「イライラしない」と決めても逆効果 脳の仕組みを活かした感情の整理術
PHPオンライン6/20(金)12:00
小泉健一氏は書籍『その気持ち我慢するより、できることがあるかもよ』にて、アドラー心理学の考え方を分かりやすく解説します。
脳は否定形を理解できない
あなたは、「黄色くないゾウ」と言われて何を思い浮かべますか?
おそらく「黄色いゾウ」を思い浮かべたのではないでしょうか。
「今から車のことは絶対考えないでくださいね!」と言われたら、誰でも車が気になってしまうでしょう。
このように「脳は否定形を理解できない」、つまり「〇〇しない」と否定しようと意識しても、脳は「○○する」をイメージしてしまうものだと言われています。
よって、「もうイライラしない!」と決めても「イライラ」が残るので、ずっとその感情と離れることができません。
感情にはしっかり向き合うことが大切です。イライラするということは、あなたの価値観にそぐわない出来事があったということですよね。何が気に食わなかったのか、そして誰にどうしてほしかったのかをノートに書き出してみましょう。
そして、忘れてはいけないのが「課題の分離」。
誰に何をしてほしかったかがわかると、それは自分のエゴだったり、価値観の押し付けだったりすることに気がつくことがあります。
「あー、これって自分の『こうあるべき』という考えを相手に押し付けていたな」などと気づいて、「相手のことはコントロールできないから、この感情を解消するためには自分で何ができるだろう」と考えてみるのです。
相手の言葉に腹が立ったとしても、自分のイライラを鎮めるために相手に思いどおりのことを言わせることはできませんよね。
例えば、パートナーに悩みを相談したとき。「気にすることないよ」と声をかけてなぐさめてほしかったのに「あなたにも非があるんじゃない?」と言われたら、カチンとしますよね。その気持ちを抑えるために「『気にすることないよ』って言ってよ!」
と指示したところで無茶だということは誰にでもわかります。
このように相手のことはコントロールできません。
「もっと優しい言葉をかけてほしかった」と思っていたとしても、そのように相手を動かすこともできません。
できることとしては、「他人は思いどおりに動いてくれない」と理解すること。
そして、「私は自分の行動を認めてもらいたかったんだね」「優しい言葉を求めていたんだね」と、自分自身で自分を大切にするしかありません。
自分の感情に向き合う
「セルフハグ」というストレス発散方法をご存知でしょうか。
これは自分の両手で自分を抱きしめて体をいたわる方法で、「大丈夫だよ」と声をかけながらセルフハグをしてストレスを軽減させるというものです。
例えば、こんなふうにやってみます。
「いやなことがあってパートナーに話したのに、優しい言葉をかけてもらえなかったけど、私はよく頑張ったよね。えらいよね」と自分に声がけしながらセルフハグをする。
そうすることで、じんわり温かい気持ちになれてイライラやストレスが軽くなっていきます。
こうした方法も使って、自分で自分を認めてあげましょう。
感情を抑えつけるのではなく、つらくてもじっくり向き合っていくこと。
そこでネガティブな感情が出てきても「そんな自分でもいいんだ」と思うこと。
すべての感情には目的があるのですから。
このアドラー心理学の「目的論」を意識して、「自分は、なんのために今のイライラを選んだのか?」という視点で向き合うと、いやな感情も消化し切ることができます。
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