【ノーサイドの精神】〝南半球最高峰〟のスーパーラグビー(SR)パシフィックは、いよいよ6月21日に決勝を迎える。レギュラーシーズン(RS)1位のチーフスと、同2位のクルセーダーズ(ともにニュージーランド=NZ)が、クルセーダーズのホームのクライストチャーチ・アポロプロジェクツスタジアムで激突する。
「あれ?」と思った人はSRに詳しい。決勝会場は本来、RSの順位が上のチームの本拠となるのが恒例。しかし、今年のレギュレーションはちょっと変則的だった。
11チーム中RS6位までがプレーオフ(PO)に進出する。準々決勝はRS1位-6位、2位-5位、3位-4位の顔合わせで行い、勝者が準決勝に進む。残る1チームは敗者3チームの中から抽選で決める。
それにのっとって、クルセーダーズは5位のレッズを破り、3位のブランビーズは4位のハリケーンズに勝って準決勝に進んだ。だが、1位のチーフスが6位のブルーズによもやの黒星(といってもブルーズだって前年のチャンピオンなのだ)を喫した。何とか抽選で出場権を得る〝ラッキールーザー〟として、準決勝に進んだのだ。そしてチーフスが準々決勝で敗れたことで、シード順がクルセーダーズ1位、チーフス2位となった。そのために、決勝会場はクライストチャーチで行われるのである。
この「抽選」について特に日本のファンには疑問の声や違和感が多いようだ。もしチーフスが抽選に外れていたら、昨年のハリケーンズに続きRS1位が決勝にいない事態となるところだった。「RSで1位になるメリットがないではないか」ということだ。
代替措置をいろいろ考えてみた。まず、準々決勝で負けたチームのうちRSの順位が一番上のチームが準決勝に進むとしたら。これだとRS1位のチームは何があっても準決勝に進むことになる。負けても進めるのなら、準々決勝でメンバーを落として準決勝以降に備えることができ、公平性に欠ける。
RS1位は準決勝シード、2位から7位が準々決勝を行い残る3チームを決めるとしたら。そこそこ悪くはなさそうだが、11チーム中7チームがPOに進めるなら、エリミネーションの意味が薄れるという声が上がりそうだ。
日本のリーグワンは今季からPO進出が6チームとなり、RS3位-6位、4位-5位で準々決勝、1位と2位が準決勝シードというレギュレーションだった。1、2位が準決勝前に休養週が入るという不公平感があったが、来季からそれも是正されるということだ。
ともあれ、SRはRS1位と2位による頂上決戦となった。RSではチーフスがクルセーダーズに2戦全勝しているが、ともに11勝3敗と星勘定は同じ。レフェリーは南半球NO・1、いや、今や世界NO・1といえるアンガス・ガードナー氏(オーストラリア)が務める。(田中浩)