広島城天守の木造復元図を初提示 原爆で倒壊、現在は鉄筋コンクリ造

柳川迅 相川智
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 広島市は、老朽化した広島城天守の木造での復元について話し合う有識者会議を12日に開き、復元図を初めて示した。広島城天守は原爆で倒壊し、1958(昭和33)年に鉄筋コンクリート造で建てられた。だが、築60年以上がたち、耐震性に問題があることから、来年3月22日を最後に閉城することが決まっている。

 広島城は戦国大名の毛利輝元が1589年に築城を始めた。1931(昭和6)年に天守が国宝に指定されたが、45年8月6日の原爆投下によって倒壊した。戦後、仮設の木造天守をへて、58年の広島復興大博覧会に合わせて、鉄筋コンクリート造で外観復元した現在の天守が建てられた。

 2021年に松井一実市長が「木造復元をめざす」と表明し、23年度から有識者会議が開かれていた。6回目となる今回の会議では、天守を東側と南側から見た立面図と、1~5階の平面図などが市から示された。保存されていた実測図や古写真などをもとに、市が委託した業者が作成したという。

 会議は三浦正幸・広島大名誉教授(建築史)が座長を務め、日本史都市計画の専門家ら計7人が出席した。市文化振興課によると、「古写真のより詳細な観察が必要ではないか」といった意見が出たという。復元のあり方や現在の天守の解体方法なども議論された。今年度末までに課題を整理し、市に意見を伝える予定という。

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 来年3月に天守内への立ち入りができなくなる広島城で、「入城ラストイヤー」を盛り上げる企画が催されている。1日に始まったコラボ企画では、広島出身の奥田民生さんと吉川晃司さんのイラスト画像を用意。天守を訪れた人たちが、2人の画像をスマートフォンでダウンロードして楽しんでいる。

 コラボ企画では、新ユニット「Ooochie(オーチー) Koochie(コーチー)」を結成した奥田さんと吉川さんの2人が侍に扮したイラスト画像などを、天守内でダウンロードできる。6種類ある画像から、毎日一つの画像を用意。スマホの待ち受け画面として使えるという。

 4~5月は広島カープとコラボし、選手の画像を用意した。城の管理を広島市から委託されている「広島城アソシエイツ」によると、4月の入城者数は5万7千人と前年より3割増え、5月も同様の傾向だったという。

 今月、天守を訪れた広島県東広島市の女性(66)は、友人2人とかぶとのレプリカを手にしていた。「閉城すると聞いて、初めて来ました。Ooochie Koochieが好きなのでうれしい」と目を輝かせていた。広島城アソシエイツの担当者は「広島城の魅力を多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 今回のコラボ企画は8月末まで。入城は午前9時~午後6時(土日祝は午後7時)。大人370円、高校生と65歳以上は180円、中学生以下無料。

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