無断生成のAIボイスを聞いた人気声優「覚悟していたが、不気味だった」…声には著作権の保護及ばず
一方、AI音声を本人の同意を得て正規利用する動きも広がる。音声合成を行う「CoeFont」(東京都)は昨秋、声優事務所「青二プロダクション」(同)と提携。野沢雅子さんら10人の、英語や中国語などのAI音声を販売する。音声案内などでの利用を想定し、吹き替えといった演技には使わない。CoeFontの山田泰裕・PRマネージャーは「声優に収益を戻しつつ、声の可能性を高める一歩」と話す。
梶さんも昨年、自身の声をAIで合成するソフトを商品化。様々な人が使うことで、まったく新たなものが創造されると期待する。「新技術は悪用する人が問題。誰も傷つかない前向きな使い方を示したかった」と振り返る。
驚異的な速度で進化し、利用される生成AI。日俳連なども、声優の声のデータベースを作り、正規のものを流通させる仕組み作りに向け動いている。佐々木さんは「AIで使わないでと言っても解決しないので、現実に対応する」と無念を語り、将来を危ぶむ。「声優の声とAI音声のすみ分けが理想だが、声優が担う表現の部分も、いずれAIが再現しかねない。AIが担う部分が増え、新人が業界に入りにくくなるのは確かだ」