教諭同士で“激辛カレー”いじめ問題に対応の市教委職員が自殺 遺族が神戸市を訴えた裁判が『和解』 3000万円支払い“労働環境改善”を約束
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2019年、神戸市の小学校教諭4人が同僚に激辛カレーを食べさせるなどした集団いじめ問題に対応した神戸市教育委員会の職員が自殺したのは、市教委が安全配慮義務を怠ったことが原因だとして、職員の遺族が損害賠償を求めていた裁判で、今年2月に市と遺族が和解していたことが分かりました。 市によれば、和解は今年2月6日付けで、市が遺族に約3000万円を支払い、「周囲の信頼も厚く、神戸市政に貢献した被災職員が公務災害で亡くなられたことに遺憾の意を表す」とし、労働環境の改善を約束する内容となっています。遺族側への支払いは3月末に完了しているということです。
■“激辛カレー”・“性的メッセージ”…いじめ問題対応で長時間勤務が常態化
この問題は、2018年から2019年にかけ、神戸市立小学校の男女4人の教諭(当時30~40代)が後輩の男性教諭(当時20代)に対し、暴言や暴行などのいじめや性的なメッセージを同僚の女性教諭へ送るよう強要したほか、羽交い絞めにされて激辛のカレーを食べさられるなどのいじめ行為が発覚したものです。 一審の判決によりますと、30代の男性職員は当時、市教委の総務部総務課の係長で、教育委員との連絡調整役を担っていましたが、問題への対応により長時間勤務が常態化し、2020年2月には睡眠薬を服用しないと眠れなくなるような状態になった末に自殺しました。男性の遺族は「安全配慮義務を怠った」として、神戸市に対し損害賠償を求めて、民事裁判を起こしていました。 一審の神戸地裁は去年5月、「市が安全配慮義務を怠った」として、市に対し約1億2000万円の支払いを命じる判決が言い渡され、市側は判決を不服として控訴していました。 和解を受け、市は「亡くなられた職員に対し、改めてご冥福をお祈り申し上げます」とコメントしています。
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