半生チャーシュー、レアから揚げ、生つくね…“食中毒”発生すれば「店側が責任を負う」が、鶏肉の“生食”に「法規制」ないワケ
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食中毒が発生した場合、店側に問われる責任
鶏肉の生食に法規制がないとしても、生や加熱不十分な鶏肉の提供により食中毒が発生した場合、店側は刑事責任と民事責任の両方を負う可能性がある。 「鶏肉は一般的に加熱調理が推奨されており、生食にはリスクがあることが広く認識されています。そのため、食中毒が発生した場合は、店舗側がその責任を負うことになります。 刑事責任として、被害の程度が大きい場合は業務上過失致死傷罪(刑法211条、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)に問われる可能性があります。民事上は、被害者に対して損害賠償責任を負うことになります」(石﨑弁護士) そのほか、神戸のラーメン店に営業停止命令が下されたように、行政処分を受けることも考えられる。ただし、食中毒の発生状況や店舗の衛生管理体制などによっては行政処分ではなく、注意等の行政指導にとどまる場合もあるという。 これらに加えて、最近はSNSやニュースなどを通じて情報が拡散され、店舗の信用やイメージが大きく損なわれた結果、事業継続に深刻な影響を及ぼすこともある。そのため、石﨑弁護士は「風評上の問題も無視できない」と指摘する。
食中毒の被害者が店側に損害賠償請求するには?
食中毒の被害者が店側に損害賠償請求をするにあたってもっとも重要になるのは、店舗で提供された食事と食中毒との因果関係の証明だ。 石﨑弁護士は、具体的な事案によって必要な証拠はさまざまだとしながら、一般的には「医師の診断書(診療記録)」「店での食事した際のレシート・領収書」「保健所の調査結果(行われていた場合)」などが挙げられるという。 そのほか、店側が食中毒の原因であることを認めず、両者の間で主張が争われた場合には、「食中毒発症前後の行動がわかるような資料(例:クレジットカードや交通系ICカードの利用履歴、SNSの投稿やメッセージアプリの履歴、同伴者の証言や記録など)によって、当該店舗での食事が原因であることを明確にする必要も出てくる」と石﨑弁護士は述べる。 繰り返しになるが、鶏肉の生食には法規制がないものの、食中毒のリスクについては広く注意喚起がなされている。安全を求めるなら、消費者も十分に加熱されたものを選ぶのが肝要だろう。
弁護士JPニュース編集部