神父から「いち信者のくせに」と言われPTSD…ハラスメント対応の元職員、賠償訴訟で長崎大司教区と和解
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カトリック長崎大司教区(長崎市)の元職員が、パワーハラスメントを訴えたのに適切な対応を受けられず、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症して退職したのは、大司教区側に安全配慮義務違反があったためだとして、約5380万円の損害賠償を求めて提訴した訴訟は17日、長崎地裁(松永晋介裁判長)で和解が成立した。
訴状では、元職員は2017年4月から、教区内でのハラスメントに関する被害者らのケアを行う業務に従事した。性暴力事案などが発生した際、神父から「思い通りになると思うなよ」「いち信者のくせに」といった言葉を浴びせられるなどし、大司教区側に改善を求めたが、対応しなかったと訴えていた。
和解条項では、大司教区側が和解金(金額非公表)を支払い、訴訟の関係者や大司教区の神父に対して、和解したことや元職員の名誉を害する言動はしないことなどを説明するとした。
元職員は弁護士を通して「とても孤独な日々でした。裁判所が総合的に考慮して和解を勧告してくださったことに深く感謝いたします」とコメントした。
大司教区は「『相手の名誉を害する行為は行わない』という合意があり、これ以上の取材には対応できかねる」とした。
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