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生田衣梨奈モーニング娘。卒業記念! つんく♂と超ロング対談

2025年7月8日にモーニング娘。'25を卒業する、生田衣梨奈さんとの対談が実現しました。2011年にモーニング娘。の9期メンバーとして加入後、リーダーに就任した生田さん。約14年半の活動を振り返りつつ、メンバーの印象や今後の夢についてつんく♂と語り合います。全文無料です。つんく♂の対談後記はこちら。
<文 伊藤美咲 / 編集 小沢あや(ピース) /撮影 YOSHIHITO KOBA

モーニング娘。史上最長! 14年半在籍

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つんく♂:ついに生田も卒業するんやね。いつ?

生田:7月8日です。誕生日に合わせて卒業したいと思って、次の日にしました。

つんく♂:結局、何年いたことになるの?

生田:約14年半です。

つんく♂:もしかして歴代最長かな?

生田:今のところ最長です。14年半って、やばいですよね。

つんく♂:すごいね。その間、楽しかった?

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生田:楽しかったです。でも、モーニング娘。に入った当初は、1〜2年で辞めると思っていました。「プラチナ期」と言われていた世代のお姉さんたちのところに、中学生が入るのは本当にキツくて。それなのに、14年半いました。

つんく♂:いつから「続けていこう」と思うようになったの?

生田:9期のふたり(鞘師里保、鈴木香音)が卒業して、譜久村(聖)と私が一番上になったタイミングです。その前から譜久村とふたりでいることは多かったけど、その頃からちゃんと仕事の話もするようになって、「楽しいな」と思い始めました。

つんく♂:楽曲で言うと、どれくらいのときやろ?

生田:加入から5、6年くらいが過ぎた頃で、シングルだと「Tokyoという片隅」あたりの時期です。鈴木が卒業するかしないか、くらいのときですね。

つんく♂:同期の鞘師や鈴木が抜けるときは、どんな気持ちやった?

生田:どっちも先に「卒業するかも」とは聞いていたので、心の準備期間はあったんです。ただ、鞘師が抜けるとモーニング娘。の雰囲気が変わるだろうと思っていたので、そこをどうやって補っていくか、残った9期の3人で結構話し合った記憶があります。

つんく♂:へ〜、そのとき、9期以外とは喋らなかったの?

生田:そうですね。9期10期が揃っていたときはみんなで話してましたけど、メンバーが減ると、9期で固まることの方が多かったですね。

つんく♂:その後に譜久村が卒業して、9期がひとりになったときの心境は?

生田:最初は「ひとりになっちゃうわ〜」って感じでした。でも、いざひとりになってみると、後輩と話す機会が増えたし、自分が思ってる以上に周りが見えるようになりました。「この子、ちょっと調子悪いのかな」とか「最近この子、いいな」とか、見えてくるようになって。視野がさらに広がったと思います。

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つんく♂:ほんまかいな〜(笑)。リーダーとしても1年半やってたけど、どう? 大変?

生田:私が思ってる以上に、周りの方からの意見をたくさんいただけますね。自分がまとめるというより、みんなが先頭を走って、自分は最後尾から「後ろを向いている子がいないかな?」と確認するテンションでリーダーをやらせてもらっています。「今までの雰囲気とは全然違うだろうな」と思ったけど、時代のニーズには合ってるかなと。後輩たちを「行っておいで」って送り出す側のほうが私には向いてるし、時代にも合ってるのかなと思います。

つんく♂:リーダーとしては、楽しめてる?

生田: 楽しいです。 最初、リーダーをやるなら「任されたいな」と思ったんです。 だから、会社の人には「いろんな人の意見を聞いた上で、誰に任せたいかを決めてほしい」と伝えました。その上で選んでもらったからには、期待に応えたい。リーダーをやる上で大変なこともあるけど、「リーダーやったら?」と後押ししてくださった先輩もいましたし、素敵な経験になったなと思います。 

もし、モーニング娘。に入っていなかったとしたら?

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つんく♂:13歳でモーニング娘。に入って、今27歳か。

生田:周りのファンも、ちゃんと年を取って大きくなっています(笑)。

つんく♂:中学生や高校生の間もずっとモーニング娘。だったわけやけど、もし加入していなかったら、どんな学生時代だったと思う?

生田:「絶対に芸能人になってやる」という気持ちがめちゃくちゃ強くあったので、中学生か高校生で東京には出てきていたと思います。

つんく♂:どんなタレントを目指していたの?

生田:もともとは「スザンヌさんみたいなタレントになりたい!」という気持ちがあって。バラエティ番組に出たり雑誌でモデルをする姿を見て、こういう人になりたいなと思っていました。

つんく♂:学校の勉強は?

生田:学校の勉強もちゃんとやってましたよ! 私、案外成績いいので。

つんく♂:東京の学校に転校してきてからはどうやった?

生田:中学校のときは、結構イキってました(笑)。自分がモーニング娘。 であるというより、ひとりの女の子として「私、どう?」みたいな。普通の人からしたら絡みづらい中学生だったと思います。

つんく♂:例えばどんな感じ?

生田:休み時間は絶対にベンチを占領したりとか。 教室に入ってくるのもギリギリ。 でも、寝坊や遅刻は1回もしたことなくて。ちゃんとルールを守れる中高生ではありました。私はルールに縛られてる方が動きやすいし、それを仕事にも活かせる性格で。仕事の連絡がめちゃくちゃ速いから「仕事ができる人だね」とよく言ってもらえます。

つんく♂:じゃあ、何でKYと言われてたんやろ?

生田:なんでですかね!? でも、本当に空気が読めない子にはKYって言えないと思うんですよね。 だから、私ならKYをちゃんと面白くできると思って、先輩がそういうキャラクターにしてくれたのかなと思っています。

つんく♂:まじで!? でもまあ、確かに生田と話してて、「会話が成立してないな」って思ったことはないっちゃぁ〜ない、か。

生田:本当ですか? やったあ。イェーイ。

つんく♂:だからこそ、生田がKYって空気になったのは面白い。いじってもらえる余力があったということなんやろうな。

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生田:そうですね。でも昔、道重さんにいじられて泣いちゃったことがあって。今考えるとそれは違ったなって理解できるけど、当時は中学生だったから、そこまで頭が回らなくて。いじってもらえるってすごくチャンスになるのに、ちゃんと活かせなかったんです。

つんく♂:バラエティタレントを目指してたのに?

生田:そうなんですよ(笑)!

つんく♂:できてないやん。

生田:できてなかったですね。でもその後は、自分でキャラクターを必死に見つけて、それをちゃんと大事にするようになりました。

つんく♂:一時期、ギャル化の宣言してたけど、あれはなんやったの?

生田:ギャルに憧れてましたね。 私には結構、迷走時期があって。なりたい姿が2〜3年ごとに変わるんですよね。 

つんく♂:ギャルにはなれたの?

生田:つんく♂さんは私がギャルになれなかったみたいな言い方をしますけど(笑)、当時のファンの方からは「ギャルっぽい」って言われることが多かったです。それこそ「原色GAL 派手に行くべ!」(後藤真希の楽曲)を歌ったら、めっちゃ似合うと評判でしたよ。

つんく♂:私服もギャルっぽくなったの?

生田:そうです、原色の服を着てました。 私はその時の自分のなりたいものに合わせていくようにしているので、最近は27歳らしい格好や発言をしていきたいなと思っています。

つんく♂:ということは、ギャルは卒業したの?

生田:ギャルは卒業しました。

つんく♂:じゃあ27歳ってどんなイメージ? 世間では、社会人になって4〜5年目くらいか。

生田:地元(福岡)の友達は結婚して子どもがいる子も多いですね。今、自分が27歳の時点で、現役アイドルをさせてもらえてることが普通ではないんだなと思います。一般的な27歳は、世間にもまれて楽しいことも大変なことも知った年代かなと。友達の中には転職を考えてる人もいますね。

つんく♂:地元の友達とか、そういう時期なんかもね〜。生田の今後のビジョンはどうなの?

生田:私は、親が30歳の時の子どもなんです。だからモーニング娘。に入るまでは、その年齢で結婚と出産を考えていました。今の気持ちとしては、35歳ぐらいまでに結婚していたいです。リアル(笑)。

つんく♂:実際、田中(れいな)とかを含めて、今みんなママになってるわけやん。そういう先輩たちを見てどう?

生田:ご家庭を持っている方は本当に全員すごいと思います。他人と共存するって難しいなって(笑)。モーニング娘。に入って、今まで違うところに住んでた子たちと集まって共同生活みたいな生活を送っていると、その子のいいところも悪いところも見えるじゃないですか。私は結構「こういうときにこういう出方をするんだ」っていう人間観察をしちゃうんです。

つんく♂:きっと、それを飛び越える人と出会うから結婚できるんだろうね。

ファンに対しての「反抗期」があった

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つんく♂:モーニング娘。の話に戻るけど、加入後に意識が変わった「Tokyoという片隅」の時期までにはどんな印象や思い出があるの?

生田:加入時は頑張ろうと思ってたし、最初のツアーが今でも私の中で最高だと思っています。リハーサルが辛かったり、東日本大震災の影響でツアー初日の公演が延期になったり、幕が上がるまではいろいろありました。やっとお披露目になったときに、自分のファンが増えたり、自分の色のペンライトをつけてもらえる曲があったりして、すごくうれしい気持ちになったんですよね。そのあとは、私がファンに対しての反抗期に入るんですけど。

つんく♂:どんな?

生田:モーニング娘。'14のときぐらいですね。新垣さんがご卒業されて、新垣さんのファンの方が私を応援してくれるようになったんです。イベント3回しをひとりでこなして、「すごく人気が出たな」と自分の中では思っていて。それなのに、高校1〜2年生ぐらいのときは、来てくださるファンの方に対して「またいるの?」と思っていたんです。その反抗期の時期に私のファンを辞めちゃった人もいました。どうして自分が不機嫌だったかもわからないんですけど。

つんく♂:年齢的にも反抗期の時期だもんね。一番わがままを言える相手がファンだったってことやろ。どこまで突き放してもちゃんとついてくれるか、みたいな。

生田:親と離れて暮らしたので、気持ちをぶつけられる相手がファンしかいなかったんですよね。でも9期がふたりになったときに、「ここまで突き放されても応援してくれるファンの方って、めちゃくちゃ可愛いな」と思うようになったんです(笑)。反抗期を乗り越えてくださったファンの方は、今後どんな苦難があっても大丈夫だと思っていますね。

つんく♂:誰がリーダーだったとき?

生田:道重(さゆみ)さんです。

つんく♂:反抗期な頃、道重に「コラー!」とか言われたりするの?

生田:言われないです。個別の握手会とかでしか出さなかったので(笑)。

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つんく♂:わざやな〜。でも、うちの16歳の娘もわけわからんところでぷりぷりしてるから、そういう時期なんやろうなあ。

生田:そうだと思います。 私が「あの頃は反抗期だったから」と言うと、ファンの方も「あのときのえりぽん、ひどかったよね」って言ってくれる。いい関係性ではあるなって思います。 

つんく♂:反抗期を抜け出したあとは、どうなっていったの?

生田:ファンの方がライブで踊ったり歌ってくれたりするのが可愛く見えてきました。「どんどん若い子が入ってきて、私にも冷たくされているのに、一生懸命に応援してくれてることがすごくありがたいな」って、やっとわかるようになったんです。

つんく♂:曲で言ったら何くらい?

生田:「KOKORO&KARADA」の頃には、もう悟りを開いてますね。15期が入る少し前から、自分の中の棘みたいなものはなくなりました。その後のコロナ禍がなかったら、もっと早く卒業していたと思います。 2020〜22年ぐらいまでは、ライブも規制があって。モーニング娘。に10年以上も関わらせてもらっていると、「ファンの方の声援を聞いて卒業したいな」っていう気持ちが芽生えちゃうから、緩和されるのを待っていました。

つんく♂:コロナ禍も曲は録っていたけど、そのときはどうやった?

生田:ちょうどコロナ禍に入る前の「青春Night」ぐらいから、もっと自分に磨きをかけようと思うようになったんです。それまでも可愛くなりたいとは思ってたけど、自分の内から出るものを磨こうと思って、見せ方なども含めて頑張り始めました。

何回も歌っていた「What is LOVE?」で初めて泣いた

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つんく♂:最新アルバム『Professionals-17th』は、やってみてどうだった?

生田:いろんな楽曲が入ってるんですけど、個人的に一番好きなのは「恋人」です。

つんく♂:それはどういう意味で? 歌詞とか振り付けとか盛り上がりとか。

生田:歌詞です! この曲は付き合ってるか、付き合ってないかの言語化ができない物語で、それが苦しいんですよね。 私が明るい曲があまり得意じゃないというか、失恋ソングや報われない恋の歌が好きだからこそ、「恋人」を聴くと「いいな」って思います。

つんく♂:付き合うのか付き合わないのか、どっちなんだっていうのも違う?あの感じがいいわけ?

生田:あの切ない感じがいいんです。自分たち付き合ってるのかな? 付き合ってないのかな? っていう瀬戸際の歌詞が自分的にすごく好きで。

つんく♂:あのふたりは結局どうなると思う?

生田:私の解釈では、自然消滅です。歌詞を見ると、女の子は、男の子に振り向いてほしいはず。 男の子はそういう素振りを見せるだけなのに、女の子は勝手に「彼は私のことが好きなんだ」と想像を膨らませちゃって……。付き合っている確信を得たいけど、勇気が出ない。でも男の子からしたら、その時のお気に入りでしかなくて、他にいい子ができたら、そっちに乗り換えちゃうっていう。

つんく♂:深いね。

生田:だから、自然消滅。

つんく♂:曲だから結論が出なくていいんやけど、僕は逆に意外とこういうふたりが結婚するのかな、とも思う。

生田:あ〜〜〜。そっちタイプですか?

つんく♂:男は口で気持ちを伝えられないだけで、「ずっと一緒にいたやん」っていう。結婚しても奥さんが「この人何考えてるんやろな」って思いながらも一緒にいる。そういうのもあるんかなと思って。

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生田:え〜? それは結婚している方の考えだと思います(笑)。

つんく♂:もっとグイグイこられたいっていうのがあるわけ?

生田:はい。やっぱり女の子だから。

つんく♂:じゃあ、自分が加入する前の曲で気になる曲は?

生田:大好きな曲は「しょうがない 夢追い人」と「泣き出すかもしれないよ」と「元気+」。曲調で選んでるかもしれません。

つんく♂:ちょっとマイナー系の曲を選ぶんやね。

生田:私、ライバル サバイバルのツアーがめっちゃ好きなんです。リーダーが高橋(愛)さんのときで、亀井絵里さん、ジュンジュンさん、リンリンさんの卒業ツアー。

つんく♂:あのツアーのことはみんな言うよね。

生田:そうなんですよ。1曲1曲に対してみんなが入り込んでる感じがめっちゃ好きです。あとはセトリもいい。今回のツアーで『ライバルサバイバル』(2010年の秋ツアー)の流れを作ることも考えたんですけど、匂わせてしまうのは違うのかなと思って。 

つんく♂:それはそれでいいんじゃないの?

生田:いいんですかね? やっぱりその時のモーニング娘。を観たいのかなって。

つんく♂:メンバーも違うし、同じにはならないと思うんだよね。

生田:オープニングの「そうだ!We're ALIVE」がめっちゃ好きだったんです。だから、「そうだ!We're ALIVE」のアレンジとかも、それにしたいって思ったんです。

つんく♂:逆に、加入してから自分たちが歌ってきた中で気になる曲は?

生田:うわ〜、悩むなあ。でも、やっぱり「恋人」がベストワンかも。

つんく♂:あれはメロディーも切ないよね。

生田:はい。そういえば、「What is LOVE?」で泣いたことがあります。

つんく♂:なんで?

生田:リハーサル中、振り付け指導のみつばちまき先生に「ダラダラしてる」と怒られてしまったことがあったんです。もちろん私たちも頑張ってたんですけど、「青春Night」の振りが変わって大変だった時期で。その時のツアーの1曲目だった「What is LOVE?」の「たった1人を納得させられないだけで 世界中 口説けるの」という歌詞に初めて泣きました。私はもともと歌詞で曲を好きになるタイプなんですけど、初めて「What is LOVE?」の歌詞がグサっときた瞬間でした。

つんく♂:何回も歌っていたのに?

生田:何回も歌っていたのに!

つんく♂:そういう場面ってあるよね、急にグッとくるとき。ずっと歌ってきた曲のことでも、他に僕に聞きたいことある?

生田:これは歌詞分析になってしまうんですけど、 同じアイドルの楽曲でも秋元(康)さんの歌詞は文になってると思うんですね。でも、つんく♂さんは単語と単語を合わせて、気持ちを乗せているなって。あと、つんく♂さんの歌詞には食べ物がいっぱい出てきますよね。

つんく♂:たとえば、何があったやろ?

生田:私たちの曲で言ったら、「幸せ指数 発表されたい」の担々麺とか「Danceでバコーン! 」のうどんとか。つんく♂さんは、どんな気持ちで食べ物の歌詞を書くんだろう? と思っていました。

つんく♂:締めにラーメンを食べるのがド定番やと思うけど、福岡ってうどん食べるやん。大阪でもうどんを食べるんやけど、うどんで締める方がおしゃれ感があるなって。

生田:うどんで締めるのって、おしゃれですか(笑)?

つんく♂:ラーメンだとオヤジっぽいけど、頑張ろうとする女の子が最後うどんで締める感じがかっこいいなって。

生田:あと、つんく♂さんは麺類が好きなんだろうなって感じます。特にファンクな曲だと食べ物が出てきがちですよね。

つんく♂:そうそう。リズムに乗せやすいんよね。あと、「恋人」や「恋愛」のイメージって人によってそれぞれ違うけど、食べ物はみんな同じ絵が頭に浮かぶと思うから、歌詞の中に目印に添えるにはとても大事なんよね。サンドイッチって言われたら同じものを想像できるからいいんよね。

生田:ほかの方の歌詞は「おやつ」とか「夜ごはん」というくくりなのに、つんく♂さんはちゃんと料理名なんですよね。ファンの方も「この曲を聴いたからうどん食べて帰ろう」とか「今日は担々麺だな」とか思うのかな? 歌詞に料理名をあんまり出すことがないから、面白いですよね。

つんく♂:14年半つんく♂の歌を歌ってきたけど、歌詞の世界観って変わってきた部分とかある?

生田:私が入った時期は東日本大震災もあったからか、世界とか大きなものに対して歌うことが多かったです。でも、2020年以降の歌詞は、「今悩んでるあなた」とか「新生活を迎えるあなた」とか、ひとりに向けて歌う歌詞がすごく増えたと思います。

つんく♂:たしかに。「恋愛レボリューション21」とかは、広い世界に向けて歌っていた感じはあったかも。

生田:つんく♂さんの歌詞は、「世界」と「自分」ですごく分かれていると思います。 

つんく♂:どっちもありなの?

生田:つんく♂さん自身がアーティストで作詞をされているからこそ、いろんな視点で物事を見ているんだなと。そのときに好きなものもすごく伝わってきます。 

リーダー・生田によるモーニング娘。’25メンバー解説

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つんく♂:じゃあ、今のモーニング娘。のメンバーをひとりずつ解説してもらおうか。17期から。

生田:弓桁(朱琴)は、小田(さくら)のことが好きだから、考え方を小田に寄せようとしている部分があるんですよ。

つんく♂:小田のどういうところを推してるんやろ? 歌い方とか、人間性とか?

生田:人間性の方が大きいかもしれないですね。 私の経験上、誰かをリスペクトする気持ちはプラスに働く部分もあるけど、自分らしさをなくしてしまうマイナス部分もあるんですよね。だから「弓桁朱琴らしさ」を失くしてほしくないなと思います。 

つんく♂:そうやね。でも僕から言わせると、誰かにハマってコピーする時期って意外と大事。モノマネだとしても、結局は元の自分がやるわけだから、良いアドバイスにもなる。やるなら徹底してやらなきゃいけないけど。

生田:そうですね。小田から盗めるものはたくさん盗んでほしい。でも、私たちがやっていく上で「〇〇っぽい」とか「〇〇みたい」は、やっぱりその人のイメージが先行しちゃうんです。憧れやリスペクトもいいけど、自分らしさを捨てないでね、と伝えたいですね。

つんく♂:ファンに「実は弓桁ってこうなんだよ」ってこっそり教えるとしたら?

生田:言葉が悪いかもしれないですけど、「がめつい」って言い方がすごく合ってる。例えば、みんなが3秒手を振るシーンで、弓桁は7秒手を振るんですよ。「自分はこうしたらよく見えるんだろうな」という一つひとつの行動の研究をしているんです。貪欲っていうのかな。

それに対照的なのが、同期の春さん(井上春華)だと思います。弓桁が7秒手を振ってるのに、春さんは3秒。逆に、振り向いてほしい気持ちにさせてくれるんです。そういうミステリアスな部分もある一方で、仲良くなった人にはすごくグイグイ来てくれる。最初は話しかけてきたり質問してくれることもなかったけど、だんだんと会話も増えてきました。

つんく♂:17期ふたりの成長はどう?

生田:成長していると思います。 まだまだ見せ方は2年目な感じがするけど、自分のアピール方法が分かってきたなって。写真の撮られ方も歌い方も。今までは自信なさそうな顔だったのが、最近は自信満々な顔になっています。

つんく♂:16期の櫻井(梨央)はどう?

生田:逆に、櫻井は「私なんでもできます! やれます!」ってめっちゃ自信満々だったのに、最近はちょっと弱々しく見えます。

つんく♂:なんでやろう? 成長したからかな。

生田:そうですね。 ひとつレベルアップすると、今まで言われてなかったことで怒られることもあるじゃないですか。でも将来を見込まれてるから怒られるのであって、落ち込むことではないと思うんですよね。自信満々な櫻井もありつつ、ちょっと弱い部分も見せられたら、すごく強くなると思います。私はいつも「ネガティブに思っていても始まらないから、明るくポジティブに考えた方がいいよ」と伝えています。

つんく♂:櫻井も意外と悩んでいるんやね。

生田:ちょっと弱い部分を見せても刺さる方はいるはずだし、自分の表現方法に取り入れられたらもっと成長できると思います。私は歌詞を読み取ることが得意だから、いつも櫻井に「この歌詞はこうだから」って順を追って解説しているんですよ。最近は「青春Say A-HA」の歌詞を1行ずつ説明しました。

つんく♂:え〜! それ、あってるんだよね(笑)? すごいね。

生田:例えばサビの「『コソコソ恋愛(love)』ってな なんか燃えるけど」の部分は、もしかしたら芸能人のことを歌ってるかもしれないし、好きなことをバレたくない人が歌ってるかもしれない。堂々としてる人じゃなくて、コソコソしてるから意味があるんだよって。

つんく♂:それを櫻井はどうやって聴いてるの?

生田:「はい」しか言わないんですけど、すごく理解はしてくれています。曲の入り方やポイントはそれぞれ違うから、卒業までに一つひとつ櫻井に教えたいなって思います。

つんく♂:櫻井〜! 危険やぞ〜(笑)!

生田:やだ〜(笑)!

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つんく♂:次、15期の山﨑(愛生)は?

生田:愛生ちゃんは、真のこだわりを持っていると思います。 自分の気持ちを抑えて平和を願うタイプだけど、本当に言いたいことは自分を理解してくれてる人にしっかりと伝えに行く。

つんく♂:メンバーとかスタッフに?

生田:そうです。 愛生ちゃんのパフォーマンスには、すごく力強いものを感じます。つんく♂さんの歌割りを見たときに「ここ絶対愛生ちゃんだろうな」と思ったところに愛生ちゃんが当てはまっていると、「解釈一緒だわ〜」って思います(笑)。

つんく♂:パンダが好きって、まだ言ってるの?

生田:まだ言ってます(笑)。

つんく♂:なるほど(笑)。じゃあ岡村(ほまれ)は?

生田:ほまは、流行りに敏感なイマドキの女の子。 モーニング娘。 にはあまりいない可愛らしい声も持っているので、もっと自分らしさを磨いてほしいです。型にハマらなくていいし、モーニング娘。っぽくならなくてもいいと思っています。道重さんみたいなアクセントにできたら、今後のモーニング娘。の曲のポイントになるだろうな。

つんく♂:岡村は、服の流行りにも敏感なの?

生田:小物やキャラクターの流行りに敏感なイメージがありますね。

つんく♂:北川(莉央)は?

生田:北川は、人に流されやすい。 でもそれはモーニング娘。 や歌手として活動する上ではすごくいいなと思うんです。いろんな人になれるからこそ、強い人も弱い人も表現できるし、地球を救ってるモーニング娘。 も、どこか悲しい失恋ソングを歌ってるモーニング娘。も、どれも似合うんです。 北川から「自信がない」「できるかな」って聞くことも多いけど、私は北川のできる部分しか知らないし、いつも「大丈夫だよ、できるよ!」って言ってます。

つんく♂:かっこいい〜! じゃあ、13期の横山(玲奈)。

生田:よこは、考え方がすごく大人になりました。

つんく♂:どんな風に?

生田:昔から考えはしっかりしてる子ではあったけど、ここ1〜2年ぐらいで、先輩にも後輩にも良い横山を見せられてるなと思っています。私たちに接する横山玲奈と、後輩たちに接する横山玲奈がそれぞれで確立しているんです。

つんく♂:ちなみにいうと、本当の横山はどうなの? 可愛らしい系なのか、かっこいい男前系なのか。

生田:私は、女の子っぽい方だと思います。 先輩をしている横山玲奈がかっこいいからこそ、後輩らしい横山玲奈を今のうちに出してほしいんですよね。

つんく♂:なるほどね。12期は?

生田:はがちん(羽賀朱音)は 女! って感じがします。

つんく♂:あの子も変わったよね。

生田:大人になりましたね。はがちんはモーニング娘。 の女っぽい曲が似合うと思います。 曲で言うと、「涙が止まらない放課後」とか。さらに、ちょっとミステリアスな曲も似合うんですよね。

つんく♂:例えば?

生田: 今パッと思いついたのは「普通の少女A」。対男性ではなくて、対自分の曲がすごく似合うなと思います。 

つんく♂:たしかに、羽賀にそういう曲をグイって歌われたらゾクっとするかも。「涙が止まらない放課後」あたりが温度感が合うのもわかるな。次、牧野(真莉愛)は?

生田:牧野は、ちょっと前までは自分の写りや雰囲気に集中していた印象があったけど、最近は周りを見るようになったと思います。

つんく♂:周りっていうのは、メンバー?

生田:はい。それは自分の中での変化も、先輩が卒業していく環境の影響もあるだろうけど、牧野の中での視点が少しずつ変わってきてるのかなって思います。

つんく♂:牧野も乙女チック系なのか、男前系なのかって言ったらどっち?

生田:牧野は、サバサバしたい自分がいるけど、自分の芯にあるものがすごく女の子だから、ちょっと女々しくなっちゃう感じ。でもカッコよく見せたいから、表にはサバサバしてる自分を見せてる。

つんく♂:牧野は野球も好きなんでしょ? そのときと何が違う?

生田:気持ちを前に向けてるか、内に秘めてるかの違いだと思います。野球は純粋に応援しているから、何も考えずに楽しめる。でもモーニング娘。は仕事だから考えなきゃいけないこともある。だからいろんなアーティストの映像を見て、「こうするのが自分は好きだな」とか「こういうパフォーマンスでドキッとするな」とか、内に秘めているものが多くなるのかなと思います。

つんく♂:へ〜。野中(美希)は?

生田:野中は、最近の私の気持ちを全て伝えようと思っている子です。私の言いたいことを理解してくれるし、周りもちゃんと見えてる。けど、野中はそれを言葉には出さないんです。だからこそ、「この子のこういうとこ見てほしい」ということも伝えやすくて。私が今までリーダーをやってきた中での気持ちや、今までの自分の立ち位置を言葉にして話すことが最近すごく多いです。

つんく♂:野中は器用そうに見えるけど、実際はどう?

生田:器用そうに見えるけど、行動は不器用なんですよ。 でも頭の中では理解できてる。私のことを信頼してくれてるから伝えようと思うし、野中からも伝えてくれます。

つんく♂:野中、羽賀、横山、牧野でいうと、一番後輩に厳しいのって誰なの?

生田:厳しい人はいないかもしれません。

つんく♂:それで言うと、小田が一番小うるさいのかな?

生田:比べちゃうと、そうですね。私は自分の気持ちを述べたいとき、みんなに伝わるようにわかりやすく話します。自分の気持ちも、「怒ってる」「泣いてる」の二択で話したりとか。でも小田は小田の気持ちをそのまま話すから、「?」が浮かんでいるメンバーもいると思います。 今後は、小田が自分の言葉ではなく、人に伝えるときの言葉を使って話してくれるようになるのが楽しみです。

つんく♂:小田自身は、まだそれに気づいてない?

生田: 多分、今は気づいてないと思います。小田の考えはもちろん大事だけど、伝え方のレパートリーが増えると、小田自身がもっとよく見えるだろうなって。 

つんく♂:でもまあ、それも小田の個性やけどね。生田から見たら、小田の個性はどんなところだと思う?

生田:自分の芯を貫き通してるのは、いいところですね。自分のプラスの部分だけではなく「私これができないんだよね」ってマイナスな部分も伝えられるようになると、もっと見え方が変わってくると思います。 

つんく♂:今、上手いこと言えたって思ってるやろ(笑)。まあ、ええとしょ! そういえば、ちょっと前に「恋人」のステージ中のリズムの取り方についてのLINEを送ったけど、どうやった?理解できた?

生田:最終的には理解しました。 でも「マジか」と思いました。 みんなが「恋人」の振り付けや歌詞が曲の雰囲気に入っていけるのかなって。 最近の曲はつんく♂さんに間近で見ていただけることがなくなったから、私はみんながどんな意見を持っているのかをまとめたかったんですよ。 

つんく♂:結果はどうだったの?

生田:みんな「歌詞に入り込み過ぎてました」とか「気をつけます」という解釈でした。今だから言えますけど、あのとき一番えりが焦ったのは「後ろの人のダンスどうやと思う?」とつんく♂さんに聞かれたとき。私は人のダンスを指摘するのが苦手だから、痛いとこつかれたなって。

つんく♂:批判してほしかったのではなく、「リズムがあるように見える?」って意味やったんやけどね。歌ってる子以外でもステージにいる以上、リズムが消えるのは俺の中ではありえないので。そういう意味でした。

生田:あと最初、つんく♂さんから「『恋人』、イケてんの?」って連絡が来たじゃないですか。そのとき聖といたから「これってかっこいい方の意味なのか、大丈夫? できてるの? の意味なのか、どっちだと思う?」って。そしたら聖が、「かっこいい方だと思う」って(笑)。だから「イケてるのかイケてないのかわかんないですけど、いい感じです」って言ったらつんく♂さんから「そうじゃなくて」って届いて(笑)。あれはドキドキしました。

つんく♂:(笑)。そんな大クイズみたいになってたんやな。すまんすまん。俺もたまたま動画見て「え!?」って心がバタバタしてたので、サクッとLINEしてしまったんやと思う。でも、結果的には「そうか、こういうことか」って納得できたってこと?

生田:つんく♂さんが言ってくださったことに私なりの解釈をプラスして、「次から頑張ろうね」とポジティブにメンバーに伝えました。でも小田はもっと深刻に考えてましたね。

つんく♂:もっと向き合わないといけないと思ったんやね。でも、それくらい重大なことなので、間違ってないけどね。

最後につんく♂にお願いしたいこと

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つんく♂:14年半モーニング娘。にいたけど、つんく♂に聞きたいことある?

生田:質問じゃなくてリクエストなんですけど、最後のシングルぐらい真ん中にしてください! 目立ちたくない自分もいるけど、「卒業ぐらいは」って思う部分もあって。

つんく♂:14年半、頑張ったからね。

生田:最後は自分っぽい楽曲になればいいなと思ってます。先にいただいている「明るく良い子」はかっこいいモーニング娘。 の曲だったので、もう1曲はどんな感じになるのか楽しみです。

つんく♂:歌詞はどうやった?

生田:冒頭は見た目で判断されてしまう人が共感できる歌詞で、サビは「それを理解してくれる人が私は好きなんだ」というテンションなのかなと。私は、同じ歌詞が何回も出てくるのには意味があると思っていて、「理解してくれる人だけを大切にしよう」「私のこういうところに気づいて」「明るくて良い子な雰囲気にとらわれないでね」という意味が込められてるのかなと感じました。 

つんく♂:「モーニング娘。」という歴史あるグループなんで、世間からも他のアイドル仲間たちからも一目置かれる優等生であってほしいけど、そこだけに囚われなくていいよっていう僕からのメッセージやね。

生田:じゃあ、もう1曲は世界系?

つんく♂:あれを世界系って言うかわからんけど、間口の広いメッセージソングなんで楽しみにしててくれたら。

生田:よく、卒業する方が「つんく♂さんが私のことを書いてくれたような気がします」と言うじゃないですか。いざ自分がその立場になると、「どんな歌詞になるんだろう」ってドキドキしますね。こんな気持ち初めて(笑)。つんく♂さんが私をユニット曲に入れてくださるときは、世界がテーマだったりテンション高めだったりが多いですよね。だから「みんなで盛り上がる系の楽曲なのかな」って予想しています。

つんく♂:生田にはそういう曲が合ってると思うんよね。他に聞きたいことは?

生田:つんく♂さんが作詞をするときは、何を考えているんですか?

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つんく♂:そのときのメンバーの顔が思い浮かんでるかな。だからリーダーが変わると、曲のテーマも変わっていく。

生田:えりは歌詞で楽曲を好きになるタイプだから、壮大な世界の曲と恋人の曲では何が違うんだろうって。

つんく♂:曲を作ったあと、ちょっと寝かして歌詞に向き合うねんけど、できれば一般的な人が持ってるイメージと変えたいんよね。結局そのままいくこともあるんやけど。だから本来「恋人」は悲しげなメロディーなんだけど、悲しい曲にしたくなかった。でも明るくするのも違う。

生田:わかりますよ。でも、「恋人」はいつの時代のモーニング娘。にも似合うと思いました。 1期、2期の先輩方が歌っても、プラチナ期の方が歌っても違う雰囲気になりそうです。つんく♂さんの「結婚しちゃうのかな?」みたいな解釈だと、プラチナ期さんが上手だと思います。

生田「卒業後も休まずに働きます!」

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つんく♂:最後に聞くけど、卒業後はどうしようと思ってるの?

生田:卒業してからは、いろんなことに挑戦したいと思っています。プロデュース業やモデルのお仕事もやりたいし、ひとりでバラエティー番組にも出たいです。

つんく♂:個人でイベントもやりつつ?

生田:はい。でもアップフロントからは退所します。14年半お世話になって、守ってくださる部分もあるけど、これから「生田衣梨奈」として戦うときには自分らしさも大事だなと思っていて。だから卒業後は事務所を変えて心機一転して、周りも見えるように頑張りたいです。

つんく♂:芸能界には残るんやね。

生田:はい、休まずに働かせていただきます!

つんく♂:生田の直感には力はありそうな気がするね。

生田:本当ですか!? うれしい。

つんく♂:これまで頑張ってきて、十分温まってるから。

生田: 「同じ環境に14年半もいることは難しいから、そこだけでも強みにはなると思うよ」と言ってくれる人が多いので、そこも強みにして頑張ります!

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