投資初心者の息子へ 2025年6月1日
「買ってはいけない、特別利益で低PERに見える銘柄に注意」
銘柄を選ぶ際に、スクリーニングを使って探すことがあると思う。
そのとき、「PER(株価収益率)が異常に低いのに放置されている銘柄」が目に留まることがある。
一見、「これは割安かも?」と感じるかもしれない。でも、そんなときこそ “まず確認” が大切です。
特に注意すべきなのは、「特別利益」が計上されていないかどうか。
IR資料(投資家向け情報)や四半期決算報告書を確認して、その利益が本業によるものなのか、それとも一時的な要因なのかを見極めよう。
たとえば、保有していた土地や株式、子会社の売却によって得られた一時的な利益。為替差損益にも注意が必要だ。
このような特別利益があると、純利益が一時的に大きくなり、結果としてPERが低く見えることがある。
表面上は「割安」に見えても、実際には本業が好調なわけではなく、一時的な要因で利益がかさ上げされているだけ。
当然、翌期にはこの特別利益がなくなるため、利益の伸び率は落ち、場合によっては減益と見なされて、株価が下がることもある。
だからこそ、「なぜこの企業は利益を出しているのか?」
利益の“質”に注目する習慣を身につけよう。
◆ 覚えておきたいポイント
「買ってはいけない特別利益」
一時的な利益によってPERが下がっているだけの銘柄。見かけ倒しの可能性があるので、要注意。
「思案が必要な特別損失」
一見すると業績が悪く、株価も下がることが多いが、実は一時的な損失で本業に影響がない場合もある。
来期にはその損失がなくなることも多いため、長期的には“買い時”となることもある。内容をしっかり確認しよう。
投資は、単なる数字だけで判断せず、「その中身は何か?」 を意識することが何より大切。