【第613回】山田太郎が実現!国会図書館が激変!デジタル化で何が変わった?(2025/2/5) 山田太郎のさんちゃんねる【文字起こし要約】
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出演者:
山田太郎 参議院議員・全国比例
小山紘一 政策秘書・弁護士
今回の内容
山田太郎のさんちゃんねるです。この番組では、政治経済の話題、特に表現の自由を巡る問題についてお届けしています。
さて、今日は「山田太郎が実現!国会図書館が激変」というテーマでお話しします。最近、国立国会図書館が非常に使いやすくなったという声が届いていますが、実は私と私の事務所が、国立国会図書館のデジタル化の推進や、関連する著作権法の改正など、さまざまな取り組みを行った結果、使いやすくなったのです。そのため、ネット上でも多数のお礼の声をいただき、大変嬉しく思っています。
改めて、せっかくデジタル化が進み、法律も改正され使いやすくなった点について、具体的にどこが改善されたのか、何が変わったのかという点を、本日は皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
ところで、小山さんは国立国会図書館を利用されていますか?
私自身は、いろいろな意味で活用しています。ただし、議員事務所での利用方法と一般の方々の利用方法は大きく異なります。この点についてはまた別の機会に触れたいと思いますが、使い勝手の良さは皆さんも実感されているのではないでしょうか。
さて、本日はTwitterでの反響についても触れたいと思います。私、山田太郎議員が国会図書館のデジタル化を推進してきた結果、なんとドイツの国会や国立図書館よりもデジタル化が進んでいるという声も上がっています。果たしてそれは本当なのでしょうか。本日はその真相を解き明かしていきたいと思います。
国会図書館デジタル化
絶賛・喜びの声等
現状の国立国会図書館が本当に使いやすくなったのか、具体的な皆さんのご意見も集めましたので、ぜひご覧いただければと思います。
ある記事では今回のリニューアルで全文検索が可能になり、デジタル化された資料が従来の5万点から247万点へと激増したと絶賛の声が多数寄せられています。これは本当なのでしょうか?
恐らく事実であると思います。こちらの記事によれば、2022年12月21日に国立国会図書館デジタルコレクションがリニューアルオープンしたとのことです。
山田さんの事務所が国立国会図書館のデジタル化における日本語対応を進めたのは2020年のことです。当時は画像データしか存在せず、「デジタル化されている」とは言っても使い勝手が非常に悪かったのです。そこで、もっとデジタル化を進めるとともに、テキスト検索が可能な全文検索機能の導入が必要だと提案し、その意見を実現しました。
また、日経新聞にも2022年6月の記事が掲載され、「絶版資料のインターネット送信」ということで、非常にありがたい恩恵が大きいと紹介されています。
2022年、国立国会図書館が個人向けにデータをインターネット経由で提供し、特に絶版や入手が困難な書籍・資料が閲覧可能になったというものです。
以前は、国立国会図書館の資料を利用するためには、大学などの図書館を通じて送付を受ける必要がありましたが、現在は個人に直接送付できるようになったことが大きな成果です。その結果、大学や地方の大きな図書館に足を運ぶことなく、研究や調査に必要な資料が自分の手元に届くようになり、多くの方から高く評価されています。
さらに、絶版資料などのインターネット送信に関する評価の声も多数寄せられています。2年前から私、山田太郎議員が国立国会図書館のデジタル化に取り組み、60億円の予算を投じてきましたが、その効果が形となって現れ、「本当に良かった」という評価をいただいております。
また、全文検索機能によって資料をそのまま閲覧できるようになったことで、調査が非常に便利になり、多くの利用者から重宝されているとの声も届いています。実際に、利用者の方が変化の様子を画像付きで紹介してくれたり、国立国会図書館自身が広報として情報を発信しているのを拝見したりしており、こうした声を聞くたびに、私自身も大変嬉しく感じています。
もうひとつ、このデジタル化にあたって実は相当力を入れて取り組んできたことがあります。それは、障害者が誇りを持てる未来を実現するため、国会図書館の資料デジタル化の裏作業において、障害をお持ちの方々の力を借りようという試みです。
実際、OCR(光学文字認識)を用いて、一冊一冊の本を丁寧にデジタル化していますが、この作業を、できれば障害をお持ちの方々に担当してもらえないかと考えました。
特に、知的障害や発達障害などで、他の職場で働くのが難しい方々にとって、このOCR作業は得意分野になり得るとされています。そうした意味で、障害者の方々にも働いていただきたいと考え、全国8か所で500人以上の方々が参加する形となりました。
私が特に嬉しく感じたのは、関係者の方々から「後世に残る仕事に誇りを持っている。国会図書館のために、誰かの役に立つ仕事をしているという実感が本当に嬉しい」というお言葉をいただいたことです。
さらに、賃金面でも改善が見られました。就労支援施設の賃金が低いとよく言われますが、今回の取り組みにより、1人あたり月に10万円を超える方も出始め、しっかりとした給料を受け取れるようになりました。現場では「タックスイーターからタックスペイヤーに変われた」という声も上がり、私自身も非常に嬉しく思っています。
そもそも国会図書館とは
では、そもそも国会図書館とは何でしょうか?本日は入門編として、国会図書館について改めて丁寧にご説明したいと思います。
国立国会図書館という名称は、世界的に見ても珍しい存在です。実際、国立国会図書館は国会のすぐ近く、議事堂の北側に位置しています。多くの方々が直接来館されるかもしれませんが、所蔵資料は非常に充実しており、2022年の段階では約4700万点とされ、2024年初頭には毎年約100万点ずつ増加し、現在では約5000万点近くに達していると推定されます。
一般的には、図書館といえば書籍の貸し出しが主な業務と思われがちですが、国立国会図書館の第一の役割は、国会議員の活動支援です。国会議員からの要請に応じ、所蔵資料の中から必要な書籍を提示したり、調査依頼に対応したりしています。
特に国際的な調査や論文調査においては、国立国会図書館の強みが発揮され、私自身も頻繁に利用しています。書籍の貸し出し業務は二次的な作業と位置づけられています。
外観に関しては、一見地上4階建てで平べったく、小規模に見えるかもしれません。しかし、実は地下8階まで広がっているため、全体としては非常に大きな建物です。これは、蔵書を適切に保管するため、温度22°C、湿度55%に保たれた環境が必要なためでもあります。
国立国会図書館の役割は、先に述べた国会活動の補佐や情報収集、情報資源の利用提供など多岐にわたります。
NHKでも「国立国会図書館特集」として、1年前に放送された『バックヤード 地の迷宮の裏側』という番組で国立国会図書館が紹介され、その出来栄えの良さが話題になりました。
国立国会図書館には毎年約80万点の新たな資料が入館しています。書籍だけでなく、地図、CD、DVD、さらにはレコードなども保管されており、いわゆるボーンデジタルの資料(まだデジタル化されていない原本)の劣化が懸念されています。
そのため、紙媒体以上に急いでデジタル化を進めなければ、将来的に再現が困難になる恐れがあると指摘されています。つまり、国立国会図書館に所蔵される資料は、単にデジタルで利活用するだけでなく、その保存のためにもデジタル化が急務であるのです。
放送内ではさまざまなデジタルデータの進展についても取り上げられており、私自身も尽力して大規模なプロジェクトを推進しました。その結果、約365万点の資料のデジタル化作業が完了し、原本の取り出しが不要となるなど、業務が大幅に効率化されました。
また、インターネットを通じてどこでも資料を閲覧できるようになったことは、一見当たり前のようですが、なぜ国立国会図書館のデジタル化がこれほどまでに遅れていたのかと疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。これは、誰かが問題提起を行い、汗水たらして予算を獲得し、国を動かす努力を重ねた結果であり、私自身も大変誇りに思っている実績です。
どこからでも便利に資料が閲覧できるケースが増えました。しかし、著作権の関係から館内でしか閲覧できない資料もまだ多く存在します。この点については、私自身も総合的な戦略を検討中です。著作権は非常に重要な権利であるため、慎重に扱う必要があります。
国立国会図書館のデジタル化
山田太郎の総合戦略
私が国立国会図書館のデジタル化を進めるにあたって打ち出した総合的な戦略についてお話しします。これまでさまざまな場で図書館のデジタル化に関して説明してきましたが、ここで実際に行ってきた取り組みを、3つの軸に沿ってまとめてご説明いたします。
1. デジタル化の予算の確保
第一の軸は、図書館の資料をとにかくデジタル化しなければならないという点です。当初、年間に確保できる予算はわずか2.3億円しかありませんでした。確かに一生懸命取り組んでいたものの、2.3億円の予算では、納本された全書籍のごく一部しか毎年デジタル化できる状況でした。
これを一気に改善するため、特に2000年以前の書物について、デジタル化だけでなくOCR処理を施して全文検索が可能な形にする、大規模な予算を確保したプロジェクトを立ち上げました。
実際、2020年または2021年頃からスタートし、その後5年間で予算が大幅に拡大され、総額で約245億円が投入されました。その結果、2000年以前の書籍については、来年度にはデジタル化が一段落する見通しが立ちました。当初は本当に完遂できるのかと懸念されていましたが、非常に大きな成果を上げることができたと自負しています。
2. 利用可能な環境の整備(法律改正)
第二の軸は、単にデジタル化を進めるだけでは意味がないという点です。資料がデジタル化されても、実際に利用できなければ本末転倒です。利用を阻む大きな障壁となるのが、著作権法など各種法律です。そこで、私は著作権法と国立国会図書館法の改正に取り組みました。
著作権法については、何段階にも分けて複数回の改正を実施しました。与党である自民党の知財調査会内、コンテンツ委員会の事務局長として、提言書の作成や関係各方面への働きかけを行い、改正を実現しました。
その結果、絶版資料等のインターネット送信や、図書館資料のメール送信といったサービスが可能になりました。これらは一見容易に思えるものの、公衆送信の問題や著作権法との抵触といった課題があったため、法律改正により解決を図った次第です。
また、従来の納本制度は、主に紙媒体の書籍を対象としており、オンライン資料については一部、国の機関などの資料のみが収集されていました。しかし、著作権保護や有料コンテンツの問題から、オンライン資料を広く収集することは困難でした。そこで、国立国会図書館法の改正により、一定の枠組みのもとでオンライン資料も収集できるよう制度を変更しました。
その結果、多くの新たな資料が図書館に収集され、オンラインでも閲覧可能な体制が整いました。これは、資料収集に必要なコスト面の整備や法律の改正を同時に進めた大きな成果であり、私たちがこれまで注力してきた取り組みの一端を担っています。
3. 障害者就労支援
そして、せっかくデジタル化に約200億円近い予算を投じるのであれば、その一部をぜひ、障害者の就労支援に充てたいと考えています。私自身も、自分の政策や公約の中で、特に若い世代を対象に、障害を持つ方々に対して就労の機会をしっかりと確保すべきだと主張してきました。
そのため、こうした仕事を創出できないかと検討しており、障害者優先調達推進法の理念実現や、後ほど詳しくご説明する特例政令などの制度を通じた取り組みも進めてまいりました。
当初は、優先枠で発注できる金額が約100万円程度に限られていたものが、1500万円に拡大され、さらには上限を撤廃する措置を実現しました。これまでの交渉は非常に困難を極めました。
実際、厚労省、外務省、財務省を招集し、「なぜこの改正がなされなかったのか」と何度も詰めて議論を重ね、「現状のままではおかしい」と強く主張せざるを得ない状況になりました。
さらに、他の条約との関係で問題がないか徹底的に調査してもらい、約1年半かけてなんとか改正を実現するに至りました。また、国会図書館法の改正についても、山田さんが党内で積極的に働き、調整に奔走した結果、大変な苦労を伴いながらも成果を挙げることができました。
当時、国会DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れが、コロナ禍において国会活動のDXを急務とする中で盛り上がっており、国会図書館のDXも必要不可欠と判断され、その担当が山田さんに任されたのです。
例えば、現行の国会図書館法では、Kindleや楽天KoboなどEパブリッシング形式で販売される電子書籍は、有償であることや形式が異なるため、収集対象外とされていました。そこで、「そこでしか販売されていない本はどうするのか」という議論が持ち上がりましたが、現状では対象外とされるのみでした。
しかし、日本人の資産、すなわち日本の文化遺産を後世に残すためには、これらも収集対象にすべきだと考え、さまざまな対策を講じる必要があったのです。これもまた、非常に骨の折れる作業でした。
さて、図書館のデジタル化の重要性は与野党を問わず議員たちも長らく主張してきましたが、何よりも先立つのは予算の確保です。資金がなければ何も始まりません。そこで、いかにしてデジタル化予算の確保とその執行を実現していったのかについて、まず最初の柱としてご説明いたします。
1. 国会図書館資料のデジタル化予算の確保と執行
この取り組みを進めるにあたっては、個人の力だけでは動かないため、私は党の知財調査会「デジタル社会・知財活用小委員会」の事務局長に就任した、2019年7月に自民党与党の議員となった直後から、国立国会図書館のデジタル化の必要性に取り組み始めたのです。
そして、2020年9月には、この提言をしっかりとまとめ、5年間で総額207億円の予算措置を要請しました。この数字は、急に決まった予算ではなく、現存する書籍のデジタル化に必要な作業範囲やコストを、図書館などでの調査を重ねながら精密に見積もった結果に基づいています。
また、与党として提言を出した以上、実現しなければ意味がありません。そのため、最終的には財務省を含む各方面との交渉を経て、予算確保に努めたのです。私自身も、有力な議員や財務省などへ積極的に働きかけ、予算確保に全力を注いだことを、ぜひご理解いただきたいと思います。
2021年には、順次補正予算として60億円が措置され、その後、2021年5月には改正著作権法により図書館資料の公衆送信が可能となりました。同年12月には、補正予算の中からデジタル化予算47億円が、先の207億円の枠組みの中で執行されることとなり、予算措置と法律改正を次々と同時並行で進めることができました。
さらに、2022年には国会図書館の閲覧サービスとして、絶版や入手困難な資料をウェブサイト上で閲覧できるようにする施策まで実現しました。この2~3年という短期間で、図書館のデジタル化および関連する法律改正・交渉を同時に進めたのが、本プロジェクトの大きな成果です。
ちなみに、この提言の取りまとめは、2019年12月4日から2020年9月1日までの約9か月間にわたって行われました。自民党内では、総務や調査会の関係者、有識者の先生方に何度も意見を仰ぎながら、粘り強く調整を進め、2020年の夏には多数の有識者に回覧し、承認を得るまで徹底した議論を重ねました。この粘り強さは、「一議員でも頑張ればここまで成果を出せる」という意地から来るものであり、全力で取り組んだ結果だと自負しております。
さて、先ほども触れたように、まずは知財関連の小委員会の話から始めます。知的財産戦略調査会という組織があり、ここでは著作権や特許など、知的財産に関する中長期的な方針について議論されています。
その中で、私自身は「コンテンツ小委員会」あるいは「データ社会に対応した知財活用小委員会」の事務局長を務めることになりました。これを党の正式な舞台として、積極的に提言を作成し、政府に働きかけたのが、私の一つの取り組みです。
この委員会では、海賊版対策やダウンロード違法化やリーチサイト規制など、さまざまなテーマに取り組んできました。また、発信者情報開示制度(現在は情報流通プラットフォーム対処法)の見直しも議論し、これらの提言をまとめ上げた結果、今日の成果につながっています。その中で、図書館のデジタル化が大きな位置付けとして挙げられていることも、ぜひご理解いただきたい点です。
実際の状況をお話しすると、2020年当時、先述のとおり、国立国会図書館には年間43万点の納本があり、毎年40万点以上の書籍が収蔵されていました。しかし、デジタル化されていたのは年間わずか2万点で、全体のデジタル化率は5%弱にとどまっていました。
また、蔵書は1240万点ある中で、デジタル化されていたのは244万点程度(約20%)に過ぎず、しかもその多くが1968年以前の古い書物に限定されていました。このため、2020年当時の日本の図書館は、デジタル化が十分に進んでいるとは言えず、コロナ禍においても「図書館に行かなくても情報が見られる」という状態には程遠い状況でした。
こうした背景を踏まえ、国立国会図書館はこの3~4年で大きな変革を遂げたと理解していただきたいと思います。
では、具体的にどのような取り組みを行ったのかというと、まず、1969年から2000年までの書籍(紙媒体中心の資料)を、5年間で一気にデジタル化するため、約200億円もの予算を確保する企画を立ち上げました。
なぜ2000年までの書籍なのかというと、2000年以降の書物は「ボーンデジタル」であるため、既にデジタル形式で納本されているケースが多く、あえて改めてデジタル化やOCR処理をする必要がないからです。したがって、まずは紙媒体の資料である2000年以前の書籍を対象に、デジタル化を進めるという方針を採ったのです。
この経費については、国立国会図書館と綿密に協議し、デジタル化作業の費用、OCR機器の購入、さらにはストレージや保管設備も含めた結果、最終的に207億円の予算が確保されました。これが2020年当時の状況と、それに対する具体的な対策でした。
しかし、2020年の状況は厳しかったのです。政府は「とにかくデジタル化は重要だ」と口では言っていましたが、コロナ禍により全国の図書館が閉鎖される事態に直面しました。国立国会図書館だけは全書籍の保存のための複製が認められていたものの、デジタル化は全く進んでいなかったのです。
さらに、仮にデジタル化されたとしても、本文検索が可能な状態にはなく、また、インターネット等で公衆送信を行う際にも各種制限があったため、図書館に来館できない人々が情報にアクセスできる状況にはなっていませんでした。これらが、デジタル化推進の背景にあった問題点です。
先ほど申し上げましたが、1年間におけるデジタル化の進捗は非常に低く、このままでは、書籍が溜まる一方で、たとえ2000年までの書物であっても、デジタル化を進めるのは到底不可能な状況です。実際、先ほども述べた通り、これらの書物のデジタル化率は約20%程度に留まっていました。
なお、私が提出した提言書には、207億円という具体的な数字が明記されています。金額ベースがこれほど詳細に見積もられ、国に対して提言がなされるのは珍しい仕組みであり、私がいかに具体的な提言に力を注いだかを示しています。
また、デジタル化と言えばOCR処理ができることを指す場合が多いですが、私は全文検索やテキスト検索が可能になるような仕組みづくりも提言しました。
しかし、提言書の作成以上に大変だったのは、党内外の関係者をしっかりと回る必要があった点です。ここで改めて、国立国会図書館(国会図書館)とは何かを確認していただきたいと思います。
国立国会図書館は行政機関ではありません。行政機関であれば担当大臣がおり、その大臣や省庁が財務省などと交渉しながら予算を確保し、政策を進めることができます。しかし、国立国会図書館は国会内に位置するため、担当大臣が存在しません。
国会図書館長は一応存在しますが、彼は図書館運営の責任者にすぎず、実際の権限は衆議院議長や参議院議長が握っています。議長は基本的に議事を取り仕切る役割を担うため、強い意思表示を行わず、その結果、次に議員運営委員長が登場します。
衆議院と参議院にはそれぞれ議員運営委員長がおり、さらに議員運営委員会内には国会図書館小委員会が存在します。この小委員会の小委員長は基本的に野党が務めることが多いのですが、衆議院側の場合は国会図書館小委員会の委員長のもとに提案を提出するなど、利害関係者が非常に多岐にわたります。もちろん、財務省にも働きかける必要があり、私は合計で約20名程度の議員に対して説得に出向いた記憶があります。
一人の議員として説明に行くのは非常に困難であったため、私は知的財産調査会の提言をもとに、参議院(当時の参議院議長および松村参議院議員運営委員長)のもとへ提出し、また、衆議院に関しては大島さん(当時の衆議院議長)のところに提出しました。
さらに、財務省については、当時主計局長であった矢野主計局長のところへも説明に伺いました。また、現官房長官である林さんが当時、知的財産調査会の調査会長として私の上司であり、私自身はコンテンツ消費の事務局長として個別の説明や交渉に当たりました。さらに、高木議員運営委員長(衆議院側)のところにも出向き、そして最後に、当時の財務大臣であった麻生氏のもとへ申し入れに伺いました。
麻生大臣は、私の提案に対し、「さまざまな障害を持つ方々にも仕事の機会を提供する」という点を非常に評価してくださいました。「いい提案だ」とのお言葉をいただき、なんとかこの案件を決定できるように進めようとご助言いただいた結果、財務省も前向きに動き始めました。
つまり、国会委員長など、今回説明できなかった多くの関係者にも、私は合計約40名に対して説明を行ったのです。
非常に嬉しかったのは、まず200億円の予算が財務省内でセットされたことです。最初は2021年度の予算として60億円が措置され、このデジタル化プロジェクトがスタートしました。これがなければ、プロジェクトは中途半端に終わっていたでしょうが、60億円が確保されたことでプロジェクトが本格的に始動し、大変安堵しました。
そして、この5年間で最終的には245億円という大規模な予算規模にまで拡大し、各補正予算を中心に着実に積み上げながら、国立国会図書館のデジタル化を進めることができたのです。
そしてもうひとつ、このデジタル化の取り組みでは、障害者の方々に作業を担当していただくことだけでなく、AIなどの先端技術を活用して、公文書などの目次部分のOCR処理を自動化できないかという試みも行いました。
モルフォ社を訪問し、赤松さんと共にその技術を確認しましたが、非常に優れたものでした。
特に、明治期以降の雑誌や近代活字など、単純なOCRだけでは認識が難しい書物の場合、目次が本の冒頭ではなく本文中に組み込まれていたり、旧かな遣いや縦書き・横書き、さらにはルビの問題があったりするため、従来の手法では正確な読み取りができませんでした。そこで、AI技術を組み合わせるなどの新たな手法を試行し、これらの課題に取り組みました。
デジタル資料利活用のための著作権法の改正
次に、資料の利活用についてですが、単にOCR処理を施すだけでは十分ではありません。2020年に予算を確保してデジタル化を進めた後、同時並行で著作権法の改正にも取り組み、資料がより使いやすい状態にするための基盤整備を図りました。
私は、知的財産調査会で事務局長として、当時の菅官房長官に対して提言を行うなど、図書館に限らず海賊版対策、世代型著作権データベース、さらにはフリーランス保護やクリエイター支援など、幅広いテーマについて提言をまとめ、政府に実現を迫ってきました。
2021年の著作権法改正では、大きな変更が2点ありました。ひとつは、図書館関係の権利制限規定の見直しです。これにより、従来は送信が認められなかった絶版資料について、国立国会図書館に所蔵されるものに関して、一定の条件下でインターネット送信が可能となりました。著作権がある資料をそのまま送信すると公衆送信違反となるため、これまで困難だった利用方法が大きく改善されました。
もうひとつは、メール送信の規定緩和です。コロナ禍により、図書館に来館できない利用者のために、図書館資料をメールで送信できる仕組みが求められていました。また、放送番組のインターネット配信に関する権利処理についても、大きな改正が行われ、事前許諾がなくても同時配信や追っかけ配信が可能となるよう、放送法との関係も調整されました。
これらの改正の結果、絶版や入手困難な資料が、国立国会図書館のウェブサイトを通じて閲覧可能となり、利用者は登録したIDとパスワードを用いて資料にアクセスできるようになりました。
さらに、利用者側は非営利目的に限り、プリントアウトやディスプレイでの公的な伝達も可能となり、大きな変革がもたらされました。
朝日新聞などの報道でも、図書館の電子データがスマートフォンやパソコンで閲覧できるようになったことが大きな衝撃として伝えられました。
その後、政府は私がまとめた提言書に基づき、次々と法律改正を進めました。2021年の著作権法改正を受け、2022年には国立国会図書館法も改正され、国会のDX化の一環として、国立国会図書館のデジタルトランスフォーメーションを推進する取り組みが強化されました。
特に、ボーンデジタル、つまり電子出版のみの書籍やデジタル版のみの資料についても、収集対象に加える制度が導入されました。これにより、2000年以前の紙媒体の書籍はOCR処理によってデジタル化され、2000年以降のデジタル資料については、そのままデジタル形式で収集するという区分けが行われました。
従来の納本制度は紙媒体の書籍を対象としていましたが、無形の資料、すなわち元々デジタルで作成されている資料についても、分類として、公的機関が発行しているものと民間が発行しているものに分け、適切な収集制度を設けることで、国立国会図書館が体系的にデジタル資料を収集・保存できる体制が整備されました。
一方で、注目すべき点は、オンライン資料の中でも「Eデポ」と呼ばれる、民間が発行しているものについてどのように扱うかが議論されたことです。これまで、図書館がデジタル資料を集めていなかったわけではなく、まず無償で公開され、DRM(デジタルライツマネジメント)などの制限が付いていないものについては収集が行われていました。しかし、有償のものや、無償であってもDRMなどの権利保護の目的で複製が制限されているものについては、収集できなかったのです。
これを、一定の条件のもとで収集できるようにしたのが、2022年に導入されたオンライン資料収集制度です。これにより、いわゆるボーンデジタル(元々デジタル形式で作成されたもの)に関しても、公開資料としてどのように収集していくかが可能となりました。
2022年の収集制度の拡大についてですが、平成25年7月1日以降、インターネット等で出版されたオンライン資料の収集が行われています。従来は、無償かつDRMなどの制限が付いていないものに限られていましたが、改正法により、有償のものやDRMが付けられているオンライン資料についても、図書館への提供が義務付けられるようになりました。これは非常に革新的な変更です。
また、こちらも記事で取り上げられていますが、本格的な電子書籍の収集がようやく始まったのは、この法改正の後だと考えられます。非常に大きな改正だったという印象を受けています。
障害者就労支援
次に紹介するのは、私の真骨頂ともいえる障害者就労支援政策です。この政策は、国会図書館の資料デジタル化事業にあたり、障害者就労施設から優先的かつ積極的に業務を調達する仕組みを強く推進し、夢を実現しようとする取り組みです。
思い返せば、2020年12月16日という時期に、この政策を押し進めたのは、予算編成の最終決済が財務省および財務大臣のもとで行われるタイミングであったため、あえてそのタイミングにぶつけたからです。
麻生大臣も実力ある財務大臣で、多くの方々からアプローチを受けていた時期でもありました。私も、財務大臣と直接交渉する機会があり、その際、広い会議室にポツンと座る大臣の姿が印象に残っています。
そこで私が行ったのは、記事にもなった通り、時給222円という非常に低い賃金水準を改善するため、障害者が国会図書館のデジタル化業務に関わることで給料を引き上げようという提案です。
実際、国会図書館のデジタル化業務の一部を障害のある方々に担っていただく背景には、障害者が働いて得られる賃金が極めて低いという現実がありました。これは、野党時代の山田さんが取り組んでいた障害者の所得向上策の一環でもあり、具体的には以下の通りです。
例えば、2022年のデータによれば、B型事業所(就労継続支援B型事業所、雇用契約がないため最低賃金法の適用外)の場合、工賃として支払われる賃金は時給243円にとどまり、月給換算でわずか1万7000円程度です。
一方、A型事業所では雇用契約が結ばれているため、最低賃金法の適用を受け、時給は約947円、月給は8万3000円から10万円弱となっています。しかし、B型の方々は、働いても生活に十分な収入が得られないというのが現実です。
とはいえ、B型事業所を否定するつもりはありません。B型は、障害のために毎日働くことが難しい方々が、働ける時に働ける仕組みとして必要な制度です。決してB型制度を否定するわけではありませんが、何とか改善しなければならないという問題意識があります。
理念としては、A型・B型事業所は障害者の経済的自立を目指して運営されるべきですが、時給222円や243円では、経済的自立は到底実現できません。本来、これらの施設は継続支援を通じて、利用者が一般的な生活が送れる賃金を得られるように設計されるべきですが、実際には低賃金に固定されてしまっているという問題があるのです。
とはいえ、これまで低かった工賃も徐々に上昇傾向にありますが、B型事業所の賃金は依然として非常に低い水準に留まっています。月給としては、先ほども述べた通り1万7000円程度です。
なぜこうなってしまうかというと、根本的な問題は、障害者が従事できる仕事自体が非常に少ない、あるいはほとんど存在しないという点にあります。もし、障害者が働ける仕事があれば、彼らに優先的にその仕事を提供するべきです。これが、2012年に制定された障害者優先調達推進法の理念ですが、現実にはこの制度が十分に機能していないのが実情です。
具体的には、国は障害者就労支援の一環として、各省庁から障害者向けの仕事を発注する努力をすべきです。実際、最も多く発注しているのは厚労省で、件数ベースでは49.14%の優先調達が実施されていますが、金額ベースではその割合はわずか0.1〜3%にとどまります。
つまり、1件あたりの発注額が約11万5000円程度という小口発注しか行われておらず、受注側の事業所にとっては経済的負担が大きい状況です。また、今回の主戦場となった国立国会図書館においても、発注件数は非常に少ないのが現状です。
実は、これを実施するにあたって、様々な問題がありました。なぜ、障害を持つ人々に優先的に仕事を発注できなかったのかという点について、いろいろと問題があったのです。
まず一つ目は、随意契約の問題です。通常、国の仕事は一般入札を前提として発注されるため、全ての人に公平にチャンスを与える必要があり、特定の人々だけに仕事を発注する随意契約は基本的に行わないことになっています。
しかし、随意契約を行う際にも、様々な規定が存在していました。たとえば、随意契約約を行うためには、予算決算及び会計例(予決例)の規定に従う必要があり、その99条の中には、国の中でも秘密にすべき事項として、特定の業者に発注する場合が規定されていました。
また、特殊な技能が必要とされるなどの理由もありましたが、99条の7号には「予定価格が100万円を超えないもの」と定められており、多くの国の機関はこれを理由に100万円を上限として随意契約を行うと考えていました。
しかし、同じ法律の99条の16の2を見ると、事前に設立された救済施設から直接物件を購入または借入れ、もしくはその施設から業務提供を受ける場合は、100万円の上限が適用されないという例外規定がありました。
にもかかわらず、ある機関は依然として100万円を上限だと主張していたのですが、我々の事務所では、優先調達法の改正に合わせ、わざわざ99条16の2を活用して上限なく随意契約が行えるように交渉を進め、厚生労働省、財務省、外務省などと協議の結果、一旦は合意が得られました。
ただし、会計法上は、随意契約の場合、予定価格が少額(約100万円程度)である場合に限り適用される規定もあるため、これについては別途検討が必要でした。
また、一般入札に関しては、一般競争入札が全体の61%、指名入札が24%を占める中、随意契約は約15%存在していました。ここで、さらに戦略的な対応が求められたのが、国会図書館が障害者向けの仕事を発注する際、個々に発注するのは非常に困難であるという点でした。
そのため、社会福祉法人「東京コロニー」など、障害者向け就労支援を行っている団体と連携することになりました。最初は、100万円を超える随意契約ができないという問題がありましたが、優先調達推進法の枠組みを活用し、1500万円までであれば障害者就労施設との随意契約が可能になるように変更しました。
ただし、会計法や予決例は上限がないものの、別の法令により上限が定められていることが判明していました。確かに、1500万円というのは大きな金額ですが、全体で207億円、さらに年間60億円規模の補正予算が組まれている中で、実際に発注される金額がわずか10%程度に留まっているのは問題だと考えます。
理想的には、もっと多く、せめて数億円(10%程度)でもあればよいのではないかと考え、これを打破できないかともう一つの課題として取り組んでいました。
実際、協議を重ねた結果、まずは東京コロニーなどの協力を得て、1500万円までの随意契約が可能になるという結論に至り、その仕事を担当してもらうこととなりました。
その際、東京コロニーからは現場で仕事が順調に進んでいるので見に来てほしいという要請があり、私も赤松さんと共に訪問しました。
訪問先は、東村山にある工場で、ここでは国会図書館の規定に基づき、大切な一品のみの書物をデジタル化する際、その一時保管が適切に行われなければならないとされています。
この一時保管とは、たとえば火災時に書物が燃えないように、また盗難や湿度管理など、厳しい条件が求められるものであり、当初、東京コロニーなどが努力して金庫のような保管施設を整備しました。
さらに、もし火災が発生した場合でも迅速に消火できる仕組みや、湿度・温度管理システムが整備されており、万が一資料が紛失したら大変なことになるため、保管倉庫から資料を持ち出す際にも厳格なルールが設けられています。
そもそも、国会図書館では原本が1冊しか存在しないのはおかしいです。通常、世界の常識では最低でも2冊が保管されるべきであり、実際にそうしている国もありますが、日本では原本が1冊だけの場合、それを貸し出すことで書籍がボロボロになってしまうという問題があります。
現場では、人文、宗教、科学、哲学など様々なジャンルに分かれ、各分野で障害をお持ちの方々の得意分野を活かしてチームが編成されました。OCR処理においても、単に機械的に処理するだけではなく、最終的には人間が目視で確認し、修正を加える必要があります。
実際、OCR機器を稼働させる現場では、裁断機で切断して処理するのではなく、重要な書籍を壊さないように1ページずつ丁寧に開いてOCRを実施し、特に目次部分などは手作業で修正されています。
また、図版など、読み取りが難しい部分については、再度手作業で確認し、再構成する取り組みも行われていました。
そして、私が最後に本当に嬉しかったのは、2022年1月に皆で集まり、非常に強烈な喜びの声を頂いた時でした。
国立国会図書館という公共の財産を、一生残る形でデジタル化するという大切な仕事を成し遂げたことに感謝を頂きました。
さて、障害者優先調達法自体は存在していたのですが、この随意契約の中で、実は話がややこしい点がありました。特例政令というものが改正されなかったため、障害者施設の物品調達に関する取り組みが、簡単に言えば漏れてしまっていたのです。
年表を見ると、関係する法律が多岐にわたっていることがわかります。元々のポイントは、1995年の政府調達協定、すなわちWTOに関連する協定です。WTOは、国内外の差別をしてはいけないという国際ルールを定めています。
つまり、加盟国は国内でも特定の企業や団体に対して特別扱いをしてはならないという前提があります。ただし、WTO加盟国は自国の法律で例外規定を設けることができるとされていました。この例外規定を保証していたのが、当初の特例政令でした。
ところが、この特例政令の改正において、障害者に関する事項が列挙から抜け落ちた可能性があり、その結果、障害者優先調達法で優先的に調達できるとされたにもかかわらず、予決例や特例政令の規定に引っかかり、上限が1500万円に設定されてしまったのです。
これを、我々は頑張って2023年に改正しました。時間はかかりましたが、官邸が閣議に提出するという大変なプロセスを経て、2023年6月27日に閣議決定がなされ、優先調達に関する上限が撤廃され、障害者施設もその対象に含まれることとなりました。
ちなみに、2012年6月27日に障害者優先調達法が制定された翌年、2013年3月29日には予決例が改正され、随意契約の限度額が100万円から撤廃されるはずでした。
しかし、特例政令の改正を忘れられてしまい、1995年12月4日に発行された政府調達協定(GPA)上の1500万円のキャップがそのまま残ってしまっていたのです。つまり、東京コロニーに発注した段階で、1500万円という上限でWTOの規定に引っかかっていたというわけです。
これを、2023年6月の定例会議で閣議決定として盛り込み、特例政令の改正により上限を撤廃することができました。
こうしたプロセスは非常に複雑で、良かれと思っても法律が邪魔をして実現できないことが多々あります。
日本は強固な法治国家であるがゆえに、法律や取り決めを一つ一つ丁寧に改正しなければ、よかれと思っても実現できない現実があります。
私自身は、図書館のOCR事業に多額の予算が投入される中、そのうちの10%ほどを障害者就労支援に充てるよう働きかけました。麻生大臣もこの流れを支持し、予算上も障害者就労支援が進むよう調整されましたが、我々が一生懸命働きかけなければ、役所は面倒がるあまり変更しようとしないのです。
その結果、最近では大規模発注として、1億7000万円までの随意契約が実施され、障害者就労支援に対して大きな予算が投入されるようになりました。これにより、各個人が受け取る賃金も当然上がる可能性が出てきたのです。
また、会計検査院などからの指摘が懸念される中、国立国会図書館の電子情報部や総務部門の皆さんには、大きな英断をしていただきました。このような優先調達の前例ができれば、他の省庁でも同様の取り組みが進むはずです。
障害者優先調達法は国の機関だけでなく、自治体でも取り組むべき法律です。障害者に対しては、適切な資金を配分し、円滑な運用を図ることが求められます。
本来、障害者に対する優先調達法が実務として機能しなければ意味がありません。多くの議員が障害者のために取り組んできたはずなのに、実際の仕事が創出されなければ法律は生きたものとはならないのです。つまり、法律で「できる」と言っても、実際に仕事を創り出し、共に改善していかなければ意味がないのです。
私たちは、この問題解決のために、数々の法律上の障害をひとつひとつ解消しながら、以下の3つの柱をもって取り組んできました。
図書館のデジタル化の推進
全体207億円の予算のうち、最終的には145億円に調整し、国立国会図書館に所蔵される2000年までの書物をしっかりとデジタル化しました。著作権法・図書館法の改正による資料活用の促進
これにより、図書館資料の利活用が進み、デジタルデータとしての価値を高めました。障害者就労支援の推進
OCRなどのデジタル化業務に障害を持つ方々が積極的に参加する仕組みを整備し、彼らが働ける環境と適正な賃金の向上を図りました。
国立国会図書館デジタルシフトとジャパンサーチ
さらに、国立国会図書館におけるデジタルシフトの一環として、私自身が進めている取り組みに「ジャパンサーチ」があります。ジャパンサーチは、経産省と国会図書館が主催し、国のあらゆるデータを国民がアクセスできるインフラ整備の一環として運営されています。
国会図書館が主体となり、充実したデジタルシフト戦略の一部として、図書館のデジタル化に必要な200億円の予算獲得とともに、全体像を示す資料も公開しています。
左側には、様々な人々が図書館資料を利用できる様子、右側には資料のデジタル化や収集、長期保存、デジタルアーカイブといった基盤が示されており、これらの取り組みは私が知財調査会でまとめた提言がそのまま国会図書館の戦略として反映されたものです。
また、内閣府事務局からパブリックコメントが出されている「デジタルアーカイブ戦略2026~2030(仮称)」にも、ぜひご注目いただきたいと思います。
一方、延長上の課題として、メディア芸術センターなどの分野でも議論が進んでおり、これまで議員立法を中心にアーカイブの在り方が論じられていましたが、政治的な駆け引きなどにより一度頓挫してしまったケースもありました。コロナ禍を受け、国の政策として再び仕切り直しが行われ、私自身も公約の一つとして粘り強く取り組んでいます。
ジャパンサーチは、国全体のコンテンツデータ、すなわちメタデータ(目録のようなもの)を収集・連携し、どこにどのようなデータがあるのかを検索できる仕組みです。
検索画面ではサムネイルと説明が表示され、210のデータベースと連携して約2900万件の関連コンテンツが利用可能となっています。提供機関は40機関、データ提供に協力している機関は1200機関にのぼります。
博物館、美術館、地方の施設など、多様な機関がそれぞれ収集している情報を、メタデータとしてリンクし探すことができるのです。私は、国全体の取り組みとして、ジャパンサーチをぜひ活用していただきたいと考えています。
アーカイブを日常にするという方針のもと、私たちは「ジャパンサーチ」の運営や、今後の放送情報の取り扱いなど、コンテンツ消費に関してさまざまな議論を重ねてきました。
以前は、一部で継続が危うかったり、停滞していた時期もありましたが、非常に重要なインフラとして存続させることができました。これからも、もっと積極的に宣伝し、ぜひ多くの方に利用していただきたいと思っています。
ただ、改善すべき点はまだ多く残っています。まず、ジャパンサーチに関してですが、これをヨーロッパの「ヨーロピアナ」やアメリカの同様の検索サイトと比較すると、提供されるデータ件数が少ないという現状があります。
アメリカやヨーロッパでは、アクセス可能なコンテンツについてほぼすべてのメタデータが収集されていますが、日本の場合、全メタデータの約17%しか連携されていません。
メタデータ自体はおおむね確保されているものの、そのメタデータから直接コンテンツへリンクが貼られているのは全体の17%に過ぎず、結果として単なる目録に留まってしまっている状況です。
また、本来、外国の人々にも利用され、日本文化の発信に寄与すべきデータですが、海外向けの英語環境が整っていないため、国際的にはまだ閉鎖的な状態にあると言わざるを得ません。今後、これらの点についても改善が必要だと考えています。
なお、ジャパンサーチの開発運用は実は国会図書館が担っており、一義的には国会議員の立法活動の補佐が重要な役割ですが、国会図書館はこの分野にも積極的に取り組んでおり、山田さんもその辺りを非常に力強く応援してくださっています。
国会図書館への要望
次に、国会図書館への要望についてですが、決算委員会での質疑の中で、漫画のカバーや帯について問題提起を行いました。国会図書館は、コンテンツ自体の収集を主な業務としていますが、実際には書籍の表紙やカバーも非常に重要なコンテンツの一部だと考えています。
これらは、元々管理が大変であったために処分されがちでしたが、デジタル化を進めるのであれば、当然、一緒にアーカイブすることが可能なはずです。今後、カバーや帯については、デジタル化に取り組むよう強く働きかけていきたいと思っています。これがなければ、非常にナンセンスだと感じざるを得ません。
さらに、日本の大学や研究機関では、漫画、アニメ、ゲーム、ライトノベル、映画などの研究が盛んですが、外国の研究者や研究機関はこれらの分野に特に力を入れており、ラノベの研究を行う際、古いラノベのカバーが存在しなければ、十分な研究ができない恐れがあります。
もし、ラノベからカバーが取り除かれてしまった場合、その知的財産や文化的資産としての価値が損なわれる可能性があるため、漫画のカバーに限らず、一般書籍のカバーや帯も非常に重要な資産です。この点についても、今後、関係各界に対して継続的に働きかけていく所存です。
さて、もうひとつの課題として、絶版となっている漫画や商業雑誌なども、本来はネット送信の対象にすべきだという点があります。ただし、漫画や商業雑誌、さらには博士論文等については、取り扱いを留保し、送信しないという運用になっていますが、法律上は可能なはずです。
しかし、実際には、関係者や権利者が、「図書館がネットで配信すると海賊版に近いものではないか」という警戒感から、積極的な対応に踏み切れない状況にあります。
結果として、絶版の書籍は問題なく送信できるのに、なぜ漫画はダメなのか、商業雑誌についても手に入らなくなっている現状があるため、業界全体および権利者を含めて、より柔軟な対応が求められていると感じています。
実際、選挙戦中、赤松さんを山田さんが応援していた際、出版社が出版していない、そして漫画の権利者や漫画家本人が「配信してもいい」と言っているのに、何の問題があるのかという議論がありました。
出版社の意向が依然として強い現状の中で、その解決策のひとつとして「漫画図書館Z」という新たな動きも始まっています。私たちとしては、出版社が出版しなくなった漫画も閲覧できるようにすることが非常に重要だと考えており、国会図書館の絶版資料のネット送信対象化を強く求めていく状況です。
また、電子情報の長期保存についても問題があります。先ほども申し上げたように、CDやレコードなどの保存媒体には寿命があり、特にCDは「一生持つ」と思われがちですが、実際にはプラスチックのため劣化しやすく、約40年が寿命とされ、初期に発売されたCDが、この寿命を迎え劣化が進む状況にあります。
たとえば、国立国会図書館のホームページでは、光ディスク、CD、DVDは10年以上、あるいは20~30年保存できるとされていますが、1982年頃のCDはすでに約40年経過しており、「それでも大丈夫か」というエビデンスが不十分です。
もし劣化が進んでしまったら、聞きたい・見たいと思っても、文化遺産として大事な情報が失われる恐れがあるため、早急にマイグレーション、すなわち保存媒体の更新(焼き直し)が必要だと考えています。
この表現の自由に関する国会質疑編の中でも、国会図書館に関して頑張った取り組みが漫画化されており、ぜひご覧いただきたいと思っています。一般販売はしていませんが、機会があれば同人誌として頒布することも検討しています。
花粉症対策の進捗
さて、おまけ編として、前回花粉症対策についてお話ししましたが、進捗もあり、言いたいことがたくさんあるので、ここではサクッとこの辺りを説明して終わりにしたいと思います。
まず、花粉症対策がどのような状況になっているのか、さまざまな事実が明らかになりましたが、正直、非常にけしからんと感じる点もあります。まずは、初期集中パッケージについてです。
初期集中パッケージとは、何かというと、2023年10月11日の関係閣僚会議において、岸田首相が「花粉症は国の対策として実施すべきだ」と決定し、その上で策定されたものです。
10月11日の関係閣僚会議には、文科大臣の代わりとして私が出席し、ワクチン等の開発に関して文部科学省が実施するというコミットメントを大臣に求めた経緯がありました。こうして初期パッケージが確定していったのですが、この初期パッケージは、政府の政策として総理自らが音頭を取り、力を入れて策定されたものです。
ところが、石破政権になってからは、1月30日に課長級の関係省庁担当連絡会議が開催されました。しかし、その会議で「次回の関係閣僚会議で未定」との回答があり、これでは時間が随分経過してしまったと言わざるを得ません。
私は、石破政権にも速やかに関係閣僚会議を開催し、初期パッケージの実施を決定してほしいと強く望んでいます。また、岸田政権から引き継がれた花粉症対策パッケージは、石破政権としてもしっかり実行してもらいたいと思っています。
さらに、この花粉症対策集中パッケージに関連する予算についてですが、現在予算担当部署に問い合わせたところ、予算の把握ができないという回答を受けました。
閣議で決定された関係閣僚会議の中でも決定された政策に対する予算であるはずですから、内閣官房が中心となって、きちんとまとめるべきだと考えます。関係閣僚会議自体は非常に重要で、政策としては6件、多くても10件はないはずです。
その中で政府が集中政策として決めた重要な案件であるにもかかわらず、予算が把握できないのは大問題であり、やる気がないとしか言えません。石破政権には、これをしっかり実行してもらいたいと思っています。そうでなければ、国民は約束違反だと厳しく見ています。私も与党内で改めて声を上げ、政府に強く迫っていく所存です。
実際、この国における花粉症対策の実態は、連絡会議が年に1回程度、たった1~2時間しか行われないため、実質的に何も対策がされていないのと同じ状態になってしまっています。
とはいえ、文句ばかり言っていても仕方がありません。花粉症対策の一環として舌下免疫療法に関する政策があり、私自身が頑張って、25万人分の薬を50万人分に拡大して確保する取り組みを、政府と連携して実現できるようになりました。
しかし、これまでなぜ舌下免疫療法が普及しなかったのか、安全性が疑問視されたのか、薬が不足していたのか、実施する病院が少なかったのかなどの理由から、こうしたアンケートを私のX(Twitter)で実施しています。
これらの結果を基に、改めて政府に強く働きかけたいと考えています。私自身も、国会図書館の取り組みと同様に、花粉症対策において粘り強く、しつこく政策を推進することが私の取り柄だと自負しております。
お知らせ
2月16日13時半から動画作成講座を実施し、さらに秋原で15時から街宣活動を行う予定です。ぜひ、動画作成講座にご興味がある方はお申し込みいただき、街宣活動にも近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
先週・今週の動き
サイバーセキュリティに関する議論やAI法に関する話など、さまざまな動きを行ってきましたが、その中で特に大きなもののひとつが、MANGA議連です。MANGA議連は、1月30日に衆議院第1議員会館で開催されました。
参加者は庵野監督、ちばてつや先生、森川ジョージ先生、里中満智子先生など、名だたる方々で、表現の自由のために共に戦っていただいた結果、盛大な議連の会となりました。
最初のスタート時は参加者が少なく小さな部屋で行われたのに対し、今回は総勢200人以上、あるいは300人近くが参加し、マスコミも取材に来る大規模な会となりました。これは、漫画、アニメ、ゲームが非常に重要な分野であるという象徴的な意味もあると感じています。
次に、心身障害総合医療育成センター、いわゆる療育センターについても触れておきます。板橋にあるこの施設は、主に障害をお持ちの方やその子供たちを対象としており、障害を持ったまま政治家になった方も利用されています。
長期利用される方もいれば、デイリーで通われる方もおり、さまざまな治療や支援が行われています。障害を持つ方々にとっては非常に特別な場所であり、今回、私はその現場をしっかりと視察してきました。
施設自体は非常に重要ですが、老朽化やエアコンの問題など、多くの課題があることも明らかになりました。この点についても、私自身が障害者政策をしっかり支えていかなければならないと考えています。
今回のまとめ
以上、いかがでしたでしょうか? 図書館の予算確保は本当に大変でしたが、たった1人でも声を上げ、粘り強く取り組めばデジタル化は実現できるということを証明したかったのです。
皆口では賛成と言うものの、実際は非常に大変で、エネルギーを大量に消費します。ヘロヘロになりながらも説得を重ね、様々な法律の改正に2年越しで取り組んできたのです。同様に、花粉症対策も進めていますし、表現の自由はもちろん私のメインの仕事として取り組んでいます。
これまで様々なことに取り組んできましたが、私自身の実績というよりも、せっかくデジタル化を進める中で、障害者の方々にも参画していただいて実現していること、そして国立国会図書館も応援していただき、皆さんに多くの資料を利活用していただければと思います。
今回の番組のきっかけはTwitter(X)の投稿でした。山田太郎が本当に主導したかどうかは評価の問題ですが、その事実は十分にお伝えできたのではないかと思います。本当に効果があったかどうかは、皆さんが図書館をご利用いただければ分かるでしょう。
かつては当たり前のようにデジタル化されていたと思われがちですが、実は2019年当初はそのような状況ではなかったということも、ぜひ知っていただければ幸いです。
ということで、今日はこれくらいにしたいと思います。どうもありがとうございました。

