「ワクチンが感染を防ぐなんて誰も言ってません~最初から重症化予防が目的でした~~!」という大嘘について考える
コロナ禍というものが始まってからの日々は、まるで星新一のショートショート、あるいは「世にも奇妙な物語」の中に自分が入り込んでしまったかのような、「なんでそうなるのっ(涙)!!」と思わず叫んでしまう、不可解な出来事の連続であった。
中でも、私が最も驚愕した事象のひとつが、日本の人々の、記憶が簡単に改ざんされてしまうということであった。
例えば「コロナの前だって病院ではみんなマスクをつけていたぞ!」というのも明らかな記憶違いであるが、今回はちょっとマスクのことは置いておいて、最近目立つ「ワクチンについての記憶改ざん」について考察してみたい。
つい先日、元新型コロナ(中略)分科会長の尾身茂氏がテレビ番組「そこまで言って委員会」に出演、そこで新型コロナのワクチンについて、「感染を防ぐ効果はあまりなかった」と衝撃の発言を行った。
参考サイト 参考ツイート
多くの人はその発言にズコーーーッ!!!!とずっこけ、なんだよ話が違うじゃないかよ!!と憤ったものであるが、ところがそこで現れたのが、「いや、そんなの最初からわかってたし。ワクチンは感染を防ぐためじゃなく、重症化を防ぐために打つものなんだよ!! 最初からそうだったろ!!」と主張する人々だ。
例えばこの方とか。
コロナワクチンは、感染防止ではなく、重症化予防のために打つものであると、最初から説明されていたと。
この人だけではない。
ちょっと探すと同じ主張が無数に見つかる。
以下、検索して出てきたツイートの一部をざっと並べてみた。
「最初からそう言っていた」
「最初からコロナワクチンに感染予防効果はない」
「感染予防効果はほぼないと初期から言っていた」
「最初から感染予防じゃなく重症化予防だった」
「最初から感染を防ぐ目的とは言われていなかった」
「世界中のワクチンに感染防止効果はない」
「そもそもワクチンに感染予防効果があるなんて言っていない」
「感染を防がないことは最初からみんなわかってる」
「『当時から感染防止効果があると言っていた』などと言うのは文章が読めない奴である」
うーむ……。
最初から最初から最初から……。
最初から……、言ってたっけ?
私の記憶が確かならば、最初は明らかに「ワクチンを打てば感染が防止できる」と言われていて、だから我々未接種者は「公衆衛生の敵」「おまえたちは接種者に守られているんだ」「未接種者は外出するな」「おまえは仕事場に入るな、廊下で仕事しろ」と接種者の方々から散々に愚か者扱い、バイ菌扱いウィルス扱いされたのではないか。
私はそのような記憶があるので、「ワクチンが感染を防ぐなんて最初から言っていない」と言われると、いやおかしいですよあなたたち。どうしちゃったんですか? ワクチンなんて打ったから、ワクチンに混入していた人工5Gマイクロチップの影響で記憶が改ざんされてしまったのではないですかあなたたちはっ!!!
……と、思わず陰謀論を言ってしまいそうになるくらい、上記の人々の発言には違和感があるのである私は。
いやあ~~
ワクチンは「感染を防ぐ」って言ってたと思うんだけどなあ。
重症化を防ぐとも言われてはいたと思うけど、でもワクチンの最大の売り、メインの謳い文句は「感染を防ぐ」だったはず。
私の方が記憶違いなのかなあ。
でもまあこれだけ多くの人が「最初からそんなこと言ってないだろ! 文章が読めないのか!」とか力強く言っているのを見ると、私が間違っているのかも?という気もしてきた。
ではこうしましょう。
当時ワクチンを強く推進していた、感染症専門家の先生たちがどのように発言されていたか、インターネットを駆使して調べてみようじゃありませんか。
最初から「ワクチンで感染は防げない」とみなさん仰っていたのかどうか、ぜひとも実際の発言を見てみましょう。
それではどうぞ。
専門家・忽那賢志先生
ワクチンを接種する意義は、「感染を予防するためです」
専門家・手を洗う救急医Taka先生
ワクチンは、「感染そのものを防ぐ効果も高い」
専門家・峰宗太郎先生
ワクチンには「感染を防ぐ効果が十分にある」
専門家・宮坂昌之先生
ワクチン二回接種が「感染防止の鍵」
いや言ってるやないかっ!!!
ワクチンは「感染を防止する」とどの先生も言ってるやないかっっ!!!
これはどういうことだい?
メディアの最前線に出てワクチンの接種を推奨していた専門家の先生が、ことごとく「感染を防止する」と言ってるじゃないか。
いや、たまたま? たまたま私が見つけたのが、おかしな専門家先生ばかりだったのかな?
そりゃあまあ、専門家の先生の中でも意見が統一されてるわけではないだろうから……。中には「ワクチンは感染を予防する」なんてピントはずれのことを言っちゃう先生も、1人や2人いても別におかしくはないか。
じゃあ、もうちょっと他の人も見てみましょう。
みんなが知ってそうな有名人とか、もっと権威ある人だったら「ワクチンは感染を防ぐ」なんていう戯れ言は言っていないんじゃないかな? きっとそうでしょう。まともな人はそんなことは言わないのでしょう。だってTwitterの自信満々なドナタかいわく「最初からコロナワクチンに感染予防効果はない」「世界中のワクチンに感染防止効果なんてない」のだから。
それではお願いします。
ノーベル生理学・医学賞受賞・山中伸弥先生
ワクチンは「あなたを感染から守ります」
ワクチンで免疫を作ると、「ウィルスは体に侵入できなくなります」
日本国・厚生労働省
新型コロナワクチンは、「感染を防止し収束に向かわせる切り札です」
日本国第100代内閣総理大臣・岸田文雄首相
ワクチンには「感染そのものを防ぐ効果があります」
………………。
言ってるね~~! これハッキリ言ってるね~~~(空耳アワーのタモリさんふう)!!
いやいやいや。
ノーベル賞受賞者の山中伸弥先生も、我が国の総理大臣(当時)も、厚生労働省すら「ワクチンは感染を防ぐ」と言っているじゃないか。
言い過ぎでしょこれ。みんなして言い過ぎ。「基本的には言ってないけど誰かは言ってたかもしれないね」とかのレベルでもないよ。ワクチンを勧めていた人……で当時目立っていた人は、ほぼ全員と言っていいほどみんな「ワクチンは感染を防ぐ」と言っているじゃないか。
厚労省のサイトにも「重症化予防効果があります」と書いてあるだけで元々感染防止効果云々なんて言ってないし……
ってどこを見て言ってるんだ!!! 厚労省のサイトにおもいっきり「ワクチンは感染を防止し収束に向かわせる切り札です」と書いてあろうがっ!!!
だいたい、よく考えてみろっていうの。
ワクチン接種者のみ対象の、Go Toキャンペーンとかやってたじゃねえかよ!!! 打ってない奴は感染を広げるかもしれないってことで非接種者を仲間外れにしてお得なキャンペーンをガンガンやってたじゃないかよ!! ワクチン接種者はもう安全だからってことで入出国前のPCR検査も免除されてただろ!!! 「思いやりワクチン」とかほざいてただろうがっ!!! 「大事な人を守るためにワクチン打ちましょ」と散々言ってただろ!!! どう考えてもそれら全部「ワクチンを打てば感染が防止されます」の前提の上に成り立つあれやこれやじゃねえかっ!!!
いやなんというか……。
「最初からコロナワクチンに感染予防効果はない」「最初から感染予防じゃなく重症化予防だった」「世界中のワクチンに感染防止効果はない」「そもそもワクチンに感染予防効果があるなんて言っていない」「感染を防がないことは最初からみんなわかってる」
etc.の人たち、
脳の記憶機能、大丈夫でしょうか……。なんか老婆心ながら心配になります。
ほんの数年前じゃないですか。Go Toキャンペーンとか接種証明書とか、けっこうインパクトある出来事だったと思うんですが。みなさんの記憶にはもう1ミリも残っていないのでしょうか……。
明らかに、専門家も権力者も、最初は「ワクチンには感染予防効果がある」と言っていた。
間違いなく言っていたのだ。言っていたし、その前提があるから接種者はお得なキャンペーンが受けられたし「思いやりワクチン」なんていう言葉も生まれたのだ。
事実を言えば、最初はワクチンには「感染予防効果がある」という触れ込みだったのだ。ところが、2022年に、厚労省が接種者と非接種者の感染状況のデータを正確に出したところ、「あれ、なんか接種者の方が多く感染してない?」となってしまい、そこからワクチン推奨の先生たちは主な推奨理由を「感染防止」から「重症化防止」に切り替えたのである。
詳しい流れは別のnoteでまとめてあるのでよかったら読んでね。
なんというか、まあ一般の人々は「常に専門家の先生たちの言うことをなぞっているだけ」と考えれば、「最初からそんなこと言ってないぞ!」の開き直りにもさほど罪はないという考え方もできなくはないかもしれない。
が、最初にはっきりと「感染予防効果がある」と宣言して世の人々に(特に子供や若者に)思いやりワクチンを打たせ、それなのにいつの間にかシレっと「ワクチンは感染予防じゃなくて、重症化予防のために打つもんだ!」というように態度を変えた専門家方々は、せめて謝るべきではないか。
「あまり感染を防がない」どころか、厚労省の統計で「多くの世代で接種者の方が感染しやすかった」という真逆の結果が出てしまったのである。最初に主張した内容が事実と違うと判明したなら、後からでも「あの時は信じていましたが結果的に間違ったことを言っていました。すみません」と謝罪するのが大人じゃないのか。
それを謝るどころかしらばっくれて、平気で以前と全然違うことを言い出すから専門家(を自称する人々)は信用できないのである。
こちらの方(松村さん)は、プロフィールによると医者であり医療ジャーナリストでもある方だそうだ。
松村先生いわく、「『mRNAワクチンは絶対安全』とは誰も言わなかった」そうである。そして、「『医学的にはベネフィットが勝ると考えられるが、リスクとベネフィットを考慮して選択を』と、基本的には伝えていたはず」だそうだ。
専門家の発言を見てみる。
手を洗う救急医Taka先生「mRNAワクチンはあまりにも効果が高くて安全」
知念実希人先生「ここまで綿密に大規模に安全性が確認された薬剤など他に存在しない」
河野太郎元ワクチン推進担当大臣「ワクチンは安全で有効です」
山中伸弥先生「副反応は数日で必ず治ります」
私にはこれら先生方の発言は「mRNAワクチンは絶対安全」と言っているようにしか聞こえないが、医療界の国語ではそういう受け取り方をしてはダメなのだろうか? 「副反応は数日で必ず治ります」は私の国語力では「絶対安全」に聞こえて仕方がないのだが、医療界ではこれを「医学的にはベネフィットが勝ると考えられるが、リスクとベネフィットを考慮して選択を」と言っていると解釈しなければいけないのだろうか??
松村先生には申し訳ないが、これは私の国語力が劣っているわけではなく、ただ単に専門家の発言が無責任にコロコロ変わっているだけだと思うのだが。
どう考えたって、コロナ禍でのワクチンを推進する専門家の発言というのはおかしいのだ。一貫性がない。発言に筋が通っていない。
また長くなってしまったが、とにかく私はこのコロナ禍で……というかとりわけこの1週間ほどで、「人間の記憶というのはこんなに都合良く書き換えられるものなのか」ということに驚かされ、ズッコケさせられたのでありました。
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