【ナゼ】『〇〇ちゃん、ごめんね』残された1枚の手紙　一室に母親と幼い娘2人の遺体、父親は仕事辞め精神的に不安定…3人殺害後“無理心中”か

母子3人の遺体が見つかった集合住宅（大阪・吹田市）

　大阪府吹田市の集合住宅の一室で、1歳と2歳の女の子と母親（26）の計3人の遺体が見つかった事件。同じ日に近くの歩道橋から飛び降りて自殺した父親（26）が、仕事を辞めて精神的に不安定な状態だったことが捜査関係者への取材でわかった。 　警察は現場の状況から、父親が3人を殺害した後に自ら命を絶った“無理心中”の可能性があるとみて調べているが、捜査関係者からは「1人で抱え込まずに、周りに相談できなかったのか」と悔やむ声があがっている。

■遺体のそばに血痕が付いた包丁　父親が書いたとみられる“謝罪”の手紙

遺体が見つかった集合住宅（大阪・吹田市）

　緑に囲まれた大阪府吹田市の住宅街にある集合住宅の一室。 　警察官が部屋を訪ねると、玄関の扉の鍵は開いているが、呼びかけても反応はなく、室内は静まり返っている。そして、玄関から見て正面の奥にある寝室から、足の一部が見えている。警察官が玄関を上がって進んだその先には、凄惨な光景が広がっていた。 　ベッドの上には、26歳の母親と、2歳の長女、1歳の二女の3人が仰向けの状態で倒れていた。3人とも腹部には刃物で切られたような傷があったほか、ベッドの足元付近のサイドテーブルに血痕が付いた刃渡り約20センチの包丁が残されていた。 　そして、室内には、父親が書いたとみられる、家族に謝罪する内容の1枚の手紙が見つかった。 　「（娘の名前）ちゃん、ごめんね」 　3人は、その場で死亡が確認された。

■3人の死因は首を絞められた「窒息死」死後に刃物で腹部切られたか

父親の遺体が見つかった現場（大阪・吹田市）

　事件が発覚したのは6月2日の早朝。 　集合住宅から約1.3キロ離れた「万博記念公園」の外周道路にかかる歩道橋の下で、ランニング中の女性から「男性が後頭部から出血している」と通報があり、警察などが駆けつけると、男性が血を流して倒れていて、その場で死亡が確認された。 　付近に自転車が落ちていたことから、死亡した男性がこの自転車の所有者とみて、警察官が集合住宅を訪れたところ、前述の母子3人の遺体が見つかったのだ。男性は、遺体で見つかった娘2人の父親と確認された。 　司法解剖の結果、母子3人の死因はいずれも首を絞められたことによる窒息で、死亡推定時刻は、父親が路上で倒れているのが見つかった約1時間前の2日午前5時ごろだった。3人とも腹部の傷については出血量が少なく、首を絞められ殺害された後に切られた可能性が高いとみられている。