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「職場を去った研究者はごまんといる」 研究力低下に現場から訴え

科学研究費助成事業(科研費)の倍増を求め、日本の研究力の現状について説明する後藤由季子・東京大教授(右端)ら=東京都千代田区で2024年7月8日午後0時7分、鳥井真平撮影
科学研究費助成事業(科研費)の倍増を求め、日本の研究力の現状について説明する後藤由季子・東京大教授(右端)ら=東京都千代田区で2024年7月8日午後0時7分、鳥井真平撮影

 科学分野で日本の研究力の低下は、かねて指摘されている。研究力を測る主要な指標である論文数や引用数などで、国際的な順位の低下が続く。研究現場では雇い止めだけでなく、いびつな雇用形態も散見され、研究力の低下に拍車を掛ける。

 関連記事は3本です。
<前編>無期転換ルール「日本の研究力低下の要因に」 国立大の半数回答
<中編>20年で1600億円超減 日本の研究力低下を招いた財政規律
<後編>「職場を去った研究者はごまんと」 研究力低下に現場から訴え

 文部科学省科学技術・学術政策研究所が昨年8月に公開した調査によると、論文数は2000~02年の平均で米国に次ぐ2位だったものの、20~22年は6位に落ちた。引用数が多い上位10%の論文も00~02年平均では4位だったが、20~22年では13位に転落した。

 なぜ日本の研究力は低下しているのか。同研究所は、研究時間の減少や研究者のポストの数が伸び悩んでいる点を要因に挙げる。

 ただ、アンケートでは、改正労働契約法の影響を示唆する意見も見受けられる。

記事後半では大学の回答を紹介します。

 例えば、鳴門教育大は「物価高騰や運営費交付金の減少による人件費の大幅な削減に迫られており、新規採用を見送らざるをえない」としたうえで、「改正労契法による無期転…

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