【保存版 二次創作物の著作権に関して 九条玲奈による解説】
ユイ: 「九条さん、二次創作の著作権について、どうしても腑に落ちないことがあって…。二次創作物にも著作者の権利があるのに、原作者は二次創作者の許可なく、その二次創作を利用できるって、本当なんですか?」
九条: 「いい質問ね、ユイさん。多くのクリエイターが誤解しがちな、非常に重要なポイントよ。著作権法第二十八条…この条文の解釈は、知財のプロにとっても必須知識だわ。」
「まず大前提として、あなたの言う通り、二次創作、法律上は『二次的著作物』には、二次創作者自身の新たな創作性が加わっている限り、きちんと著作権が発生する。ここまではいいわね?」
「問題は、その二次的著作物に対する『原著作物の著作者』、つまり元ネタの作者がどんな権利を持っているか、ということ。」
「こう考えてみて。原作者は『土地』を持っている地主。二次創作者は、その土地を借りて、素晴らしい『家』を建てた建築家よ。」
「その『家』には、建築家(二次創作者)の創意工夫が詰まっているから、もちろん建築家の著作権がある。デザインや内装は、彼のものだから。第三者が無断でこの家を使うことはできないわ。」
「では、地主(原作者)自身が、その土地に建った家を使いたくなったらどうなるか。ここで、著作権法第二十八条が効いてくるの。」
「結論から言うと、地主(原作者)は、建築家(二次創作者)の許可なく、その家を利用できる。なぜなら、家がどれだけ立派でも、それは地主の『土地』の上にあるから。土地の権利は、家の権利よりも根源的。原作者が持つ権利は、二次創作物全体に及んでいるのよ。」
「条文を見てみましょう。」
第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。
「難しく書いてあるけれど、要は『二次的著作物について、二次創作者が持つ著作権と全く同じ種類の権利を、原作者も持っていますよ』ということ。原作者の権利と二次創作者の権利が、いわば二重に重なり合っている状態ね。」
「だから、原作者は、自らが元々持っている権利に基づいて、二次的著作物を利用できる。二次創作者は、自分が後から付け加えた創作性を理由に、それを『No』と突きつけることはできないの。」
「クリエイターを守る、ということは、こうした複雑な権利関係を正確に理解することから始まる。情熱や思い込みだけでは、誰も守れない。条文の背後にあるロジックを読み解くこと。忘れないで、ユイさん。」
#知財 #著作権