成人向け漫画に厳しい対応 クレカ大手相次ぎ撤退、決済できず なぜかオタク婚活サイトも
中には成人向けサイトとは無関係の事業者も停止連絡を受けた。昨年12月、米国のビザカードから突然決済を中止すると連絡を受けたのは婚活サイト「アエルネ」。「オタク」な趣味を持つ人同士をマッチングする婚活サイトで、千組を超える成婚実績がある。
運営会社「ちくちく」(東京)によると、昨年10~11月、決済代行会社から、ビザやマスターカードでの決済を継続するため、利用規約の禁止事項に「犯罪行為および詐欺行為、ならびにそれらを助長する行為」を追記するよう指示されたという。
同社は指示に従ったにもかかわらず、同12月、決済代行会社から、「ビザカード決済が近日中に停止する」と連絡を受けた。
同社は「突然の停止連絡で、何が問題だったのか説明がなく、判断基準がわからなかった」と困惑。停止連絡から2日後、「決済を継続する」と連絡があったが、なぜなのか説明はなかった。担当者は「有料コース会員の9割以上がカード決済のため、ビザ決済が止められた場合、大きな混乱があっただろう」とする。
■米判断が影響?「金融的検閲」との声も
相次ぐ決済停止には米国側の厳しい司法判断があるとの指摘もある。米カリフォルニア州では、大手アダルトサイト「ポルノハブ」に動画を無断で投稿されたとする少女が運営元を提訴。決済をしたビザも被告に含めることを求めており、2022年、裁判所はビザも被告として責任が問われるとの判断を下した。
米国のビザ本社を訪れるなど決済停止問題を調査している自民党参院議員は「クレジットカードはインフラの一部であり、決済停止は表現の規制だ」と非難。停止は米国の厳しい判断基準によるものとみられるが、事業者側に理由説明がされることはなく、判断プロセスは不透明だとし、停止理由を通知するよう法整備を進めたい意向だ。
問題に詳しい山口貴士弁護士(東京弁護士会)は「日本では合法でも海外では違法とされるケースもあり、カード会社の社会的責任として決済停止措置を取ることは理解できる面はある」としつつも「その力は事業者にとって『金融的な検閲』というべきもので、ネット上での表現活動への影響は極めて大きいだろう」としている。