米東部ニュージャージー州の連邦地裁は20日、親パレスチナのデモ活動への関与を理由に移民・税関捜査局(ICE)に拘束されたパレスチナ人活動家、マフムード・ハリル氏の保釈を命じた。ハリル氏はコロンビア大でイスラエルに対する抗議デモを主導。3月にICEに拘束されていたが、裁判所の判断を受けて、20日に南部ルイジアナ州の拘置施設から保釈された。
米メディアによると、ハリル氏は釈放後、「正義は勝ったが、遅すぎた。3カ月もかけるべきではなかった」と語った。
連邦地裁は保釈の理由について、逃亡の可能性が低く、危害を加える恐れがない市民を拘束し続けるのは「極めて、極めて異例」と指摘。トランプ政権側の対応に疑問を呈した。
ハリル氏はシリアのパレスチナ難民キャンプで生まれ、2022年に渡米。コロンビア大大学院で学位を取得した。妻は米国籍で、永住権を持っている。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を受け、大学内で親パレスチナ派の抗議活動を主導していた。
米メディアによると、政権側は「外交上の重大な影響をもたらす」外国籍の人物の国外追放を認める法律を根拠に、ハリル氏の追放を主張していた。【浅川大樹】
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