どうなる私の留学 トランプ流「川劇変臉」に振り回される中国の学生

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上海=小早川遥平
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 「私が前世でどんな罪を犯したというのか」

 4月上旬、上海の女子大学生(22)は絶望した気持ちでスマホに文字を打ち込んでいた。画面には中国版インスタグラムの小紅書(シャオホンシュー)の投稿欄。タイトルには「25年の秋学期、アメリカに行けるのか」と打ち、本文にこう添えて送信した。

 「トランプの気分次第で勉強を続けられるかが決まるなんて、思ってもみなかった」

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受験や結婚といった人生の転機や、経済やライフスタイルの変化を、中国の人びとはワンフレーズの漢字で巧みに表現しています。そんな新語・流行語が映し出す、中国社会のいまを読み解きます。

 女性は今夏に中国の大学を卒業予定で、秋から海外の大学院に留学しようと、1年以上前から準備を進めていた。米国や英国、豪州の大学院から合格通知が届き、米国への留学を決めようとしていた矢先、トランプ米大統領の関税政策に端を発した米中間の追加関税の応酬が始まった。

 中国内では、米中関係の悪化や米国の一部の州で中国に否定的な法案が可決されたことを理由に、中国政府が米国への旅行や留学を慎重に判断するよう警告したというニュースが伝えられた。女性はその直後、たまらず小紅書の投稿に思いをぶつけたのだった。

 「川劇(チョワンチュイ)変臉(ピエンリエン)」

 変面師が手や扇子を顔にかざすと、一瞬で別のお面に――。四川省の古典劇「川劇」に伝わるお面を使った芸を中国ではこう呼ぶが、最近、この4文字をネット上でよく見かける。

中国の留学事情が大きく変わる中、「小黒屋」「留日」「海帰廃物」「留子」といった様々な言葉が飛び交うようになりました。どんな意味でしょうか。記事の後半で紹介します。

 ただ、これらの投稿は伝統的…

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この記事を書いた人
小早川遥平
上海支局長
専門・関心分野
中国社会、平和、人権
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