第28話 蛮族王子、聖盾を手に入れる





「完全敗北♡ 皆の者、この御方こそ儂らが真に信仰すべき神である♡ 女は身も心も捧げよ♡ 男は奴隷として命尽きるまで仕えるように♡」



 俺は襲いかかってきたレオノーラを一方的に返り討ちにした後、里のエルフたちの前で可愛がってやった。


 その結果、レオノーラは身も心も屈した。


 里の者たちは彼女の言葉に逆らえず、女のエルフたちはその場で俺に抱かれ、男のエルフたちは奴隷にすることが決定。


 ルナが作った遠距離連絡用の魔導具でアンリに連絡し、後の事は適当に任せておく。


 そうしてやってきたのは、エルフの森の奥。


 高さが百メートルはあろうかという大樹の麓にある神殿だった。



「こここそ儂らの聖域。聖盾を祀る場所」


「案内ご苦労だったな、レオノーラ。お前は小柄で抱き心地もいいから帝国に連れ帰って俺のハーレムに加われ」


「っ♡ 感謝っ♡ この身朽ち果てるまで永遠にお仕えすることを誓うっ♡」



 発情したロリハイエルフを可愛がるのは後にして俺は神殿に入った。

 ゲーム同様に神殿を守るゴーレムがいたが、そこは難なく撃破。


 ようやく聖盾が祀られている領域に入った。



「これが聖盾か」



 台座の上に飾られている聖盾に手を伸ばすと、バチッと弾かれる。

 勇者ではない俺を聖盾の方から拒否してきたのだろう。


 同時に声が響いてきた。


 メルトレインが剣状態の時と同じ直接頭に響いてくる声だ。



『只人の身でありながらわたくしに触れようとは笑止千万ですわ!!』


「む」



 いつかのメルトレインのように、聖盾が人の形を成して俺の前に立つ。


 金髪縦ロールの美女だった。


 メルトレインほどではないにしろ、スタイルが抜群でおっぱいが大きい。


 身にまとう鎧はビキニアーマーという露出度の高さで、その手に盾を持っていなかったらギリギリ痴女だろう。



「久しいのじゃ、イーシス」


「あら、そこにいるのはメルトレインですの?」


「うむ。そして、こちらが妾の主殿なのじゃ」



 メルトレインが人化した聖盾――イーシスに俺を紹介する。



「……ふん、貴方も堕ちたものですわね。勇者ではない男を主と仰ぐとは。女神様に作られし存在というプライドがありませんの?」


「そのプライドを捨ててでも尽くしたい主殿なのじゃ♡」



 メルトレインが可愛いことを言う。


 俺はメルトレインのおっぱいを揉みしだき、尻を優しく撫で回す。


 ビクンと身体を震わせるメルトレイン。



「あんっ♡ あ、主殿の手つきがいつもより優しいのじゃ♡」


「……本当に堕ちましたわね、メルトレイン。いいですわ、わたくしがその男を始末して、貴方を正気に戻して差し上げますわ」


「ふむ。まるで初めて会った時のお前を見ているような気分だな」


「むむむ、妾はここまで生意気なことは言ってないのじゃ」



 ……自覚がないのか?



「油断していると、わたくしの盾で叩き潰してしまいますわよ!!」


「油断はしていない」



 いきなり襲いかかってきたイーシス。


 その手に持った盾は勢いよく振り回すことで鈍器へと早変わりする。


 しかし、当たらなければどうということはない。


 俺はイーシスの盾を難なく回避し、その胴体に拳を叩き込む。

 魔力による身体強化とメルトレインのバフを盛った必殺の一撃だ。



「あがっ!?」



 身体がくの字に曲がるイーシス。


 痛みで動けないのか、その場でイーシスは蹲ってしまった。



「な、なんですの、今の……♡ こ、このわたくしが痛みをっ♡ はあ♡ はあ♡」


「ぷっ、こやつチョロすぎなのじゃ♡ 腹パン一発で主殿の強さに屈しようとしておるのじゃ♡」


「……お前も似たようなものだったろうに」



 自分を棚に上げてイーシスを笑うメルトレイン。


 俺はその場でイーシスを堕とし、聖盾を手に入れることができた。


 まだまだ旅は始まったばかり。


 俺は半年ほどの時間をかけて女神の作った神器を集めるのであった。

 神器が全て集まった時、少々想定外のことが起こったが……。
















 一方その頃、魔王城では。


 魔王改めシスティアに拐われてしまったリオンは困惑していた。



「くっくっくっ。どうした、勇者よ。余の身体をまじまじと見つめおって」


「あ、ご、ごめん、なさい……っ!! うっ」


「まったく。せっかく拐ってきた勇者がよもやこれほど弱く脆く、そして変態だったとはな」



 服を剥ぎ取られ、従順な犬のようにシスティアの前で正座しているリオン。


 システィアも最初は驚いた。


 適当に死ぬ寸前まで鞭打ちでもしようかと思って服を剥ぎ取ったら、リオンが貞操帯を装備していたのだ。


 思わず嗤い、システィアは嘲笑した。


 今ではわざとらしくリオンに豊満な身体を見せつけ、苦痛に悶える姿を楽しむことが日課になってしまった程だ。



「最初は貴様を苦しめて苦しめて殺してやろうと思っておったが……その情けない姿を肴に飲む酒も悪くないものだな」


「あ、ありがとう、ございます」



 対するリオンは理解していた。


 システィアと自分の間にある埋められない絶対的な力の差を、逆らったら殺されることを。


 と、その時だった。



「システィア様」


「む。おお、アオイか。どうした?」


「今からリオンと遊ぶ。貸して」


「おお、そうかそうか。よいぞ、いくらでも遊ぶとよい」



 システィアに気に入られた狐の獣人、アオイが部屋に入ってきた。


 そして、アオイがおねだりするや否や、リオンを苦しめるのをやめて快く彼女に差し出すシスティア。



「リオン、大丈夫だった?」


「う、うん、ありがとう、アオイ」


「ん。気にしなくていい。それより遊ぼ?」



 リオンはアオイのお願いに笑顔で頷く。


 実を言うと、リオンはこの日常に満足感を抱いていた。


 たしかにシスティアから受ける仕打ちは辛く、苦しいものだった。

 しかし、それはシスティアがリオンをずっと見ているということでもある。


 身近な女性たちを一人の男に奪われてしまい、軽く人間不信に陥りそうだったリオンにとって、それは幸せな時間だった。


 アオイもリオンを心配し、見てくれている。


 辛いことも多いが、魔王城で飼われる生活はリオンの救いだったのだ。


 しかし、リオンは知らなかった。


 その幸せな時間が、救いが奪われる時がもうじき訪れることを……。







―――――――――――――――――――――

あとがき

どうでもいい小話


作者「ビキニアーマーってエッだよね。防御力は皆無そうだけど」


エ「分かる」



「やっぱり即堕ちじゃないか」「リオンがこじらせてて草」「ビキニアーマーは至高」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

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