東京在住の女性Ｋ様から「自分の中だけで会話をすることに疲れました。坂爪さんと話をしたいです」とご連絡をいただいた。私の正しい使い方である。ここ５年間くらい、心の底から元気だったことがない気がする。楽しい予定がある日はそれなりにすっきりするし元気になるのだが、それ以外は常にモヤモヤしてて身体が重い。内側に衝動やエネルギーみたいなものがあるのに、それをどこにも出せなくて苦しくなっている。自分を持て余しているのが悔しい。重くてじめじめしたのを吹き飛ばして、軽く、元気になりたい。そのためにまず何もかもを話したいと思った。一人で喋っててもダメだった。坂爪さん、相手をしていただけませんか。Ｋ様は、そのようなことを言った。

Ｋ様は言った。お金を払ってカウンセラーに話を聞いてもらったこともある。だけど、毎回「話したいのはこのことじゃない！！」ってなる。カウンセラーの人たちは優しい言葉をかけてくれるけど、欲しい言葉はそれじゃない。最近、坂爪さんのことを知って衝撃を受けた。この人の前では隠してもバレると思った。こう言う言葉が聞きたかった。私もめちゃめちゃに言われたいと思った。周囲の人からは「可愛いね」とか「癒される」とか「お嫁さんにしたい」とか言われるけど、本当の私はそんなんじゃない。頭の中では酷いことを考えている。Ｋ様は、そのようなことを言った。

結論から言うと「奪いなさい」と思った。うまくやるとか、ちゃんとやるとか、正解的なことをやろうとするのではなくて、極悪人になりなさい。泥棒猫になりなさい。女戦士になりなさい。お嫁さんにしたいなんて、あなたは舐められている。真の教えは、学ぶとか、真似するとかじゃない。奪うのだ。奪わなきゃダメ。略奪愛こそ真の愛。誰かのものを奪って、自分のものにする。そうでなければ、単なる頭でっかちの物知りで終わる。いい子と言われたら要注意。それは褒め言葉ではない。お前はつまらないと言われているのだ。いい子になることで、いい子にさせられたことで、あなたは奪われて来たのだ。憎しみを墓まで持っていくな。死んだ人間の前では素直になれるとか思うな。思いの全部を、生きた人間にぶつけろ。

手始めに、仕事をクビになるようなことを言ってみよう。何を言ったらいいのかわからない時は、どうでもいいと思っているから。どうでもいいことには「どうでもいい」と言ってクビになろう。クビになってからが本番。もしかしたらクビにならないかもしれない。君のような逸材が欲しかったと、上の部署に配属されるかもしれない。これを言ったら終わると思っていることを言っても、案外、終わることは少ない。そこからネクストステージが展開する。ナチュラルに諦めていたことを、どんどんやろう。言っちゃいけないことを言おう。やっちゃいけないことをやろう。あなたに足りないものは「お前を殺して俺も死ぬ」というテロリストの精神である。日記に書くな。目の前の人間のおでこに書け。頸動脈を噛み切るのだ。

生き延びることをやるのではなく、死ぬことをやろう。死に支度を済ませよう。死に支度を済ませた人間から、イキイキとする。怖いと思った時は「死ねばいいじゃない」と自分に言おう。自分に死ねばいいじゃないと言える人から、他人にも死ねばいいじゃないと言えるようになる。死ねばいいじゃないと言われると、不思議なことに、イキイキとする。死に支度を終えるとピンピンする。新鮮な気持ちで「よし、人生を謳歌しよう」となる。俺を話し相手に選んだあなたにはセンスがある。そのセンスがある限り大丈夫。欲しいものは奪え。奪われる前に奪え。お嫁さんにしたいだなんてゴミだ。奴隷になるな。主人になれ。飼い猫になるな。泥棒猫になれ。男一匹、今日も行く。