小6自殺「いじめが主要因」と認定 再調査で判断覆す 千葉・野田
2019年に自殺した千葉県野田市立小6年の男子児童について、市が設置した調査委員会(委員長・濱口佳和筑波大教授)は28日、いじめが自殺の主要因とする報告書をまとめた。市教育委員会が設置した第三者委員会は21年、いじめを自殺の主要因とは認めなかったが、今回はその判断を覆した。
今回の報告書などによると、児童は19年6月下旬ごろから、クラス内の同じ班の同級生から、席を離されたり、プリントを投げて渡されたりといったいじめを受けていた。7月13日、国語の授業でつかえながら音読をしたところ、「練習をしてきていない」と非難され、帰宅後に自殺した。
市教委設置の第三者委は21年、いじめを認定したが「思春期の学校ではありふれた行為」として、自殺の主要因と認めなかった。男子児童は学習ノートに「SOS 助けてほしい むしされる さけられる 物をなげられる」などと記していたが、いつ書かれたか分からないと指摘していた。
遺族は納得せず、市長に再調査を求める所見書を提出した。市が改めて設置した調査委は、ノートの記載は自殺直前に書かれたもので、男子児童の意思が直接表されていると認定。同時期に自殺未遂もしており、「いじめがなければ自殺にいたることはなかった」と結論付けた。
児童の遺族は代理人を通じ「息子がなぜ死を選んでしまったのか。その答えがはっきり示された」とコメントした。【高橋努】
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