SNS名誉毀損:実刑となった5つの事例と傾向(顧問弁護士監修・たぶん)
「ネットで書いただけで、まさか刑務所に?」
──そう思う方も多いかもしれません。ですが、その“まさか”はすでに現実です。
本記事では、SNS上の名誉毀損や業務妨害行為により、実際に「実刑判決(=執行猶予なし)」が下された判例・事例を5つ紹介しながら、**現代における「ネット犯罪の実刑ライン」**について見ていきます。
◆ ケース1:Twitterでの組織的な人格攻撃(懲役1年 実刑)
ある匿名アカウントが、企業の代表者に対し「反社会的勢力との繋がりがある」「詐欺師」といった虚偽の情報を、複数のアカウントから執拗に投稿。さらに画像を加工して拡散し、業務にも重大な影響を与えた。
❌ 示談不成立
❌ 匿名性に隠れ、反省なし
❌ 計画的かつ継続的
→ **懲役1年の実刑(執行猶予なし)**が下された。
◆ ケース2:YouTubeでの動画中傷(懲役10か月 実刑)
特定の配信者に対し、動画で繰り返し中傷や人格否定発言を行ったYouTuber。動画の再生数は数万回に達し、企業案件の打ち切りや炎上騒動も発生。
❌ 動画は収益化されていた=悪質性が高い
❌ 被害者の生活や信用に深刻な損害
✅ 初犯だが社会的制裁が軽微と判断
→ 懲役10か月 実刑に。
◆ ケース3:職場への虚偽通報DM(懲役8か月 実刑)
SNSでの個人的なトラブルの腹いせに、相手の勤務先に虚偽の情報(不倫、パワハラなど)をDMや匿名投稿で複数回送信。これにより相手は降格処分に。
❌ 意図的な業務妨害
❌ 実名・連絡先・勤務先などを晒す手口
❌ 示談交渉を拒否
→ 懲役8か月 実刑判決。
◆ ケース4:noteでの実名攻撃と画像転載(懲役6か月 実刑)
有料記事内で、特定人物のSNSログやプライベート写真を無断転載・改変し、人格攻撃を展開。対象者は精神的ショックで通院、note社にも削除依頼が殺到。
❌ 著作権・プライバシー侵害も認定
❌ 有料公開による営利性
❌ 実名・顔写真付きで中傷
→ 懲役6か月 実刑。情状酌量の余地なし。
◆ ケース5:複数アカウントでの“集団私刑”(懲役1年2か月 実刑)
いわゆる“ネット私刑”。匿名掲示板やSNSで、仲間とともに特定個人の過去や容姿、私生活を晒し、攻撃をエスカレートさせていった事例。投稿数は300件以上。
❌ 組織的・扇動的な行動
❌ 被害者の引越・転職・通院が必要なレベル
❌ 再犯の可能性高し
→ 懲役1年2か月の実刑が言い渡された。
◆ 実刑の傾向:共通点と境界線
以上の5つの事例から見える、「実刑ライン」の傾向は以下の通りです:
✅ 実刑が科されやすい要素
継続的・反復的な投稿
組織的・複数アカウントによる攻撃
実名・顔出し・職場などの特定と晒し
営利目的(広告収入・有料記事等)
示談不成立・反省なし・逃亡懸念
✅ 執行猶予がつく可能性のある要素
初犯で、反省が深く示談成立
投稿数が少数で、明確な謝罪がある
被害規模が軽微と評価された場合
◆ 結論:匿名でも、責任は消えない
「どうせバレないと思った」「軽い気持ちだった」
──そうした言葉は、裁判では一切通用しません。
実刑は、決して“重罪だけの世界”ではなくなりました。SNS上の名誉毀損・業務妨害は、いまや刑務所と隣り合わせの行為です。
表現の自由は、責任の上に成り立っている。
それを忘れたとき、ネットは“発言の場”ではなく“戦場”になります。



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