YouTubeに複数の偽情報動画「高齢者バス料金」など拡散 注意を

「7月から全国各地で高齢者のバス料金が無料になる」などといった偽の情報がYouTubeの動画から広がり、一部の自治体で住民からの問い合わせが相次いでいます。事実とは異なる偽の情報だとして、複数の自治体が注意を呼びかけています。

「7月1日から全国ほとんどの地域で高齢者のバス料金が無料になる」とする偽の情報が、数日前からYouTubeで広がっています。

動画の中では、「政府と自治体が協力して、各地で高齢者のバス料金が無料になる」などとしていて、具体的な場所として東京都や大阪府、福岡県、それに名古屋市や仙台市など、13の自治体を挙げています。

また、事前に専用カードの申請が必要とか、毎月定額の交通費が現金で支給される、バス路線が少ない地域ではタクシー代が補助されるなどと、根拠が全くないのに、地域ごとに具体的な方法まで示しながら偽の情報を伝えています。

NHKは、名前を挙げられていた自治体に取材しましたが、いずれも事実ではありませんでした。

同様の内容の動画は複数あり、生成AIで作られたとみられる画像や合成音声が使われ、なかには20万回以上閲覧されているものもありました。

一部の自治体や国土交通省には、住民などからの問い合わせが相次いでいて、事実と異なる偽の情報だとして、ウェブサイトで注意を呼びかけているところもあるほか、東京都などは、削除するよう依頼しているということです。

高齢者のバス料金について偽の情報を流しているYouTubeのチャンネルでは、ほかにも高齢者に関わる金融や医療について、根拠のない情報を流している複数の動画が確認できました。

暮らしに関する根拠のない情報や偽の情報を拡散させているYouTubeの動画は多くあり、信じたり、拡散させたりせず、公的機関に確認することが大事です。

名古屋市では高齢者を対象に、所得に応じた一部負担金を支払うと、市バスなどに無料で乗車できる「敬老パス」を交付していますが、この事業は以前から行われています。

国交省 “動画の情報はデマ 信じたり拡散しないで”

国土交通省は偽の情報に関し、政府が自治体と協力してことし7月から高齢者のバス料金を無料にするという政策はないとしています。

外部からの問い合わせもあるということで、国土交通省の担当者は「動画の情報はデマなので信じないでください。拡散もしないでください」と話しています。

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