「令和の米騒動」は大学生の“胃袋”も直撃している。コメ価格が高止まりする中、随意契約による政府備蓄米が各地の店頭に並び始めたが、コメ全体の値下げや安定供給につながるかは見通せていない。学食用のコメの調達見通しが立たずに苦慮する京都大学生活協同組合(京大生協)の姫田歩専務理事が京大生の食料事情や運営の実情を語った。【聞き手・前本麻有】
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前代未聞の異常事態
京大生協が学内で運営する食堂は3月、米価高騰に伴い2度の値上げをした。問題は価格に加えて、今年度分のコメの全量を確保できる見通しがまだ立っていないことだ。かつてない異常事態だ。
通常だと毎年冬には次年度の米の契約を済ませている。今年度(2025年3月~26年2月)分であれば24年12月時点でめどをつける必要があるが、現時点で今年10月分までしか確保できていない。確実に調達するため10月以降にまた価格変更を行う可能性がある。
京大生協のコメは、全国約190の大学生協による「大学生協事業連合」を通じて、JAグループ北海道で販売や購買などを行う「ホクレン」と商談し、東京都内の卸売業者から仕入れている。京大生協単体よりも、事業連合として仕入れるほうが安くなるスケールメリットがあるためだ。
大学生協事業連合全体で年間に必要とするコメは4000トン。今春、ホクレンが備蓄米に入札したことで700トンを追加確保できたが、それでも年間必要量の…
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