「私、離婚しようかな」

報告書を読み終え、放心状態の紗香さんと向き合いながら、黙っていると、「私、離婚しようかな」とおっしゃいました。夫は典型的なモラルハラスメントの男性なので、紗香さんが一人で離婚をしようとしたら、元の関係に戻ってしまう可能性が高い。
「しっかりとした弁護士さんに相談してください」と言うと、「母が教えてくれました。ウチの両親も離婚しており、慰謝料と養育費を受け取れるようにしてくれた弁護士さんにこれから会いに行きます」と言っていたので一安心。

その後、夫は離婚に応じず、紗香さんが大声で怒鳴られるなどしたそうですが、弁護士と証拠がものを言い、離婚に向けて順調に進んでいるそうです。今、紗香さんは実家におり、ときどき「先生との生活に戻りたい」と発作のような状態になったそうですが、そのたびに弟夫婦と甥・姪、そして母が「ここにいなさい」と言ってくれているそう。

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「最初の2週間は、先生がいない生活が本当に苦しくて、一人暮らしだったら戻っちゃったかも。でも、そこから抜けると楽ですね。離れると、未練もなくなるというか……。先生からだけでなく、女性からも慰謝料をもらって、これから生きて行こうと思います」

紗香さんは短大で保育士資格を取得しており、実家近くの保育園で働き始めたとのこと。心の傷はまだ癒えていませんが、なるべく過去を振り返らないようにして、生きていくと決めたそうです。

今回のケースで感じたのは、教師と生徒という関係において、恋愛と性加害の境界線がどこにあるのか、という問題です。15歳当時の紗香さんは、当時30歳の担任に恋をしていた。担任は、その気持ちに応えてキスをしたり体を触るなどの「性暴力」をしていたのです。

これは私見ですが、やはり成熟し、責任を持つ大人は、まだ知識のない少女の恋心に応えてはいけないと感じました。力の差異が圧倒的なので、支配・被支配の関係になりやすいからです。実際紗香さんはそれから20年も支配され続けていました。おかしいと思ったたからこそ調査を依頼し、そこから脱却しつつある、紗香さんの未来に幸あれと祈りながら、きっと自分の足で人生を歩けるはずと感じました。
今回の調査料金は20万円(経費別)です。

これまで、15歳のときから「先生」に縛られていた紗香さん。これから自分の足で進むことを心から応援したい Photo by iStock
山村佳子さん連載「探偵が見た家族の肖像」これまでの記事はこちら
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  • 山村 佳子

    探偵事務所代表

    山村 佳子

    横浜生まれの横浜育ち。フェリス女学院大学を卒業し、平凡なOLとして働いていたが、大学時代に経験した探偵の仕事が忘れられず、一度はあきらめた探偵の道に進むことを決意する。5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。お飾りではない、実際の調査経験も豊富な女性探偵として注目を浴び、テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。

    リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/

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