「臭いものにフタ」では、自分の首を絞めるだけ

そもそも、今回の「ナスD」の不祥事は、なぜバレたのか。

同社では、2021年、東京五輪番組スタッフが、緊急事態宣言下で、東京都の要請や、同社内のルールを破り、飲食店で深夜から未明にかけて飲酒を伴う宴会を開き、うち1人が店の外に転落し負傷、緊急搬送された。

救急車の出動、さらには警察への通報があったため、今回とは異なり、バレるのは時間の問題だった。

そのトラブルについては、迅速かつ念入りに調査がおこなわれ、細かく公表しているのに、今回は、あまりにもあっさりしているのは、なぜなのか。

横領や詐欺での刑事告発には至っていない。それなのに、わざわざこの時期に自社で調査し、処分を下し、あきらかにしたのは、なぜなのか。

もちろん、それだけテレビ朝日のガバナンスが機能している証拠なのかもしれない。けれども、今年1月のフジテレビ問題以降の、テレビ業界全体への厳しい視線を意識した予防的措置だった可能性を疑わずにはいられない。

テレビ朝日本社ビル
テレビ朝日本社(写真=スイカズモ/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

臭いものには蓋、とばかりに、名物社員の冠番組を打ち切ったとして、根本的な解決にはならない。ひとりの秀でたクリエーターを失った上に、官僚主義・ことなかれ主義を強め、自分で自分の首を絞めるだけである。

業界そのものが根こそぎ変わらないかぎり、もう「ナスD」は出てこないし、テレビ離れが進むほかない。

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