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フラクタル折り紙の可能性について

はじめに

昨今珍しいことにフラクタル折り紙の創作活動がソーシャルメディア上で散見されたので、それらについて少し書いてみようと思う。特に、四半世紀にわたって挑戦されてきたコッホの雪がついに完成したという喜ばしい報告がなされた直後ということもあり、筆を執るにはまたとない好機だろう。

とはいえ、まったくもって注目されないこの研究分野について書く記事がどの程度の関心を集められるのだろうか。また、そう疑問に思っておきながら、わざわざ記事の大半を有料としたのも読者としては不可解かもしれない。筆者としてはこの記事全体がこの研究分野への関心度の高さを測る遊びという位置付けなので、そういうものだと考えてほしい。

フラクタル折り紙創作へ挑戦する人向けの重要な知見もあるので、少なくとも2人は購入者がいると期待しているのだが、さてどうだろうか。

フラクタル折り紙とその歴史

まず、何をもってしてフラクタル折り紙と呼ぶのか、その定義について簡単に整理したい。フラクタル図形が数学的にどういったものであるかは既知としよう。単純な無限折り作品をフラクタル折り紙と呼ぶ不勉強な視点は(特に海外で蔓延しているようで辟易するのだが)無視すると、フラクタル折り紙は大まかに以下の2種類に分けられる。

1.展開図にフラクタル図形が含まれる
2.完成作品の輪郭線がフラクタル図形である

1を広義フラクタル折り紙、2を狭義フラクタル折り紙と呼ぼう。

広義フラクタル折り紙は、2000年代初頭にフラクタルピラミッドが発表されたことでその存在が示され、その後もいくつかの作例が公開された。

(フラクタルピラミッド。折り図の公開はだいぶ遅れて2021年となった)

一方、狭義フラクタル折り紙は長い間その存在が謎に包まれていた。狭義フラクタル折り紙の最初期の挑戦であるコッホの雪(数学における正式名称はコッホ雪片など)はフラクタルピラミッドより先んじて発表されていたものの、無限に折り続けられることが示せず完成には至っていなかった。2010年代に木曲線と名付けられた簡易版コッホの雪が発表されたが、これは輪郭線がフラクタルではない。もちろん木曲線がコッホの雪完成への確固たる足掛かりになることが期待されたのは当然だが、その後の進展は報告されなかった。

ちなみに、木曲線を折ってその折り畳み可能性を追実験したという話は聞いたことが無い。

そのように停滞していたフラクタル折り紙は、ここ一二年の間に新規参入者が(ほんの数名ではあるが)創作をXで発表し始めている。

たなかまさし氏は広義フラクタル折り紙(おそらくそう。少なくとも狭義ではない)を数点発表し、神谷哲史氏とKei Morisue氏は狭義フラクタル折り紙創作としてコッホの雪への挑戦を公表している。(無限の繰り返しが可能であることの証明という点において、たなか氏の公開情報は不足しているのだが、そこは大目に見ておくとしよう。)特に神谷氏は、新規参入者ではないのだが、コッホの雪が折り畳み可能だと直感しているらしく最後に残った障壁の解消も時間の問題かと思われた。

ところが、コッホの雪の完成はまったく無名の人物により突如として報告されたのである。

ここではこの報告は正しいとしておこう。何かしらの発見が真であると広く認められるためには複数の検証者が真と認める必要があるのが社会の不文律であって、筆者一人の検証では不足であるし、なによりこれだけの分量の仕事の検証作業をする時間的余裕は個人的に無いからだ。

ただし、この作者が先行研究を熟知しているということだけははっきりしているといっていいだろう。

ここからはこの完成報告作品をもとに神谷氏(以下K氏)およびMorisue氏(以下M氏)の創作の完成可能性について考えてみたい。

K氏、M氏のコッホの雪は完成するのか?

基本設計の違い

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購入者のコメント

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拙作への客観的な分析と観察、楽しく読ませてもらいました。圧縮率にこだわったのはご推察の通り、六芒星を最小限で作ることを所与として始めたから(結果平織りになる)に他なりません。そのためK氏の圧縮率よりも鈍いことにも、木曲線の最重要技術の先行にも気づいていませんでした。「もし答えが存在するならこんくらいの美しさ(効率)であってほしい」という「クリエイター」としての哲学を突っ張ってしまったのが反省点だと気付かされました。一方でその意味で、「現実に折ってみせる」ということも折り紙で実現する以上は大事なこと(実際、私に対する多くの反響がそれでした)で、うしおさんのピラミッドと同じく、折り手順で解(再帰性)を示すことが最終目標と考えています。今後も見守っていただければ幸いです。

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フラクタル折り紙の可能性について|汐綱
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