――――― 新宝月一座・旅回り公演 第一弾 ――――――――



『 サラン・愛 ~愛の無窮花~ 』





李氏朝鮮の時代。
 竜雲(りか)は文武両道に秀で、文官を志し、将来を嘱望されている青年であった。
恋に恋する美人さんであったが、『部屋で待っている』よーな世話焼きの臣下・世煥(ゆうひ)のガードは固く無窮花を見ては溜め息の毎日である。
 そんなある日、無窮花の咲く庭で淑英と出会う。やることもやらない『清い恋愛』を主張しつづける竜雲に、世煥も大目に見てやることにした。お陰で部屋で何が楽しいのか、翼元と二人で竜雲の清らか極まりないの話を聞きつづけるのが日課となってしまう。
 ある日、侵略者が朝鮮半島に侵入し戦争が始まった。淑英に別れを告げに行く竜雲のいでたちはゾクもかくやと思われるるよーな、デーハ以外の実用性は全く見られないものであった。ここで気を変えられては一大事とストーカーのようについて行った世煥。止めようとする淑英をさりげなくインターセプトし、目出度く竜雲は世煥とともに(←ココがポイント)戦地へ向かうこととなる。
 
竜雲らの奮闘も虚しく、北の地は侵略者の手に落ち、竜雲は捕らわれの身となる。引き連れられてくる竜雲の余りのたおやかな美しさに、一目で
恋におちた若者がいやがった(←それどころではないはず)。言わずと知れた、君正(たに)である。さりげにぶつかってみたりしてあたっくを試みるも、「清い心でいたいものです」竜雲は一向に気もつかない。
 しかし竜雲は、朝鮮の捕虜の女・蘭影と共に、彼らと同じように捕まった兵士等による謀反を計画し、故郷に帰る機会を窺がう事にする。しかし何といっても『清い心教』のみなさま、堂々と中庭で集い合うわ、歌を歌い出すわで、ぜって~無理と読んだ君正は一足先に逃走して、いつの日か竜雲を救い出すことを爽やかに誓う。
 そして、やはり食うに困った君正はいつのまにやら滅茶苦茶麗しい盗賊さんとなり旅先の淑英と出会う。「恋人」つーのがいささか気にはなったので、心変わりさせようと試みるも、『清い心教』の淑英はびくともしない挙句、雪の降る中でわざわざうたた寝までする(←死ぬで)呑気者であった。とはいえ、竜雲を助けに戻るのにとても良い口実でもあるので、北の地に連れて行く約束をして、♪まことの愛♪を熱唱する。対象は勿論、、である。
 
 竜雲らは謀反を決行するも、あれだけ派手に活動すれば当然のこと、事前に計画はダダ洩れである。「俺も李氏朝鮮の人間だ・・(ヘンな間合)・・・ハー―――ッ!」「俺はお前が羨ましい・・(ヘンな間合)・・・ダ――――ッ!」等のとても妙な気合をかける敵の副将の景利(腰リュウ)などと散々戦うも、旗色最悪である。
 そこへ、天使のように君正が飛びこんでくる。敵か見方かも未だわからない筈なのに、彼の「丘に行けえ――!!」を安易に信じた挙句、未だ戦っているであろう世煥の存在を忘れきったように、走る竜雲。「いいオトコだぁ。あいつなら(俺が恋に落ちても)仕方が無い・・・」などと、マジな戦いのまっ最中に、ウットリにやける君正。竜雲を探して乱入してきた世煥と共に、血を流すことなく戦う・・・・ので、生き延びたに違いない。






(【第十九場 再会】より、以下抜粋)



丘についた竜雲の見たものは、雪が降るほどの季節でもなぜか満開。
たしか朝に咲き夜に散るのが売り物のはずの無窮花の木であった。
『清らか』な彼のことである。花の理不尽さなどには気がつかず、そっと手を伸ばす。


「折ったら花が、可哀相だ。」
追ってきた影が呟く。 ←【戦場は適当に抜け出した(卑劣)】
「君正・・・・・」 

満開の花の元、儚げなほど壮絶に美しい竜雲が振り向き、君正の笑みが消えた。
「竜雲さまっ!! 」 
思わず駆けより、募った思いを上目で告る。
「サッ・・・サランヘヨッ!!」 
潤む黒曜石の上目、少女のようにあどけなく、それでいて艶めかしい赤い口唇。
竜雲は、今初めて『清く』ない衝動を覚えた自分に気が付く。 ←【やっと年相応】
思わず頬を両手で包み込む。 ←【行動は早い】

「夢ではないのか。」 ←【いや、それどころじゃ・・・】
「夢では御座いません。」 ←【・・・だから・・・・それどころ・・・】
君正の眸が、花を映して煌くようにこちらを見る。
「どうしてもあなたにお会いしたくてこうして抜けて参りました」 ←【世煥は置いてきた】
「辛かっただろう。」 ←【・・・だから・・世煥・・・・】
「いいえ、お会いできたのですもの」 ←【すでに二人ワアルド突入】
「君正。」

赤い口唇に誘われるように、君正に顔を寄せる。
竜雲、初めてのディープキスである。


【《主題歌・まことの愛》←お二人で絶唱していただく】

 ♪俺ははじめて~まことの愛を~知った~のだろうか
 この男の姿に、やがてとまど~いを~消して~ゆううう~き
 この俺の心にい~愛のともし火をォ~点すのお~おか。
 離したくない~離したくない~俺の心ぉ~の中からぁ~~♪

←【参考:やまと爆裂歌唱】


突き上げる愛おしさに、思わず腕を回し抱き締める。
喜びに打ち震え、眸を閉じる君正は無窮花のようで。
思わず花を一輪、耳元に飾ってやる。
嬉しげに、小首を傾げる君正はまるで薫子(?)のように、無垢な微笑を零す。


「何て、可愛らしいんだ・・・・・・・君正。」 ←【本気】
「これから、ずっと一緒に・・・?」 ←【今の内言質をとってしまう、卑劣2】
「ああ、ずっと・・一緒だ」←【後先、考えてない】
「竜雲さま、綺麗な花・・」
「君正、おまえの好きな花を、花を、見に行こう。」



そして二人は火の手の上がる北の地を背に、手に手を取り合い、
何処へともなく旅立った。




―――――――――――― 終わるったら、終わる。













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