Transvestitism Story

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6:契約

タバコをくゆらしながら、矢口は満足そうに彩香を見つめて話しかけた。

「プライベートではいつもそうして女の子になっているのか?」

『あっ・・・はい・・・。』

「そうか、もう何年になる?」

『えっと・・・・高校1年の時からですから8年目です。』

「なるほど、道理で綺麗なわけだ。 しかし君のように徹底しているのはいいなぁ。」
「いや、脱毛やホルモンなんかまでねぇ・・・。」
「でもそれ以上胸が大きくなってしまったら隠せなくなるだろ。」
「いくらスーツを着ていても分かるようになってしまうぞ?」

『ええ・・・それが悩みなんですけど。 この辺で抑えておこうかどうしようか・・・。』

確かに矢口の言う通りだ。女性としての丸みを帯びた体つきを維持するにはホルモン投与を続けるしかない。
でもそうなればなるほど男性としての生活に支障を来たすことになってしまう。
今でさえ上着を着ない時にはもう女性として出かけなくてはならないほど胸も出てきてしまっているのだ。
この先続けるかどうかは彩香にとって大きな悩みでもあった。

「二重生活ってやつは大変じゃないのかね?」

『えっ?』

「いや、洋服とかも男性用と女性用と二種類用意しなくてはならんだろ?」
「それに化粧品やホルモンと何かと大変じゃないかとおもってね。」

『あぁ・・・そうですね。 確かにお金はかかります。』

やっと体の具合が落ち着き、スカートを調えブラウスのボタンを留めながら答える。

「今更聞くのも変なんだが、君は女性の服を着ることが楽しいのかい?」
「それとも女として男性に愛されたいと思っているのかなぁ?」

『・・・う~ん・・・今は女性として生活して男性に愛されたいって思いのほうが大きいですね。』

元々体をいじるなんてことは考えたことも無かった。
性転換なんて考えてはいなかったが、ホルモン等をつかって女性の魅力を手にしたい。
でも女性として生活していくには、仕事のこととか大変になるだろうと想像していた。
普段は男として、プライベートでは女として楽しめたら・・・。
しかし日に日に変わっていく自分の体の形に、最近ではこの先どうして行こうかと考える時間が増えてきている。

「彼や彼女はいるのか?」

『いえ・・・いません。』

「そうか・・・。」

矢口はしばらく天井を見上げて、タバコをくゆらせながら何か考え事をしている様だ。

矢口雅夫 40歳 浩次の勤める会社の第二営業課長であり、浩次の直属の上司でもある。
柔らかいストレートの髪をオールバックにしている。
身長は170cmほど、がっちりとした体つきで健康的な体育会系である。
切れ者で仕事に関してはなかなかのやり手だ。 人間的にもふところが深く課員の辛抱も厚い。
昨年6年間連れ添った奥さんと離婚したとは聞いていたが、
日焼けした肌に二重の大きな目、健康的な白い歯で優しく微笑む気さくな感じは、社内のOLの間でも人気が高い。
こうしてまじまじと見ることはあまりなかったが、
一緒に仕事をしながらそのテキパキとした仕事ぶりを側で見ていて、理想的な上司だと尊敬していた。

「あのな・・・」

ふいに彩香の顔を見据えると矢口は笑顔で話し始めた。

「その・・君の趣味には正直驚いたんだが、結果的にこんな関係になってしまった。」
「良くも悪くも私は君の秘密を知ってしまっている。」
「それに君はすばらしく綺麗だ。」

『・・・そんなぁ・・・・。』

「このまま終わりにするのは何かもったいなくてねぇ。」

次のタバコに火をつけながら矢口は彩香の太腿に手を置いてつづける。
先程まで胸をまさぐっていた手のひらだ。 それだけで彩香のスカートの中はジュンっとした感覚を覚えてしまう。

「それで相談なんだが、君さえ良ければ私の彼女にならないか?」

『えっ・・・?』

思いもよらない話だった。
もちろん金銭的に強請られるとは思わなかったが、
女性が欲しければいくらでも不自由しないであろう男性から、
自分のような趣味の男を彼女にしたいなどととは、想像もしなかった申し出に何と答えたらいいのだろう・・・。
しばらくうつむいたまま答えに困る彩香だった。

「いや、けしてゲイでは無いんだよ俺は・・・。」
「その・・・正直君みたいな女性がタイプなんだ・・・。」

『・・・・。』

「で、さっき聞いたように綺麗になるためにはお金も必要だ。」
「かと言って、それ以上胸も出てきて女らしい体つきになったら会社でも困るだろう?」
「私ならその問題も何とかしてやれると思うんだ。」

『何とか・・・って・・・』

「君はそのまま女らしくなるようにホルモンも手入れも続ける。」
「頃合を見て君は会社を一旦辞める。」

『辞める?・・・』

「いや、藤崎浩次としてはってことだよ。」

いたずらっぽい笑顔を浮かべながら矢口は話を続ける。

「それから少し置いて、君は彩香としてこの会社に採用されるわけだ。」

『・・・・っ!!!』

矢口の話はこうだった。
藤崎浩次が退職した後、3ヶ月程期間を置いて彩香は女に磨きをかける。
その後今度は藤崎彩香、浩次の従姉妹としてこの会社の総務へ就職するというものだった。
元々大きな会社だから社員も多い。
部署も違えば今の職場の人間とも顔を合わせる機会もそんなに無いだろう。
しかも浩次の従姉妹として入社するわけだから、声や顔つきが似ていても問題ないだろうというのが矢口の計画だった。

総務への推薦は矢口自身がしてくれるとのこと。
彩香は自分に与えられた新しい生活へのチャンスに驚いた。
女性として仕事をして女性として生活する・・・。
夢にまで見た生活が手の届くところにあるのだ。
矢口の申し出を断る理由は何も無かった。
彩香は矢口の目を見つめゆっくりとうなずき微笑んだ。

『宜しくお願いします・・・。』

「よかった。」

矢口は彩香を抱き寄せ首の後ろに手を回すと、左手で顎を引き上げた。
ぷっくりと濡れたピンクの唇に、自分の唇を重ね合わせる。
タバコの香りのする唇から男の舌が彩香の口の中に分け入ってくる。
男性とのキス・・・女性としての初めてのキスの感覚に酔いながら、矢口の腕に身を任せる彩香であった。


つづく・・・


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【 彩香のOL遊戯:第一章 】 01:プロローグ  02:変身  03:秘め事  04:選択  05:快楽  06:契約  07:感触  08:始まり

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