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「原電支援もうやめて!」大手電力5社の株主が求める理由

川口雅浩・経済プレミア編集部
原子力規制委員会の審査で不許可となった日本原子力発電の敦賀原発2号機=福井県敦賀市で2024年11月14日、本社ヘリから小関勉撮影
原子力規制委員会の審査で不許可となった日本原子力発電の敦賀原発2号機=福井県敦賀市で2024年11月14日、本社ヘリから小関勉撮影

どうなる大手電力の株主総会(2)

 「原子力規制委員会の審査で不許可となり、発電の見込みのない日本原子力発電の支援を続けることは、株主として容認できない。原電との受電契約は解消し、原発の維持管理費の支払いも打ち切るべきだ」

 今年の大手電力の株主総会では、東京電力ホールディングスだけでなく、関西電力や中部電力などの個人株主からも、こんな提案が相次ぐ。大手電力の株主は、なぜ原電の支援中止を訴えるのか。

 前回の本欄で、東電の個人株主196人が「原電は発電できない設備だけ持つまれな会社だ。我が社(東電)は電気を受け取っていないのに毎年(基本料金として原電に)550億円支払っている。我が社は資金回収に動き、福島への賠償に投入すべきだ」などと提案すると詳報した。

 今年の大手電力の株主総会は6月26日に集中している。今年の特徴は東電だけでなく、関西、中部、東北、北陸を含む大手電力5社の個人株主が、そろって原電支援の中止を求めることだ。

 東電などの個人株主が原電支援の中止を求める株主提案を行うことは過去にもあったが、大手5社の株主がそろって原電支援中止を求めるのは今年が初めてとなる。

 原電は2025年3月期決算まで8年連続で最終黒字を計上している。発電がゼロでも黒字が続くのは、これら大手電力5社が基本料金として、原電の人件費や原発の維持管理費用などを払っているからだ。東電は「将来の電気料金の前払い」まで行っている。

「いま判断しなければ損失拡大は必至」

 大手5社のうち、関西、中部、北陸の大手電力3社は原電の敦賀原発2号機(福井県)を支援している。敦賀原発2号機は原子炉直下に活断層があることが否定できないとして、原子力規制委員会が24年11月、新規制基準に適合しないと判断した。

 ところが原電は敦賀原発2号機を廃炉にせず、不許可の処分を受け入れた上で審査を再申請し、再稼働を目指す方針だ。

 このため関電の個人株主84人は…

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経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。