第6回断った性接待、「後悔してない」 元「女子アナ」が語る脆弱な立場

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伊木緑 黒田早織
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 「脆弱(ぜいじゃく)な立場」だった――。元タレントの中居正広氏とフジテレビのアナウンサーだった女性とのトラブルに端を発した問題で、第三者委員会の調査報告書は「業務の延長線上」の性暴力と認定したうえで、女性アナウンサーの置かれた立場をこう記した。自身に重ねて報告書を読んだのは、フジテレビの女性アナウンサーだけではない。

 「報告書を読んで苦しくなった。自分の時と同じだ、と」

 キー局のアナウンサーだった30代の女性は、入社2年目の出来事を思い出す。

 不定期で出演していた、ある深夜のバラエティー番組。収録のたびに打ち上げがあり、出演者の有名男性タレントの隣に座らされた。プロデューサーらから「触られてこい」と促され、腰に手を回されたりハグされたりするのは毎度のこと。帰り際、スタッフらからタレントと同じタクシーに乗せられそうになるのをいつも必死にかわしていた。

性被害から身を守っただけなのに

 最終回の日も別々のタクシーに乗ったが、家に着く前に、男性タレントからメールが届いた。

 「いまどこ? 家どこ? い…

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この記事を書いた人
伊木緑
東京社会部
専門・関心分野
ジェンダー、メディア、スポーツ
黒田早織
東京社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、在日外国人、ジェンダー、精神医療・ケア
フジテレビ問題

フジテレビ問題

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