今回は、ちょっと複雑な計算問題にチャレンジしてみましょう。
とはいえ、この問題、計算自体はそんなに難しくありません。
慎重になってほしいのは、どの順にしていくか、という点です。
問題
次の計算をしなさい。
1^2+4÷2^2
※1の2乗のような累乗は「1^2」と表しています。
この問題には「^」、そして足し算、割り算が含まれていますが…。どのような順で計算したらよいでしょうか。
解答
正解は、「2」です。
なんだか式がごちゃごちゃしていて、計算しづらかったと感じたかもしれませんね。
今回のように複数の演算が混じっている式はどうやって計算したらよいのか、次の「ポイント」で確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「累乗と割り算の優先順序」です。
累乗とは、同じ数を何個か掛ける計算のことです。この式でいえば、「1^2」と「2^2」が累乗にあたります。
1^2+4÷2^2
「^」の左にある数は掛ける数です。「^」の右にある数は掛ける個数を表します。このような数は指数と呼ばれ、本来は掛ける数の右上に小さく書きますが、本問のように「^」を使って表されることもあります。
つまり「1^2」は1を2個掛ける計算、つまり「1×1」のことです。同じく、「2^2」は2を2個掛ける計算なので、「2×2」です。
今回ポイントとなるのは、この累乗と割り算、どちらを先に計算するかということです。
計算には「掛け算・割り算は、足し算・引き算より先にする」というルールがありました。
しかし、「累乗は掛け算なんだから、次のように計算すればいいのでは?」と思った人は、残念ながら間違った答えを出してしまうでしょう。
1^2+4÷2^2
=1×1+4÷2×2 ←まずは掛け算1×1をする
=1+4÷2×2 ←次に割り算4÷2をする
=1+2×2 ←次に掛け算2×2をする
=1+4
=5 ←2にならない
もしこの問題が最初から「1×1+4÷2×2」の形をしていれば、この計算過程で問題ありません。しかし、実は、累乗と累乗ではない掛け算では、計算順序に違いがあるのです。
次のルールの2と3を見てください。累乗は掛け算や割り算よりも優先順序が高いことが分かります。
<計算順序のルール>
次の順序で計算します。
1.( )の中
2.累乗
3.掛け算・割り算
4.足し算・引き算
※同じ優先順位の計算がある場合は、左から計算します。
よって、正しい計算過程は次のようになります。
1^2+4÷2^2 ←1^2と2^2を先に計算する
=1+4÷4 ←次に割り算4÷4を計算する
=1+1
=2
まずは先に「1^2(1×1)」と「2^2(2×2)」を計算します。すると式は二行目のとおり、足し算と割り算のみになります。あとは割り算→足し算の順に計算すれば正解の「2」が算出できます。
まとめ
今回の問題、「1×1」や「2×2」など、計算ごとの難易度は低かったはずです。ただし、累乗の意味が分かっていなかったり、累乗の計算順序を間違えたりすれば、誤答してしまうでしょう。
累乗は同じ数どうしの掛け算の省略形ではありますが、累乗でない掛け算よりも優先度が高いことには気を付けなくてはなりません。
複数の演算の中で累乗を掛け算に直す場合は、特に計算順序を間違えないよう注意しましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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