「くず米」で日本酒 常識疑う酒蔵がコメ不足で放ったアンチテーゼ

形が崩れていたり、小粒だったりして販売する前に除かれる「くず米」=土田酒造提供
形が崩れていたり、小粒だったりして販売する前に除かれる「くず米」=土田酒造提供

 農家が苦労して育てたにもかかわらず、食用米としては販売できない規格外の「くず米」。食卓に上ることのないそれらのコメを使って日本酒を造った酒蔵がある。

 上等な酒米を時間をかけて精米して酒を醸す――。

 そんな日本酒造りの常識とはかけ離れた酒を造った背景には、「令和のコメ騒動」のなかで感じた酒造家の危機感と日本の酒造りに対する「アンチテーゼ」が込められていた。

  <主な内容>
 ・手塩にかけた12トン
 ・「異端」酒造家
 ・コメ不足で生じた葛藤
 ・持続可能な酒造りとは

きっかけは農家のボヤキ

 「実は『雪ほたか』にならないコメが毎年12トンぐらい出ている」

 コメどころ、群馬県川場村。地元特産米の男性生産者がそうこぼすのを、村の酒蔵「土田酒造」を経営する土田祐士さん(49)が耳にしたのは、食用米の価格が上…

この記事は有料記事です。

残り1715文字(全文2065文字)

全ての有料記事が読み放題

ご登録から1カ月間は99円!!

※会員ページからいつでも解約できます。

※料金は税込です

あわせて読みたい

この記事の筆者

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月