道が怒濤の勢いで流される。
いつもながら、彼らテレビメディアが欲しいのは、議論の中身ではなく、会議のオープニングで許される写真撮りの時間のみ。
会議が始まる前に報道の原稿はすでにできあがっていて、メディアは一斉に年金破綻キャンペーン。
新聞も、あの時は、日経と毎日のみならず、他の大手新聞も追随。
民主党の年金担当者たちの大功績ということになるんだろうな。
あの政党には、できる奴の評価ってのはそういう評価軸でなされる癖がある。
長妻、山ノ井あたりが政権交代後に政務三役に就任したのは、こうした功績への評価が加味されてのことだろう。
5月26日火曜日が年金部会。フジテレビがインタビューに来たのが28日木曜日。
インタビューだけで帰ってもらおうと思ったら、執拗な出演依頼。
あの時、僕の頭をよぎったのは、2007年の年金記録問題の時のこと。
政治家というのは、週末に地元に帰って、地元の不安な声を聞くと簡単にひよる。
そして週明けに事態を悪化させるだけのバカげたことを決断をする。
31日日曜日、新報道2001に出演。
民主党からは、5月16日に代表になった鳩山代表の下で幹事長になった岡田氏が、幹事長として初めてのテレビ出演。
そのあたりは、Ⅱ巻第2版「第2版刊行にあたって」x頁参照。
直後に、基礎年金国庫負担に関する予算措置は成立。
そして、たぶん――年金局は、権力に抗しきれなかった悔しさを込めて次をまとめているな・・・政権交代が行われる直前に発表。 以上、僕の読みだが、当たらずとも遠からずだと思う。
 1月13日  ども。
  • 権丈先生

    ネバーネバーと、チャーチルの言葉が取りざたされてますが、「第二次世界大戦」ではこんなことも言っていましたね。
    イギリス国民の話ではありますが..
     「われわれに差し迫っている不幸を議会と国民に警告することは、何にもまして必要であった。大衆の指導においては、すぐに一掃されてしまう偽りの希望を主張するほど悪い間違いはない。イギリス国民は危険や不運に対して忍耐と陽気さをもって直面することができるが、しかし欺かれたり、あるいは自分たちの事柄に責任を持つ人々が、愚者の楽園に暮らしていたことがわかると、激しく憤る。」
昨日の話の続きを言えば、僕が、「投票者の合理的無知」を流行らせ、さらに、「政治的関心層の合理的無知」という、本当は自己矛盾に陥っている言葉を敢えて使っている意味も分かると思う、一年間、講義を受けてきた君たちには。
 1月12日  あぁ、面倒だ。年金は次でも読んでおいてくれ。年金のおバカな誤解を解いたりするってのは大学の講義でやる話じゃないぞなもし。。。明日は、もっと建設的な、マクロ社会保障論の話でもしようかね。
次をみて、君らに学んでほしいことは、こ~んなおバカな間違いが世の常識になってしまうってことだな。そして、未だに改善の兆しなし。
まぁ、世の中ってのはそんなもんだ。僕が、「投票者の合理的無知」という言葉を流行らせた理由が分かるだろう。。。
これも見ておいておくれ。
  • 新春特集 インタビュー「大切なことは考え抜いた制度を作ること」『年金時代』2012年1月号
  • 8年前の青かった頃のインタビュー(笑)「メディアクラシーの日本的特徴と年金不信」(『年金時代』2003年11月号)
     与謝野馨氏インタビュー『週刊社会保障』2011年12月12日号
     日本の年金制度をいじくり回せばもっとよい制度ができるというのは嘘です。民主党がマニフェストに掲げた案はおそらく使いものにならないでしょう。成案では、一応、看板だけ残していますが、あれは墓碑銘です(笑)。
     年金を受け取る側のトータルと保険料を払う側のトータルはイコールです。受け取る側が増えれば、払う側も上がります。非常に単純な構造であり、制度を変えることで、もっとうまくできるという話ではありません。
     現在の制度に大きな欠陥があるわけではなく、歴史的にもこなれている制度です・・・
    権丈「政争の具にされてきた年金の現状」『週刊東洋経済』2011年10月22日号
     一体改革の成案には09年マニフェストの目玉だった所得比例年金(社会保険)と最低保障年金(税財源)からなる「新しい年金」は「国民的な合意に向けた議論や環境整備を進め、実現に取り組む」と記されているにすぎない。これは彼らのマニフェストの「新しい年金」は実現できないことを見通せる人たちが、民主党の面目を保つために、改革を2段階に分けて、「新しい年金の創設」を第2段階、すなわち永遠の課題に位置づけただけの話である。
まぁ、最近の民主党年金戦略のぶり返し。僕らが、昨年9月の組閣人事・党内人事をみれば、予測できることではあるわけだ。
そこで、10月に次を書いている次第。
  • 政争の具にされてきた年金の現状」『週刊東洋経済』2011年10月22日号
  • 彼らが存分に弄んできた年金はこういう状況にある。政府が成案で示した改革の第1段階「現行制度の改善」を行うために社会保障審議会の年金部会が始まった。絵空事を唱道してきた人達の面子を守るための制度の改悪などは御免被りたい。
ひょっとすると、近々、もう一段階、おかしな人事がなされるのかもな。

そだ。これもな。
   う~ん、何を言いたいのかよくわからんなぁ。 多くのテレビや新聞では、「ネバー、ネバー、ネバー、ネバーギブアップ、○○モリモリ、あきらめないでしっかり伝えていくならば、局面は変わる」というように、○○モリモリのところは伏せて報道してあげているのに、この社説では、書いてしまったなぁ・・・「大義のあることを」って。
朝日以外の他の多くは、さすがに彼に「大義」という言葉を使って欲しくなかったんじゃないのかね。彼らの、どこに大義があるのやら・・・この言葉だけは使ってはいけない、世の中で一番目か二番目の面々かもな。
   明日は、これも印刷してきておくれ。 成案から素案への動きをみていると、彼らはまた、夢よもう一度と、あの2009年マニフェスト選挙と同じことを演じようとしているみたいだな。以前誰かが、あの年金改革案を掲げて民主党が大敗するまで、この状況は変えられないと言っていたけど、良い線行っている話だけど少し違って、選挙で大敗しても彼らはあの年金改革案を掲げ続けていくんじゃないのかね。
   昨日は、こういうことが話題にも。
   あぁ、それと、この話もしてました。 ちょうどいいや。木曜日の講義に、次を持ってきてくれ・・・こういうことって、政策技術屋見習いくん達には必要な知識だったりするわけだ。
 1月11日  昨晩話していた本は、次。 僕は、ミュルダールの『経済学説と政治的要素』の翻訳者として山田雄三先生を知る。
ミュルダールって、すっごいかしこいなぁと思い、他の本も読みあさる。
そして、んっ?っと思う。
他の人が訳しているミュルダールの本は、それほど賢く思えない。
そこで、思う――これって、翻訳者の力量が反映されているのでは?
そして、山田雄三先生の本と、他の翻訳者の本を読みあさって、上記仮説を検証。
みごと、棄却されず、山田先生の偉大さを知る。

この記事にも触れたかな。 次もかな。 これもだった。 それと、あれだね。
朝日新聞でやってた最近の特集――僕の感想は、権力は強し、こりゃぁ、どんなに卑怯で姑息な手段を使ってでも権力をねらうってのは止められないだろうなってことくらいだな。
   きょっ、恐悦至極に存じ奉ります<(_ _)>ペコッ
  • 先生のHPのデータが消えて私も残念に思っておりました。
    昨日、自宅でたまーに使うPCのブラウザを上げたら12月2日分までのHPが表示さ
    れ、急ぎ保存しました。
    お送りしますので修正を是非、なるべく、お願いします。<(_ _)>
いえね。
年末に、次のメールを思い出して、昨年の9月25日のHPを読み直してみようかなと思ったら、消えてることを発見したわけです(T_T)トホホッ
  • > さて、25日付の先生のHPは、これまでの大きな流れを強い思いで書かれた内容に感じました。
うん、今の動きを、2006年の「医療費の将来見通しに関する検討会」にまでさかのぼって考えることができる人って、なかなかいないよな。そして、あの頃、「厚労省は、医療を過大推計している!」「いや、それは違うだって」と言っても、「権丈さんは、何を言っているんだぁ」という感じで、全方位を敵に回してやり合っていた議論が、後に、医療費の新しい将来試算方法を生みだして・・・・・・国民会議での医療介護シミュレーションに発展していく。2006年当時、そこでやってた当人たちは、その後の展開なんか、なんにも考えないでやっていたわけで、偶然に偶然がかさなって、物事が進んでいくという、いろいろな意味でおもしろいことが書かれていたHPを、おかげさまで復活できました。だいたい、僕は、医療費決定要因の研究や、それに年金なんてのはやりたくてやったわけではなくって、むしろ嫌々ながらやっていたわけで、でも、世の中、そういうもんさってことが書いてあるところでもあるんですよね。

昔のことのところに貼り付けさせて頂きました。
画像がいくつか外れていますけど、いつか、復活させておきます! 
って、どんな画像だったか、忘れてしまっているのもあるようだけど。。。(T_T)トホホッ
 1月10日  HDの整理をしていたら、こんなのを見つけたんで 必要以上に年金不安が煽られて、その不安につけ込んだ不安ビジネスがはびこる。全く困ったもんだ。次でもみておきな。 上の文章は、ケンブリッジのセインズベリーで日経を買ったのがきっかけで書いたやつだ。あの日の11月間近の寒気まで思い出すな。
年金が破綻するって心配する人たちは、次でもみとけや。
  最近の朝日の社説、なんかおもしろいなぁ(笑)。尾崎豊も、生きてれば46歳か。 この社説で紹介されている本に、次のような文章があるねって・・・11月くらいのHPで紹介していたんだけど、9月から12月はじめのHPがファイルの操作ミスで消えてしまったのは惜しい(T_T)トホホッ
  • たとえば、社会保障費をもとにいくら若者が損をしているといっても、それはあくまでも金銭的な話だ。実際にどれくらいの「損」があるかは、もう少し主観的な話になってしまう。現在僕たちが利用しているインフラやテクノロジーは、先行世代が作り上げてきたものだからだ。・・・僕はいくら「1億円トクする」と言われても、団塊の世代にはなりたくない。昔って今より注射は痛かったらしいし、公害はひどかったし、海外のチョコを手軽に買えないし、携帯電話もない。・・・世代間格差の話をしたが、若者たちの親世代がまさに高度経済成長期の恩恵を受けてきた「勝ち組」世代なのだ。だからマクロで見た世代間格差も、実はミクロで見れば格差ではなく、家族内で様々な資源の移転が行われている場合も多いだろう。

    古市憲寿『絶望の国の幸福な若者たち

年金の世代間格差とかを一所懸命言っている人たちってのは、「君らは不幸なんだ。君らは知らないかもしれないが、俺は知ってる。ぜんぶ厚労省の仕業だ。もっと、怒れ、お前はトラになるんだぁ!(違うか?)」って、言ってるようなもんだけど、そう言われている若者の年金ってのは、保険料が先進国標準よりも少し低めの18.3%で、まぁ、保険料相応そこそこの年金水準ってことなんだよな。それに、日本の年金は、他の先進国よりもはるかに積立金を持っていたりもする。まぁ、今の年金受給者の所得代替率は、将来の人よりもちと高いな。でも、2倍も3倍も100倍も200倍も高いというわけではなく、所得代替率でみて10ポイント近く高かったりするくらい。だから、僕は、誰も言っていない、次のようなことを言っていたりもする。実は、今の年金給付を減らして将来世代の給付を高くする具体的な政策で、一番厳しいことを言っているのは僕だったりもするわけだ・・・。
  •  2009年に行われた年金の「財政検証」では、デフレを一時的な現象とみなして設計されていた年金制度の弱点が示された。2004年から2009年の間に、現役世代の賃金が低下しているのに、給付額が据え置かれてしまったため、年金の所得代替率が上昇したのである。そう遠くない将来にはインフレに悩まされる日が来るかもしれないが、低年金者への配慮を行いながらも、早急に、デフレ下でもマクロ経済スライドが機能する準備はしておくべきであろう。また、高所得者への基礎年金への国庫負担を返還してもらうクローバック制度の導入は検討する必要がある。
     さらには、財政の持続可能性が確保されるまでは、日本の財政は非常事態とも言える。公的年金は、物価上昇に合わせてその額が自動的に改善されることになっているが、今後の消費税引上げ過程では、その影響による物価上昇分については、年金額の多寡に応じて全額を反映させないことも考えたい。支給開始年齢についても検討の余地がある。現在、男性で年金を受給し始める場合、厚生年金の報酬比例部分が60歳から、基礎年金については65歳からであるが、2013年度から12年間かけて報酬比例部分の支給開始年齢を引上げ、1961年度生まれからは、65歳からの受給になる(女性は5年後れスケジュール)。労使に定年延長に協力してもらいながら、支給開始年齢を67歳もしくはその先まで引上げる必要があるのは言うまでもないが、現在の支給開始年齢引上げのスピードを早めることも考えられよう。
     「震災復興と社会保障・税の一体改革両立を」『WEDGE』2011年5月号
上には書いていないけど、年金は他の所得と合算して、高所得高齢者にはしっかりと税を課すということで、高所得高齢者に一番厳しいことを言っているのも僕だろうな。でもまぁ、こういうことを考える際には、年金の負担給付比率や内部収益率ってのは、なんの役にも立たないんだよな。そこが、これらの指標を用いた世代間格差論のおもしろいところ。。。この場合のおもしろいってのは、バカにしてるってことだ。

この前、朝日のおもしろい社説の時も、それらしきことを書いていたから、ご参照あれ
 1月9日  ブレアものは、次もあるな。 僕のマニフェスト選挙に対するひとつの規範ができるのは、2007年の経験だろうな。
こういうのってのは、運以外のなにものでもないな。
次でもどうぞ。
  •  勿凝学問347 僕と政治学者の違い、再考――北大シンポ再考をきっかけとして
    北大シンポで、山口先生が、なぜ、小沢氏が代表だった「民主党を力の限り応援していた」のかという話をされている中で、「1997年にイギリスに留学していた時に、政権交代をみたもので・・・」と仰っていたのを聞き、僕は、次のように話したんですよね。  

    1997年、私もイギリスに留学していて、あの政権交代を目の前でみました。ただしあの時、山口先生はオクスフォード、わたくしはケンブリッジで、あの政権交代を体験していますので、オクスフォードとケンブリッジの校風の違いゆえか、その後山口先生と私は、まったく違う考え方をする方向に進んだんでしょうかね(笑)。

  なんだ、ブレアの初当選あたりの話は、昨日のところで終わりかぃ。
ならば・・・ということで、 ほかに、ブレアものはいくつかあるみたいだけど、まずはひとつだけ。
 1月7日 昔から言っているけど、君子豹変ってのは、権力が集中している君主の特権だ。民主主義の下では、なかなか。。。
それに、自分で「君子」って言っているのもいるようだけど、なんだな。
「どの政党が政権を取っても必ずやらないといけない」か。
自分たちに任せてもらった場合だけは違うって言ってた人たちが口にすることじゃないかもな。まっ、どうでもいいことだが。
まぁ、国民こぞって、2009年マニフェストに命を吹き込んでしまったんだから、後遺症に苦しむだろな(勿凝学問374参照)。

そう言えば、上記彼女の記事には、この前、次のようなのがあったね。
今の原因を作っていながら、未だに政治の通ぶってる55年体制の遺物おじさんたちとは、ちがう記者の目をもっているみたいだな。
君子豹変といえば、こういうのもあった。 次もかな。 これなんか、大学3年の君らが1年の頃に書いたやつだ。
    上記インタビューに関連する記事
  • 8年前の青かった頃のインタビュー(笑)「メディアクラシーの日本的特徴と年金不信」(『年金時代』2003年11月号)
     与謝野馨氏インタビュー『週刊社会保障』2011年12月12日号
     日本の年金制度をいじくり回せばもっとよい制度ができるというのは嘘です。民主党がマニフェストに掲げた案はおそらく使いものにならないでしょう。成案では、一応、看板だけ残していますが、あれは墓碑銘です(笑)。
    権丈「政争の具にされてきた年金の現状」『週刊東洋経済』2011年10月22日号
     一体改革の成案には09年マニフェストの目玉だった所得比例年金(社会保険)と最低保障年金(税財源)からなる「新しい年金」は「国民的な合意に向けた議論や環境整備を進め、実現に取り組む」と記されているにすぎない。これは彼らのマニフェストの「新しい年金」は実現できないことを見通せる人たちが、民主党の面目を保つために、改革を2段階に分けて、「新しい年金の創設」を第2段階、すなわち永遠の課題に位置づけただけの話である。
おまけ――これが、8年前の新春対談 この半年後。
2012年
1月4日
 本日発売だな 100年安心という言葉については、次もあるね。
  • 勿凝学問235 銭湯権を危険にさらして――新報道2001スタッフへの礼状(2009年6月4日脱稿)
    100年安心問題については、番組の中で2分ほど時間を費やしていましたけど、あの2分ほど無意味な時間はありませんでした。より良い年金を考えるために2分を使うのならば、もっと違う話をしなければなりません。番組の中で言ったように、年金を守る論陣を張るにしろ、攻撃する論陣を張るにしろ、100年安心という言葉を使う論者は、信頼に値しません。よりよい年金制度を設計していく上で、100年安心という言葉はまったく必要ないですから。100年安心という言葉が登場する文章が研究者のものでしたら、その研究者は2流どころか、3流、4流と考えていいです。その言葉で彼らは何を言いたいのやら。学者が使う言葉では、絶対にない。

    とにかく年金を考える際には、その問題が、年金の問題なのか、それとも年金が運営されている社会経済状況が問題なのかを峻別する必要、および胆力のある思考力が必要になります。年金なんてものは大海に浮かんだ小舟のようなもので、大海が荒れれば舟が危なくなるのは当たり前。彼ら民主党がよく使う論法は、大海が荒れているから舟が沈没しそうなのに、舟が悪いと言って攻撃する論法です。その場合には、どういう舟を準備しても舟は沈みます。今回でも、民主党の山井和則さん達のいう経済前提、社会前提を設ければ、狙いどおりに、国民に年金破綻を印象づけることはできますけど、そういう前提では、年金以前に国そのものがなくなってしまいます。今回の試算では、民主党の年金担当者たちが、ああいう社会経済前提の持つ意味を本当のところは理解できていなかったことが明らかになった――それ以上の意味はありません。 
   更新
   29日のレポート、冬休み中だから、ちょいと遅れているもんがいるな。
でだ。
分かっているだろうが、過去にも締切を過ぎて提出したことがある者は評価の対象外。
・・・なんだが、「えっ、俺、やばいよ」と、胸に手をあてたら思い当たる者は、次で復活をはかっておくように。 なんで、社会保障の授業でそんなのを?なんて、4月から授業を受けいたら、さすがにもう思わないよな。
たとえば、年金を理解したいときには、自分でシミュレーションしてみましたとか、年金の抜本改革がどうしたこうしたという話のはるか前に、こういう側面での知的体験の方がはるかに大切。経済史や経済学説史や金融界をめぐる政治経済的動きなんかをある程度しっていないのが年金を論じたりすると、ろくなことはない。。。もんだ。ちなみに、この本は、13年前のゼミの1期のときからの課題図書の一つ。一度絶版になったけど、リーマンショック後に復活――僕が1期の時から読ませている本は、全部、途中で絶版になっても復活するんだよな。

次、卒業生より
  • Sent: Sunday, November 16, 2008 1:45 AM
    To: 権丈先生
    Subject: 権丈ゼミ8期 ニッチです

    権丈先生

    お久しぶりです。権丈ゼミ8期のニッチです。
    ご無沙汰しております。

    突然のメール、失礼します。
    勿凝学問184『ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞と経済学者の思想――クルーグマンの受賞に思う経済状況と選考過程』を拝見させていただきました。
    経済危機の真っ只中に、先生がお薦めする経済学者がノーベル経済学賞(ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞というのですね)を受賞するというのは、非常に興味深く、何かの因縁を感じました。

    ところで、ご存知かもしれませんが、勿凝の最後に出てくる『バブルの物語』(ガルブレイス)は、私の勤めている会社から出版されていたりします。そして、お書きの通り絶版になっていました。

    しかし、昨今の世界的金融危機をきっかけに、改めてガルブレイスに脚光が当たっているということで(日経BPの『大暴落1929』が売れています)、新版として12月4日に復刻することとなりました。

    昔はチューリップの球根でバブルが起きるなんていう時代もあったのですね。
    今の金融危機と比べたら、よほどかわいいような気がします。
    歴史から学ぶことなく金融バブルの崩壊が繰り返され、それが再び現実になった今だからこそ、ガルブレイスが読まれているのでしょうか。

    先生が復刻版についてのコメントをお書きになっていたので、お知らせしたくて久しぶりのメールをさせていただきました。
    それでは、失礼いたします。
ちなみに、2003年、僕が41歳の時に、はじめて年金について書いた論文の中には、次の文章があるね。こういうのは、年金の勉強からは出てこない文章。
  •  

   アメニティ・フィーラム、再度アップしておく。
 12月31日 うん、おもしろいから紹介しておこうかね――幹事でありながら、すみませんやっぱり行けなくなりましたの大罰だ(笑)。
             「本当に残念ですが、台風12号の影響などで自治体の会議が今頃になって色々ございまして・・。」 けっこう、みんな期待してたんだけどねぇ・・・次を
  • > 年末恒例のモノマネ(ことしは「ジャスティン」です)をご期待ください。
会は、次のメンバー。 次にも冒頭登場かな。 それと、先日話したように、次は、政権交代後、はじめて引き受けたインタビュー。

政権交代前の最後のふたつのインタビューは次。昔から、言ってることが何も変わらない(笑)。

   ふ~ん。いろいろな論ってのがあるもんだな。
  •  民主の消費税案 首相は年末決着を次へ生かせ yomiuri.com
     年明けに新党結成を目指すという若手議員9人が民主党を離党した。消費税の問題をはじめ、民主党が政権公約(マニフェスト)を反古にしていると批判した。

     だが、マニフェストは財源確保や実現性への考慮を欠き、明らかに破綻している。これを守れという主張に説得力は全くない。
たしかにそうで、彼らは、沈没する船から逃げ出す言い訳を探していただけだから、わざわざそんな話を相手にする必要はないんだけどね。でも、読売のいうような論を紙面に堂々と書くとなると、読売は、「明らかに破綻しているマニフェスト」を確信犯的に掲げて衆愚選挙をしかけたおかげで首相とか大臣さんとかになって現世御利益を得た「先生」たちは無罪放免――政治家としていい目にあいたきゃ、他の奴らも後に続けってことを言っていることにならないかね。いやあれは、「確信犯的」ではなく、野党は情報を得られなかったからとか、無知だったからとでも言うのが定番で、後者は、与謝野さんが選択してあげた論だけどな。
そうそう。政権交代後は、地元に帰った民主党の議員さんたちは、地元の人から、「ところで先生、いつ、私の年金は7万円になるんでしょうか?」って、けっこう質問されているらしいよ。
   うんっ? 1月4日発売の『週刊東洋経済』が、昨日届いたぞ。そこに、次を書いています。
  • 経済を見る眼「公的年金論議のパラドックス」
    ・・・
     まず、「政府の百年安心プラン」など存在しない。この国にあるのは、百年先を見通した試算を5年に一度行い、将来の不都合が見込まれる場合には制度を調整していく年金のみ。
     国勢調査が5年に一度行われる。その結果に基づいて人口の長期推計がなされ、それを用いて年金の「財政検証」を実施する。03年11月総選挙の際に、公明党がマニフェストに「年金百年安心プラン」と書いているが、政府や厚生労働省が04年年金改革を「百年安心」と言ったことは一度もない。09年3月、当時の厚労大臣が、国会で「政府といたしましては百年安心と謳ったことはありません」と答えた通りである。
    ・・・
     以前私は、公的年金は将来予測に人知の限界があるから存在する制度であるのに、公的年金を設計するためには、将来の話をしなければならないことを「公的年金論議のパラドックス」と呼んだ。
    ・・・
次は、随分と前に、学生が論文の中で「厚労省の100年安心プラン」という言葉を使っていたので、僕が送ったコメント。
  • いわゆる「100年安心プラン」という言葉は、一部の政治家や一部の不勉強な研究者もどきの人しか使わない言葉なので、研究論文の中では使うべきではありません。
09年3月に、当時の厚労大臣桝添さんが、長妻氏から質問を受けて答えたのが、「政府といたしましては百年安心と謳ったことはありません」。この答弁をする際、政府は、全員総出で(?)、政府や厚労省が100年安心という言葉を使ったことがあるかどうかをチェックしたんだよな。
   まぁ、昨日、出席していた民主党議員が聞きたかった一番のリップサービスは次なんだけど、日経だけかな、これに触れているのは。
  • 「衆院解散は考えていない。皆さんの当選が自分の仕事だ」
      日経「民主 亀裂深刻に 9時間議論、深夜の決着 政権運営波乱含み」
9時間の会議ねぇ。上の「衆院解散は考えていない」を会議の最初から100回唱えてたら、会議はすぐに終わったかもしれないな(笑)。
  • 「合同総会が終わったのは午前0時近かった」
長時間かければ反対者もおとなしくなる「12人の怒れる男」作戦、その政党には、ほんっと有効なんだよね。
俺らが店を出たのは、23時過ぎかな。お疲れさん。
 12月30日  昨日は、もう、政治は政治家に任せられないって話題で盛り上がってたよ。。。!?
 12月29日  んっ? 
  • > 昨日の医療政策会議の論文のところで、「オリジナル原稿」というのは、どういう意味ですか?
うん、まぁ。。。昨日の「オリジナル原稿」の中の太字の部分は、印刷物になる前に、医療政策会議の座長先生のところを通っている間に、消えてしまっていたわけだよ"(・_・;ヨ ポリポリ"
まぁ、田中先生との信頼関係があるんで、ノープロブラム、大いに許容です(笑)。
気づいたら論文のタイトルも変わってた――まぁ、僕のオリジナルタイトルは、まわりから浮いてたな(笑)。
僕ももうじき50になるから、ああいう、言っても詮無き言葉は控える次の段階に入る頃かなっとも思っているところさ、うん。

  •  
    日本医師会医療政策会議報告書『経済成長と医療政策のあり方』(214頁/27,585k)
        オリジナル原稿 「経済成長と医療政策、これを議論する前提としての国家財政の持続可能性
    前文
     医療政策会議は平成20年8月6日開催の第1回会議において、唐澤祥人会長により「経済成長と医療政策のあり方」について諮問を受けました。本会議では、この諮問を踏まえて平成20・21年度の2年にわたり、鋭意検討を重ねて参りました。
     この度、平成20・21年度医療政策会議報告書として取り纏めましたので、ここに提出します。
    報告書執筆担当
    • はじめに
      • 田中滋委員長
    • 第1章 政治環境の変化
      • 山口二郎委員
    • 第2章 経済成長と医療財政
      • 神野直彦委員
    • 第3章 イノベーションと医療(22-48頁)
      • 権丈善一委員
    • 第4章 自律的な専門職集団としての医師のあり方
      • 桐野高明委員 
    • おわりに
      • 田中滋委員長
    付録(講演録)
    • 信頼に支えられた医療の実現
      • 桐野高明(国立国際医療センター 総長)
    • 小さすぎる政府の社会保障と政府の利用価値(77-108頁)
      • 権丈善一
        昨日(2008年11月18日)、元厚労次官が連続して襲撃されるという事件が起こった。本日は、このことに関係するかもしれないことから話をさせていただきたいと思う。
    • 信頼できる医療体制の確立へ
      • 田中秀一(読売新聞東京本社医療情報部長)
    • 医療のおける公共部門の役割と財政改革
      • 池上岳彦(立教大学経済学部教授)
    • 政治再編の課題としての社会保障
      • 山口二郎(北海道大学法学部教授)
    • 日本の医療 光と影――大学病院のなくなる日
      • 小川彰(岩手医科大学学長)
    • 社会経済構造の変化と医療政策のあり方
      • 島崎謙治(政策研究大学院大学教授)
    • 社会保障の役割と国民負担率
      • 田中滋(慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授)  
  まぁなぁ。
さっき、民主党税制調査会での藤井裕久会長が、民主党議員を前にして説いた言葉がテレビで流れていたけどな。
  • 「だれが何を言ったのかは必ず歴史に残るんです」
次の原稿の中での彼の言葉も歴史に残ってるから、今日の言葉は正しいんだろうけどね。
  • 社会保障改革と税制――国家運営行き詰まりの原因と正直な未来像」『月刊福祉』2011年9月号
  •  民主党の悪質な選挙戦略に強い影響を与えたもう1人に、大蔵省出身で、党内では財政通と認められていた藤井裕久氏、現在の「民主党税と社会保障の抜本改革調査会会長」がはたした役割は大きかった。藤井氏の発言については、今年1月の谷垣禎一自民党総裁の代表質問の言葉を紹介しておこう。

    藤井官房副長官はかつて「総予算207兆円の1割から2割くらいは簡単に切れる」と豪語されましたが、何のことはない、政権交代の効果として切れたのは総予算の1割ではなく、目標額の1割に過ぎません。

先週の講演でも使ったスライド
あと、マニフェストが実現できなくなったのは、震災のせいだと、すました顔して言えるのもいたな。 ちなみに、ちょうど2年ほど前、日医の医療政策会議報告書用に書いた文章の最後は、
  • ところが、負担増と社会保障の給付カットは、いずれの道を選択するとしても、現政権の公約違反となってしまう。そしてここで重要なことは、医療をはじめ社会保障の給付増を行うためには負担増しか選択肢がなかったことは、何年も前から分かっていたという事実である。それゆえに、大学で教育にも携わっている私が、手段を選ばぬ卑怯な者勝ちの生き方を推奨していると学生に受け止められかねない、「約束を反故にするように」ということを彼ら現政権に言うはずがない。
    日本医師会医療政策会議報告書
    オリジナル原稿 「経済成長と医療政策、これを議論する前提としての国家財政の持続可能性
最近だと、次でもどうかな。
  • 2011年11月9日 Aging Forum 2011 於 目黒雅叙園
    • 権丈報告要旨持続可能な中福祉という国家像
    •  今となれば、彼らが言ってきたことは、国民の無知を見越してのただのウソであったことは周知の事実であるが、問題の根の深さは、これが実行可能性のない話であることを、当時から分かっていながら、彼らは公約として掲げていたことだ。
       政治が、社会保障・税一体改革を実現するためには、政府は、今年71日の成案で示されたように民主党が全否定した自公路線を受け容れざるを得ない。さらには、ねじれ国会の下では、民主党がその路線を全否定して敗退に追い込んだ野党の協力を得なければならない。はたしてそういうことは、現実の政治の場で起こり得るのか。
   うん、いいねぇ(笑) ちなみに、年金ってのは、国庫負担分を国債で賄わない限り、君ら「将来世代――これから生まれる赤ちゃん」に国債費(=償還費+利払費)を残さないように設計されています。君ら世代は、18.3%の保険料で、まぁ、18.3%の保険料に見合った程度の年金給付を得ることができるわけで、他の国と比べて年金給付が見劣りするとすれば、それは、最終保険料率が他国よりも低かったり、他国よりも高齢化が進んだりするからでね。ただ、日本の制度の下では、低所得者は、18.3%程度の保険料でも、かなり高い水準の年金を受給できたりもするってこともお忘れなく。次の、所得が高くなるほど年金月額は高くなるけど、所得代替率については低所得者では高くなるという図は、生きてる限り、覚えておいておくれ。なぜ、そうなるのかは、右の図参照。

2004年年金改革は、当初は、他の先進国と比べれば、まぁ当たり前の水準にもみえる最終保険料率が20%で設計されていました。だけど、途中で、経済界やら何やらに押し切られて、18.3%にさせられた。当然、給付水準は、保険料の引下げ分、落ちるわな。18.3%以上の保険料を払いたくないってことなら、今よりもちょいとましな給付水準を実現するためには、支給開始年齢を上げるしか方法はなし。この前、オトナ達が大騒ぎしていた支給開始年齢引上げってことは、まぁ、そういうこと。騒いでいたオトナ達は、何が議論のポイントなのか、まったく分かってなかったみたいだけどね。まぁ、いつもそんなもんだから、驚かないけど。
年金の制度設計で――否、ストックの建造ではなく、給付というフローをになう社会保障の制度設計で――最重要なことは、将来世代に、国債費を残さないことで、その点、日本の年金制度はその原則は守られています。でも国庫負担を調達するための安定財源を確保できていなかったりするから、そこの分を今は国債に依存。
まぁ、年金国庫負担騒動は、いまや年の瀬予算編成時の年中行事になっているけどね。この年中行事は、制度設計の問題というよりは、政治主導リスクの問題であって、どんなに、後世代に国債費を残さないようにと考えて制度を作ってみても、運用面で政治が勝手なことをやってしまえば、そりゃぁ、うまくいかんよな。設計された制度から給付水準が上方にずれた特例水準なんてのも、ひどいもんだ。去年の今頃も、年金国庫負担騒動という年中行事にまつわる話は、次に書いてるね――とにかく、閣議決定しても、自分たちで破るんだから、どうしようもないんだよ、今日日のオトナたちは(笑)。「選んだのはダレなの?」って、僕が責められても、いやはや何といえばいいのか(T_T)トホホッ――いろいろと力足りずごめんなさい<(_ _)>ペコッ おまけ
2004年年金改革のなかで、基礎年金の国庫負担については、「2007年度を目途に、所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、2009年度までに実施する」ことになっている。けど、世の中は、ご覧の通りだ。本当は、今の動きは、2007年度にやってなきゃいけなかったこと。当時、安倍さんは、「所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革」をやるつもりでいたんだろうけど、年金記録問題が勃発して、2007年7月の参院選で大敗。そうして今に至るってとこかな。
 12月28日 履修者諸君、12月29日提出のレポートってのが、あるから、忘れないようにな。 
でっ、昨晩、今年の9月1日から12月4日までのホームページが行方不明になっていることを発見。。。なぜだか、このページが、12月5日までしかなぃ。どっかで操作ミスをして、それ以前を消してしまったかねぇ(T_T)トホホッ 誰かがサーバーにアクセスして消した・・・なぁんてことはないない(笑)。
   あはっ(笑)。
  • 先ほどお送りさせていただいたメールにおいて、一件、大変致命的な誤りを犯してしまいました。

    (誤)先生のブログは引き続き愛読させていただいております。
    (正)先生のホームページは引き続き愛読させていただいております。

    お詫びとともに訂正させていただきます。
(^_^)
  • いよいよ消費増税が現実味を帯びてきた段になって、「選挙時に消費増税は不要だといっていたではないか」という批判・指摘が、周囲で増えてきたように思います。最後の最後までつきまとって離れないであろうこの指摘に対して、今後どのように対応していくのか、興味深いところです。
次なんか、どう思うよ。 あの政党から距離を置いた方が選挙に勝てる確率がドンドン高まっていく中で、大方の予想通り、離党者もでてきて・・・さてさて、これからどうなるかね。
また、いつか、てんせきてぃるかね・・・?
 12月27日  う~ん、昨日も言ったように、今年最後の編集後記、楽しみにしていたのにぃ・・・あんまりおもしろくなかったねぇ(笑)。来年、楽しみにしているよ――去年のでもどうぞ。 年末号に「本誌が選ぶ2011年 社会保障10大ニュース」が出るけど、僕がちょいとまじめに動いていたのは、2008年の1年間だけ――疾風(はやて)のように現れて疾風のように去っていくぅ♪月光仮面のようでいようと昔から思っていたもんでね(笑)。今の学生は、僕をみて、いつもふらふらしているやる気のなさそうなおじさんだと思っているだろうから、次でもみときな。
 12月26日 今日話したのは、次。
まぁ、一読、いや、二読くらいの価値はあるな。ダマされたと思って眺めてみな。 それと、次もご参照あれ。これは、2000年に書いた論文で、2001年に出した『再分配政策の政治経済学Ⅰ』の4章「日本における少子・高齢社会危機論への疑問――社会保障研究の問題設定と価値判断について」の中にあります。

 12月23日  
   
  • > HPの解説、ありがとうございました。
あぁ。要は、「公」、特に公の担い手である公務員を憎む国民には、まともな福祉国家は作れないってことだよ、うん。
今日の話で言えば、次もご参照あれ。 先は長いよ(笑)。
   さっきの話ね。 公共政策およびその担い手への好悪の感情と負担増への賛否の判断は、結構、パラレルに動くんだよね。
医療問題の多くを解決するためには負担増が必要で、税のムダ遣いに力を入れる取材と両立することができるのか、微妙なところなわけだ。これを両立させるためには、ちょっとした思考力と精神力が必要・・・
 12月22日  うん、一里塚ってことが分かっているな。 成案ができる前に書いている、次でもどうぞ。
  • 財政・社会保障一体改革の工程表を」『週刊東洋経済』2011年5月28日号
     まず認識すべきは、5%程度の消費税引き上げは、負担増の一里塚に過ぎず、その程度では財政の健全化も実現できないこと。次に消費税率の実現可能な引き上げ幅を考慮すれば、今後の社会保障も、公費といわれる税への期待だけに偏らず、社会保険料中心の制度の維持強化にも努めるべきだということである。
     集中検討会議は、財政全体の中で社会保障を位置づけながら、租税と社会保険料、双方で財源を確保する中長期の道筋を、正直に国民に示す工程表を出してほしい。
   ご心配どうもな。別に、討ち入りにあってた分けじゃないよ(笑)。
  • Subject: newsサーバ停止のお知らせ
    明日12月18日は法定電源点検のため三田キャンパスが終日、停電になります。
    その関係でサーバも停止しますのでお知らせいたします。
  さて、練習問題。
保険料を払わなかった人にも年金を給付するという政策、実行される可能性は何%だと思う? このあたりを考える上でのひとつのコツは、「無年金・低年金者は低所得者に限らない、そして資産となると・・・」ということを理解することかもな。これは、「未納者は低所得者とは限らない・・・」という事実の結果ということでもある。 とにかく、公共政策を考える際にも、教育現場での様々な運営を考えるときにも、正直者がバカをみるようなことは絶対にやってはいけないと思っているのが、僕ら普通の人たち。
でもまぁ、今の政府そのものが、我欲を満たすためには手段を選ばず、正直者にバカをみさせて思いを遂げた人たちなんだから、僕らの意見に耳を傾けると、自己否定に陥ってしまうんだけどね。
 12月19日 マルサスとリカードについて書くレポート、次のようなレポートでも、僕の講義の中では、大いに許容だ(笑)。
彼らの仕事をみて、いろいろと考えさせられたんだろうな、うん――それでよし。社会保障の細々したことを覚えてもらうよりも、はるかに教育効果大だ。と言っても細々したことは講義してないんだけど。。。
  •  私は塾でアルバイトをしている。その中で、気がついたことは、子供は考えないよう頭を作る訓練を強制されているということだった。まさに、詰め込み教育である。象徴的だったのが「先生どうやって覚えればいいの?」という質問だった。中学2年生の証明問題で、彼はそれを頭から覚えようとしていた。ポイントを押さえたり、ものごとを筋道立てる、ということはおそわらない。実際、流れを抑えるために3点ほどのポイントを教え、それだけ頭においていればいい、ということを説明した。実際テストの後、できた、と嬉しそうに喜んでいた。学校の教育では、思考力を伸ばすどころか、それを押さえ込むような教育がなされているのだろうな、と自分の経験を顧みてもそう思う。
     日和見主義という言葉がある。右派でもなく、左派でもない。何も考えていない人のことを指す。これは中庸とは全く違っている。中庸というのは、事象の変化に対応して判断をするが、日和見主義者はどちらが優勢か、ということで判断する。そのため、日和見主義者達は皆で一気に意見を変える。内閣支持率の急変を考えるとその層が多いのだろうと思われる。穀物法に賛成するために、資本家はリカードを祭り上げた、という話がある。これは授業で言われたように、現代でみればシカゴ学派やその系列の団体・人々が、規制緩和をすすめるために祭り上げられたということと一致している。だが、民主主義社会は、国民が政治について勉強をしないと成り立たず、一部の人が利益を得たり、一部の人が不当な扱いをうけるようになってしまう政治体制である。だから、国民が日和見主義であることはやめて、自律的に考えることが重要だ。そのためには、暗記中心の詰め込み型の教育を見直し、物事を筋道立てて考えるための教育にしていく必要があるだろう。
 12月17日  まぁ、昨日話していたのは、こういうことだよ。この文章は、今年の2月11日に書いているね。 ただ単に、こういうことなんじゃないか。 政権交代前、あの民主党を応援し、あたかもリフォーム詐欺に荷担(山口二郎氏の言葉)してしまった大新聞たち、往生際が悪いな。
昨日の話題―――誰かが、「55年体制、最後の遺制が大新聞ですね」と。

そう言えば、6月29日に、次のようなメールも届いていたな。
  •  権丈先生、

    ブログに書かれておられた、朝日の社説「退陣3条件-自民党よ大人になって」に笑ってしまいました。

    これは結局、自民党に対する逆説的な甘えではないかと感じました。
    もしかしたら、55年体制の下で、日本の革新勢力が、
    当時の政権与党として現実という泥を全て背負った自民党に「甘え」て、
    非現実的な主張に安住することができた、そのメンタリティが、
    今の現実を何も背負うことができていない(=政治ができていない)政権与党を保護するために、
    自民党に対して「与党」的な責任を果たすことを未だに期待することにつながっているように感じられます。

    あまりに面白かったので、
    思わず、筆をとらせていただいた次第です。
今、何が起こっているのかを理解するための歴史認識を、どうも僕らは共有している模様。

ちなみに、僕はどこの支持者でもなく、誰の支持者でもない。
ただ、我欲を満たすために、ここまで大ウソをついて国民を騙し、その上、ここまで国運を傾けた政治家たちってのは、今までいなかったと思っているだけ。
昨日も話したように、2013年に新年金のための改革案を出すと言っているが、はやいとこ出してもらわないと、解散までに間に合わず、年金を政争の具としてきた面々に、これまでやってきた罪相応の政治的責任をとらせるのに間に合わない。2013年と言わず、早く出しな。

昨日は、このあたりの話もしていましたね。
 12月16日  昨日の講義で話した余計なお世話の話は次。 でっ、マッチョ、昨日話したモンペルラン協会に、ポパーも参加しているぞ。昨日は、後にノーベル記念スウェーデン銀行賞を授賞した7人を紹介したけどな。まぁ、次の展開になるのは必然だろうな。 でっ、昨日の話と関連して、次でも参照のこと。 こんな話もしたかもな。 昨日は、1994年の世銀報告書のあとの第1次年金騒動の話もしたけど、次もどうかな。 昨日紹介した、2007年10月14日の社会政策学会で用いたパワポ(同じスライドを、10月24日の自民党の財政改革研究会で用いて説明している)
 12月14日  では今日は、テレビでやってる定年延長の話と、これに対する経団連と連合の姿勢の勉強をしようかね。 今日の問は、連合って、誰の代表? それは、なぜ?ってところかな。
じっくりと考えてみることだ。

昨日の問は、メディアや研究者の多くは、なぜ、事実を確かめることなく答えを出せるのか? 彼らに、事実に基づかない答えを出させているのは何なのか?っかな。

でっ、明日の講義は、過少消費論と社会保障の続き。。。日本の政治家が絡んでくる制度・政策の話は、やっても実につまらんからな。
途中で、福祉国家、混合経済を敵視したモンペルラン協会の話でもすっかね。流動性の効用の話まで行きたいけど、無理だろな。

先日、送られてきた次の文面が気に入ったから、ある仕事を引き受けてしまった。
> いまの一体改革の議論はほっておいて(もちろん他の頁では一応取り上げますが、権丈先生はご関心はないでしょうから)・・・

次の仕事は断ったのに。。。
> 将来の日本を見通す上で、国民負担と財政規律の関係は、決して抜きにして語れない問題だと考えております。
へそ曲がりでごめんね。
 12月13日  被用者年金一元化について、3年生は、勉強しようかね。
むかぁし僕が書いた文章と、昨日、今日あたりの報道を読み比べてみることだ。 僕の講義をとれば、徐々に話の合う友だちを失っていくのはたしかだろうな。
 12月12日  うん、まぁ、正しいわな。 2007年11月4日の「民主党には政権担当能力がない」も正しかったのかね、俺は知らんけど。
 12月9日  
  • アメニティフォーラム16 プログラム
    • 2012年2月3日(金)~5日(日)
    • 2月3日
      2月4日
講演の副題「世界における財政破綻リスクと我が国の財政見通し」で講演依頼が来たとき、僕は次の返事を出す。
  • う~ん、本当に、こんな話をしていいのかなぁ。。。
    本当は、永田町、霞が関の人たちが事態の深刻さを熟知していて、命をかけて国を守りながらも、国民には笑顔で、大丈夫だ、信頼しろと言って解決する話だと思うんだけどねぇ。
その後、昼のテレビをみていると、ワイドショーで、ソブリンリスクの話などがなされていて、それはもうお茶の間の話題・・・しかも、もう、誰も政府を信用していないんで、他のルートからの解決策を考えなければならないんだろうな。時代は、かなり切羽詰まってきたのかね。

追記 昨日、講義で話した、田島良昭さんのコロニー雲仙。 追記2 アメニティフォーラムとは
   そう言えば、次の質問を霞が関方面にしたら、
  • >  消費税を上げる法律を作って、その後に信を問うて負けたら、どうなるんだ?

    負けたら当該消費税引上げ法(案?)は修正(または廃止)されると思っているらしいです。
ふ~ん。
 12月7日  まぁな。
  •  船頭多くして・・・「デスクの目」『週刊社会保障』12月5日号
     社会保障・税一体改革の具体化に向けた検討が進められているが、その検討の場が、あたかも日本書紀や古事記に出てくる頭が8つある巨大な蛇「八岐大蛇」、ギリシャ神話に登場する頭を9つ持った水蛇「ヒュドラー」の様相である。
    ・・・
    部会の審議、報告書を待たず、民主党WTから年金、医療、介護等の結論が次々に打ち出されている。これでは審議会軽視、委嘱している委員に失礼であろうし、審議会での落ち着いた議論などできない。頭が多いだけで、大所高所からの検討とはとてもいえず、「船頭多くして、船、山に登る」である。
政務三役の中には、一体改革の成案は、退陣間際の人がよそ者をつれてやっただけの話だから・・・云々と話しているのもいわるわけでね。そういう人たちによる、いわゆる「政治主導」、総選挙でみんなが求めたことじゃないのかい。

でっ、今年も『社会保険旬報』のさわやかカレンダーが送られてきたけど、これっ、ほんとうに良いね。
 12月6日  なるほど、たしかに、大島先生が、次の論争に登場されていますね。 ここに登場されている大島先生と、先月、Aging Forum 2011で会った大島先生が同じ人だということを、昨日知りました。。。

ところで、君ら学生くん達は、上記「記者の目」では、どっち派?
ちなみに、協会けんぽの介護保険料率は、1.5%程度。
   朝日ニュースター、みたみた。
「自戒を込めて言いますけど、メディアもしっかりと報道しなくちゃいけない、政治の足をひっぱりすぎて政治がこけちゃった、ひっぱる道具として年金という大事なものをつかっちゃんたじゃないかな」・・・ウケた(笑)。
 12月5日  ほい、どうも。
  • 権丈先生、

    今朝、かどうかわかりませんが、の記事の年金の試験問題、問題と解答例です。
    アクチュアリー会で出している過去問の問題集の該当する部分です。
    もしよかったら使ってください。
  • では、お世話になります。
    アクチュアリーの年金の問題と回答例(2004年12月27日実施)
僕が、初めて年金の論文を書いたのは2003年の春。その時に、スウェーデンの年金改革について、次のようなことを書いていますね。どういうことかというと、スウェーデンで政治主導の年金改革が行われたわけだけど、それは、アクチュアリーをはじめとした専門家の意見を通りやすくしたということ。民主党のやっていることは、アクチュアリーをはじめとした専門家の意見を理解できず、自分たちの選挙戦略を阻むものと位置づける。政治主導にもいろいろあるもんだ。
以下、2003年論文をまとめて2004年に出した『年金改革と積極的社会保障政策』より。
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