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20年で1600億円超減 日本の研究力低下を招いた財政規律

文部科学省=東京・霞が関
文部科学省=東京・霞が関

 改正労働契約法が定める無期転換ルールを適用できず、研究者を雇い止めする要因の一つが、国立大の人件費の原資となる運営費交付金の削減だ。毎日新聞のアンケートでも3割の大学が同様の回答を寄せた。政府は2004年度以降、財政難や少子化などを理由に20年間で運営費交付金を1631億円減らしたが、財政規律を重んじるあまり、日本の研究力を損なわせる結果を招いた可能性がある。

 関連記事は3本です。
<前編>無期転換ルール「日本の研究力低下の要因に」 国立大の半数回答
<中編>20年で1600億円超減 日本の研究力低下を招いた財政規律
<後編>「不安定な立場が科学の発展を阻害」 研究力低下に現場から訴え

 政府は運営費交付金を04~15年度に年1%ずつ削減してきた。16年度からは評価に基づく仕組みを取り入れたが、前年度に比べてほぼ横ばいか、微減で推移している。この結果、運営費交付金は24年度当初予算で総額1兆784億円にまで減少した。

 「20年間で減らされた1631億円は地方や中堅クラスの20大学分に当たる」。国立大学協会は昨年6月、緊急声明を公表し、物価高騰と合わせて「もう限界だ」と訴え、運営費交付金の増額を求めている。

 政府は国立大へ一律に配る運営費交付金を減らす一方、大学間の研究力を競い合わせようと、公募と選考によって獲得する競争的研究費を増やしてきた。24年度当初予算では少なくとも7386億円に上るが、競争的研究費はプロジェクト単位で…

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