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イランのミサイル直撃 イスラエル病院患者「爆風で目が覚めた」

この病院に入院し、車椅子で生活するオマル・アブハルダさん。「自分は死ぬと思った」と恐怖を振り返った=イスラエル南部ベエルシェバで2025年6月19日、ガイ・グリーン撮影
この病院に入院し、車椅子で生活するオマル・アブハルダさん。「自分は死ぬと思った」と恐怖を振り返った=イスラエル南部ベエルシェバで2025年6月19日、ガイ・グリーン撮影

 イスラエル南部の最大都市ベエルシェバにある病院が19日、イランのミサイル攻撃を受け、約70人が負傷した。戦闘の激化に伴い民間人の被害も拡大しており、イスラエルは「戦争犯罪だ」とイランを非難した。

 19日午前7時ごろ、イランが発射した弾道ミサイル20発のうち数発が、ベエルシェバの「ソロカ・メディカルセンター」を直撃。病棟の窓は吹き飛ばされ、天井も崩れ落ちた。

 1週間前から入院していたオマル・アブハルダさん(24)は「爆風で目が覚めた。バイクで事故を起こしたのは、ここで死ぬためだったのかと思った」と毎日新聞助手の取材に語った。病院にはがん患者や妊婦らも入院しており、「病院を攻撃するなんてありえない。イスラエルは反撃すべきだ」と声を震わせた。

 担当者によると、多数の負傷者が出たが、重病患者らをシェルターに避難させていたため「多くの命が救われた」としている。

 カッツ国防相は「最悪の戦争犯罪であり、(イランの最高指導者)ハメネイ師はその罪を問われるだろう」と非難。赤十字国際委員会も「国際人道法の下、病院や患者らは保護されなければならない」と指摘した。

 イランは病院に隣接した軍事施設を標的にしたと主張している。だが、イスラエルメディアによると、実際には軍事施設は病院から2キロ以上離れていたという。また、イランメディアは病院が「軍事施設として使われていた」と伝えたが、イスラエル軍は否定している。

 イスラエルによる先制攻撃が始まった13日以降、イスラエル側で24人が死亡し、800人が負傷。イラン側では240人以上が死亡、1200人以上が負傷した。【アンマン松岡大地】

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