生成AI時代の「会社」は、もっと小さく、もっと速くていい。
※来週のどこかで有料マガジンに追加します。
生成AI前提の組織について、もっと議論していきたいなと最近思っています。まずは現時点での自分の仮説を整理し、足りない視点を明確にした上で、再度深掘りしたい。その出発点として、以下に現状の考えをまとめます。まだまだ浅いんですけど、一旦書くことに意味がある!
生成AIが"会社"にもたらす変化
生成AIに触れ始めてから約2年。進化のスピードは非常に速く、今後「たいていのことはできるようになる」ことは前提と捉えるべきと思っています。
会議の要約、資料作成、リサーチ、コード生成みたいなのはもちろんですが、私が作ってるAIgomichanプロンプトを通じて、柔らかい思考に関してもすでにAIでかなりの再現性を持って実行可能だと感じ始めています。ただ、この辺りはクリティカルかつセンシティブな話なので、あまりみんな大声で外で議論できないってだけだと思います。
結果として、これまでの10倍?100倍?とかもしくはそれ以上を、1人+AIで再現できる時代が来ようとしていると思います。そして、これは、企業の利益構造そのものを変えます。
たとえば、1/10のコストで同等の品質を提供する企業が、価格を半分にして市場を取ってきた場合、それでも黒字になる構造であれば、従来型の企業は「非効率」と評価されかねません。
つまり、AIに適応できない会社は、投資に値しないという構造変化が起きる可能性があります。
AIによって10倍の生産性になっても10倍お金がもらえるわけではなく、みんな10倍になるはずなので、そうじゃないとこが淘汰されるだけってことです。無職への道のりは長い・・・。
強者は「AIに適応できた大企業」+「AIネイティブ新興企業」
この時代において最も強いのは、すでに基盤を持つ大企業がAIを組織的に取り入れられた場合です。カネ・顧客・データ・営業基盤があり、AIを前提に再構築、垂直立ち上げができれば圧倒的な競争優位を築けますし、ユーザーから見てもわざわざそれ以外を選ぶ必要もないと思います。
↓深津さんのポストは個人についてだと思いますが、会社でも一緒だなと思いました。
生成AI時代の生存術ファイナルアンサー。
— 深津 貴之 / THE GUILD (@fladdict) June 14, 2025
・AI本格化の前に、頑張ってカネ、コネ、能力を高める
・固い投資商品に入れる
・定期的にその時代の上位AIの指示に従って、カネ・コネ・スキルのポートフォリオ運用する…
ただしそれと並行して、「人1〜3人+AIエージェント数十体」で運営される、小規模高収益なAIネイティブ企業も出てくると考えています。人が担うのは、合理だけでは処理できない領域。感覚的な判断や、関係性の構築、折衝など。そこにAIの合理性を組み合わせることで、極めて小さなチームでも高い生産性が可能になります。
AIの普及により、顧客も安くて早くて十分な品質の商品を簡単に見つけられるようになります。どの企業が作っても同じように良く同じような体験になる中で、差別化要素は限定されます。
一方で、「この人から買いたい」「推しだから使いたい」といった、非合理的な感情価値が残っていくことも想定されます。
AIによる超合理的な運営と、人間による非合理的な価値創出——この両立が求められる時代なのかなと思っています。だから、最近の私は、必死で情報発信を続けているんですねー。
AIネイティブな組織構造は横長?
従来のピラミッド型階層構造は、マネジメントのコストや人間の認知限界を前提としたものでした。 しかし、AIが中間管理層を代替できるようになれば、組織構造はフラットかつ横長になっていくと考えられます。
イメージとしては、これまでの中間層がガッツリ不要になって、意思決定層とUIとしての人になる。UIとしての人というのは、営業とか接客とかですね。計3-4階層くらいかなと思っています。
ただ、これは大企業的に考えた場合で、小規模な組織の場合は、もうちょいコンパクトなセル単位の組織かもとか思いました。セル型というのは適当に名前をつけたのですが(Geminiが)、こんな感じです。
トップの役割:北極星となる方針を提示し、各ユニットの裁量と失敗を許容。リスクを引き受ける。場合によっては複数セルを持つ。
セル単位:1〜3人程度の人間が意思決定と顧客対応を行う。
AIエージェント:マネージャーAIが意思決定を噛み砕いて、作業AIに下ろすイメージ。ここのAI同士の相性とかあるのかな。
この構造だと、分散的かつ高速な意思決定が可能にならないかな。
また例えばですが、この構造を具体的にしてみて「人間3人+AIエージェントn体」という想定で少し想像してみると、
年商1.2億円、粗利8000万円(超適当)
人間1人あたりの利益:約2600万円(給与1500万円出せる?)
初期は缶詰で頑張る、文化祭前日状態。
安定稼働後は、週10時間稼働で維持可能、昼からBBQ。
どうせ数ヶ月で飽きるので、また何か始める。
ゴールは利益ではなく、「AI時代の組織構造の検証」
という感じになるのかなと。
そして、現時点だと今後AIがどうなるかもよくわからないので、 目的はスケールではなく、生存性の高い構造の設計、新時代の組織のあり方の定義の発見という感じで捉えています。見つけられたらいいかなと。
なぜ大企業では難しいのか?
理想としては大企業の中でこうした実験を行えるのが望ましいですが、現実的には以下の課題があります。
セキュリティ・コンプライアンス要件による制約
そもそも既存企業の中で新規事業やるのむずすぎ問題
新規事業むずすぎ問題は、福島さんのnoteに全てが書いてあるので、義務教育に入れてください↓
そんな感じでむずいので、本体から切り離された小規模組織での先行検証が重要なんじゃないかと。で、これをやっておけば、本体にその仕組みを還元することで生成AIネイティブになっていけるのではないかと思っています。
つまり、これは「大企業不要論」ではなく、本体を守るために外で先にリスクを取るという構造です。各社、正直、生成AIの推進もいいけど、こっちの方が優先度高い可能性はないですか?とは思っています。ご検討くださいな。
AIの進化は止まりません。 組織もまた、それに合わせて再設計されるべきです。し、もっとこういう議論をしたいんですけど、誰としたらいいかわかりません。私を居酒屋に連れ出してください。。。
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