「実は中国との友好都市提携を断わったばかりで……」 和歌山「パンダ4頭返還」 地元・白浜町長が語る“一斉帰国”の深層
パンダ外交
「パンダ外交」という言葉が人口に膾炙しているように、中国がパンダという“資源”を活用し、外交に利用してきたのは周知の通り。しかも今回の返還は、トランプ大統領の就任によって、世界各国が激動の渦中にあるタイミングだ。異例の契約全頭「延長なし」の背景に、政治的な思惑を勘ぐってしまう向きもある。 「確かにそんな気がしないでもありません」 と大江町長も言う。 和歌山と中国と言えば、思い浮かぶのは自民党の二階俊博・元幹事長。和歌山選出で、運輸大臣、経産大臣、総務会長など政府や党の要職を歴任した実力者は、政界随一とも言われる中国とのパイプを築いたことでも有名だ。習近平国家主席と面談できる総理以外の唯一の日本人と言われることも。その二階氏、パンダの和歌山誘致にも関わったと以前から指摘されている。2012年の「週刊文春」(7月19日号)でこの件について聞かれた際は、こう答えている。 「とにかく和歌山にパンダを、という地元の期待が大きかったですからね。最初はとにかく交渉が難しくて、パンダとは何と厄介なものかと思いました(笑)。でも当時の田村元さん、渡部恒三さん、熊谷弘さんと三人の通産大臣に非常に協力して頂いて、(パンダ誘致を)実現することができたんです」 その実力者が昨年の総選挙で政界を引退。その影響はあったのか。 「それはあるでしょう。中国にしてみれば、契約を打ち切るなら、一番に気を遣わなければならない方が政界の一線を退いたということですからね。もし二階元幹事長が現役なら、簡単に“返還”とはならなかったのでは」 実は一昨年、アドベンチャーワールドでは、唯一の雄のパンダ「永明」が高齢を理由に中国に帰国していた。雄がいなければ繁殖は出来ない。新たな雄を求めて、昨年、当時の岸本周平・和歌山県知事が訪中した際に、中国側に貸与を依頼した。その場にはアドベンチャーワールドの社長も同席。しかし、岸本知事は帰国後、記者会見でこう語っている。 「大変、大きな外交案件になるのではないかという印象を受けました。日本政府と中国政府の間で、さらに上の段階で交渉いただくような案件」 パンダの契約に関しては、単に書面上の話だけではなく、さらに大きな力が働いている可能性を示唆したのであった。