生け花の奇数偶数と、対称非対称について
まず花数の奇数、偶数についてお話します。生け花では3本、5本など奇数で扱うのが普通で、偶数は避けられます。奇数は割り切れないということから発展性を含んでいるということとアンバランスが動きを出すということから好まれるのです。それは慶弔に関する一般的なことでも同じです。割り切れておしまい、という仏事のお包みの意味合いでもあります。二、はお祝いでも「ダブル」ということで例外的にも使われています。
対称、非対称でも同じことが言えます。仏事の供花以外に左右対称(シンメトリー)の生け花作品は無いのです。フラワーアレンジメントのテーブル花では左右対称で裾広がりにきれいな花が飾られていることが多いのですが、作品として鑑賞というよりはセレモニーを盛り上げるムードメーカー的なものと私は捉えています。例えば生け花作品でお祝いテーブルの四方花を置くと、左右非対称です。また、どこから見てもほぼ公平なアレンジメントの花と違い、角度方向で姿が違います。日本文化では元々、視点を変えると風景が変わる趣を楽しむことが常です。それは一人の人であっても、一つの国であっても、自然の景観であっても同じであり、そのあらゆる視点での良さを発見します。それは人生そのものにも通じることです。
「わー、こんな一面があったんだー」とういう発見は衝撃ものもあるでしょうけど、感動ものも多いと思います。「アラ」を見つけるのでなく自分が「ハッとするところ」を感じとりましょう。作品は四方花でなく普通は後ろが壁であったりの三方花が多いのですが、生け花をする人は遠目で拝見して近寄り、左右、さらには後ろまでのぞき込みます。それは「アラ」探しでなく行き届いている気遣い、技術を学ぶためとも言えます。新装開店でも後ろはわびしいボロ家が、ということはなく必ず四方からの視線を意識して押さえている作品には脱帽です。自然の形態も、人の言動も、生け花作品も、視点を変えながらよく観察して「意識して」自分の感動を確認することは何かのステップアップにきっと役に立ちます。
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