小6自殺「いじめが主要因」と認定 再調査で判断覆す 千葉・野田

学習ノートに記された「SOS」のメッセージ=千葉県野田市役所で2025年5月28日、高橋努撮影 拡大
学習ノートに記された「SOS」のメッセージ=千葉県野田市役所で2025年5月28日、高橋努撮影

 2019年に自殺した千葉県野田市立小6年の男子児童について、市が設置した調査委員会(委員長・濱口佳和筑波大教授)は28日、いじめが自殺の主要因とする報告書をまとめた。市教育委員会が設置した第三者委員会は21年、いじめを自殺の主要因とは認めなかったが、今回はその判断を覆した。

 今回の報告書などによると、児童は19年6月下旬ごろから、クラス内の同じ班の同級生から、席を離されたり、プリントを投げて渡されたりといったいじめを受けていた。7月13日、国語の授業でつかえながら音読をしたところ、「練習をしてきていない」と非難され、帰宅後に自殺した。

 市教委設置の第三者委は21年、いじめを認定したが「思春期の学校ではありふれた行為」として、自殺の主要因と認めなかった。男子児童は学習ノートに「SOS 助けてほしい むしされる さけられる 物をなげられる」などと記していたが、いつ書かれたか分からないと指摘していた。

 遺族は納得せず、市長に再調査を求める所見書を提出した。市が改めて設置した調査委は、ノートの記載は自殺直前に書かれたもので、男子児童の意思が直接表されていると認定。同時期に自殺未遂もしており、「いじめがなければ自殺にいたることはなかった」と結論付けた。

 児童の遺族は代理人を通じ「息子がなぜ死を選んでしまったのか。その答えがはっきり示された」とコメントした。【高橋努】

相談窓口

・24時間子供SOSダイヤル

 いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。

 0120・0・78310=年中無休、24時間。

・子どもの人権110番

 「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。

 0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分

まもろうよ こころ

 さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。

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