第7回78万人の県に2大学新設へ 少子化続くなか、県や市が旗を振る理由

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増谷文生
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 少子化が進み、学生募集を停止する大学や短大が相次ぐなか、二つの大学の新設を目指す県がある。都道府県別で最少の2校しか大学がない佐賀県だ。18歳人口が減るなか、全国で6番目に少ない人口78万人の県が、なぜ大学なのか。

 西九州新幹線が走る武雄温泉駅から徒歩10分。佐賀県西部に位置する武雄市の市民体育館跡地で、武雄アジア大の建設工事が進む。

 佐賀女子短大(佐賀市)などを運営する旭学園が、2026年4月の開学を目指し、文部科学省に設置認可を申請した。東アジア地域共創学部に観光・地域マネジメントとアジア・メディアコンテンツの2コースを置き、入学定員は140人。早ければ8月に認可される可能性がある。

 学長予定者の小長谷有紀・国立民族学博物館名誉教授は「地方創生、地域活性化のプロを育てる。故郷を何とかしたいと考える若者を各地から集めたい」と話す。

 小松政市長は市長選で、若者の定着を期待して学校の誘致を公約。包括連携を結ぶ同短大側と大学開設で一致した。

人口5万人の市、建設費13億円支出

 人口は4万7千人の市は、25年度の一般会計当初予算が308億円。大学建設費として約13億円を支出することについて、市議会は賛成15、反対4で承認した。県も約6・5億円を補助する。いずれも国の認可が前提だ。

 さらに市は約1万1千平方メ…

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この記事を書いた人
増谷文生
論説委員|教育担当
専門・関心分野
教育(主に大学)、運輸
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