大分市のごみ収集運搬業務を巡る官製談合事件について、元環境部長の裁判が結審し、検察は罰金100万円を求刑しました。
官製談合防止法違反などの罪で起訴されているのは、大分市の元環境部長、池永浩二被告(62)です。

起訴状によりますと、池永被告は2022年7月に行われたごみ収集運搬業務を巡る指名競争入札で、幹部職員2人と共謀して秘密事項である予定価格を業者側に事前に漏らした罪に問われています。
10日の論告求刑公判では被告人質問が行われ、当時の状況について池永被告は「前任者などもしてきたし、私もするしかないと。断ったら何かあると思ったし、市に迷惑をかけると思った」と話しました。
副市長や上には相談しなかったのかという検察や裁判長の質問には「これまでも実施していることだし、私が何とかしないと思い相談しなかった」と答えました。

検察は論告で、被告人が部長に着任したときすでに特定の業者に落札させる慣習が形成済みであり、不当要求に対しては本来、市役所が組織的に対応することが適切だったと指摘しました。
被告が市長名で決裁する権限を持っているため、共謀者よりも刑事責任は重いとして、すでに罰金刑となった別の元幹部2人より20万円多い罰金100万円を求刑しました。

弁護側は、被告の動機は仕事を円滑に進めたいという思いだけであり、すでに96日間の拘束や社会的制裁を十分に受けているとして情状酌量を求めました。
初公判に続き裁判を傍聴した当時の市長、佐藤知事は「一言相談してもらったら私が責任もって止めていたのにという思いは、きょうも聞いていてありました。目が行き届いていなかったということについては、市民の皆様にも池永さんにも申し訳なかったと思います」と述べました。
判決は7月22日に言い渡されます。