沖縄県石垣市長、不信任可決「真摯に受け止める」 虚偽答弁の担当課長に「噓はだめだ」
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18日の沖縄県石垣市議会で不信任決議が可決されたことを受け、中山義隆市長は19日朝、産経新聞の取材に応じ、「事務的なミスと、専決処分の議案に日付のさかのぼりがあった。改竄(かいざん)といわれれば改竄だ」と認め、「批判を真摯(しんし)に受け止める」と語った。中山市長は10日以内に議会を解散しなければ失職するが、議会の解散は「筋が通らない」としており、出直し市長選となる公算が大きい。 中山市長によると、令和6年度国民健康保険事業特別会計決算の赤字を7年度の予算で赤字を補塡(ほてん)するため、専決処分での補正予算案を議会に提出していた。5月30日までに赤字の補塡をしなければならないが、市の担当者が気づいておらず、期限を過ぎた6月2日になってミスが発覚した。 その際、期限内に手続きが済んだように見せるため、日付をさかのぼって5月30日とし、市幹部や中山市長も押印していた。さらに市の担当課長はつじつまを合わせるため、市議会の経済民生委員会で「5月30日に、祭りの会場で市長に印を押してもらった」と虚偽の答弁もしていたという。 中山市長は「それは噓なので『噓はだめだ』と言った。私は印鑑は押していないので、今回の市長の決裁は取り消し、議会に提出した専決の承認の議案を撤回するように指示を出した」と明かし、「承認を取り下げ、補正予算を組もうと思っていた」と語った。 中山市長は平成22年2月の市長選で初当選し、現在4期目。市の行政区域にある尖閣諸島の問題にも前向きに取り組んできたことで知られる。昨年4月には、尖閣諸島の周辺海域を調査する同市の海洋調査船に乗船し、上陸調査に向け「沖縄県も国に対しサポートしてほしい」と訴えていた。(大竹直樹)