結党わずか2年で10万人の党員を獲得
参政党所属の国会議員は、元吹田市議で党副代表兼事務局長の神谷宗幣参議院議員(44歳)ひとりである。政党要件を満たし、政党助成金の交付も受けるが、参議院委員会の委員・理事、質疑の時間を確保するには2人以上で会派を組まねばならず、ひとりでできることは限られる。
しかし参政党は、20年4月の結党以来、特定の支援団体に支えられず、山本太郎・れいわ新選組代表のような知名度のある候補者を持たないなか、わずか2年で約10万人の党員を集め、約177万票(3・3%)を得て、神谷氏を国会に送り出した。このスピード感は、ゼロから立ち上げたという経緯を含め、政党史に残るだろう。
結党から約60年の歴史を持つ公明党は、支持団体・創価学会との政教分離に気を配りつつ、自民党と連立政権を組むことで存在感を示し、約618万票(11・7%)を得て6名を当選させた。
結党から約100年の共産党は、戦前、国家権力の弾圧に耐え、派閥間抗争や路線変更を繰り返しながら組織を維持、機関紙『赤旗』を含めて政権の監視役として広く国民に認知されており、約362万票(6・8%)を獲得、3名の議員を送り出した。
そうした歴史を持たない政党が、公明、共産には及ばないとはいえ、国民100人のうち3人強に「参政党(もしくは神谷氏など個人名)」と書かせたのはなぜなのか。
参政党は月に1000円の党費を支払えば党員となり、4000円で政策に関与し投票権を持つ運営党員になることができる。
「参加型の政党」という意味での参政党だが、結党2年では、参加した党員が政策を立案するところまで行き着いていない。
現段階では、一、先人の叡智を活かし、天皇を中心にまとまる平和な国をつくる。一、日本国の自立と繁栄を追求し、人類の発展に寄与する。一、日本の精神と伝統を活かし、調和社会のモデルをつくる。という保守的な3つの綱領と、「子供の教育」「食と健康」「国まもり」という3つの重点政策に賛同する人が党員となり、選挙戦ではSNSを使って効果的に拡散した。
最終日の7月9日、東京タワー芝公園のマイク納めに集った党員・支持者を中心とする聴衆は1万人を超えた。彼らは、神谷宗幣、武田邦彦、松田学、吉野敏明、赤尾由美の5人の比例代表候補の煽りに「そうだ!」と口を揃え、最後は「いち、に、参政党!」と、コールして熱狂の選挙戦を終えた。
熱狂に驚いているのは神谷氏自身である。
「4月後半ぐらいから空気が変りました。上げた動画の拡散は2~3倍のペースとなり、集る人の数も日に日に増えていった。支部を作ろうという動きも全国で活発になり、最終的には全県に支部ができて45選挙区に候補者を立てました。
私は、『このままじゃ日本はダメになる』という強い思いで意識改革を進める活動を15年ぐらい前から始め、それが参政党の基盤となっています。当初は『アイツは危機を煽ることで注目を集めたいだけ』と、バカにされていました。でも、今はまったく違う。それだけ社会に対する不信不安を持つ人が増え、危機意識を共有できるようになったんです」