兵庫県警 背任疑い刑事告発の斎藤知事らの捜査書類 検察に送付

おととし兵庫県が行ったプロ野球の優勝パレードの寄付金を集める目的で、金融機関への補助金を不要に増額したとして、斎藤知事と元副知事が背任の疑いで刑事告発されたことをめぐり、警察が13日、捜査結果をまとめた書類を検察庁に送ったことが、捜査関係者への取材で分かりました。検察は刑事責任の有無について慎重に判断するものとみられます。

兵庫県などはおととし11月、阪神とオリックスのリーグ優勝を祝うパレードを開催し、そのための費用はクラウドファンディングや企業などからの寄付で賄われました。

兵庫県のオンブズマン「市民オンブズ尼崎」などは、斎藤知事と片山元副知事が、地元の金融機関に寄付を働きかける一方、金融機関への補助金の予算額を同じ時期に1億円から4億円に増額したとしたうえで、寄付を集める目的で行われた不要な支出だとして、背任の疑いで兵庫県警察本部に告発状を提出していました。

これについて、警察が13日、知事と元副知事についての捜査結果をまとめた書類を検察庁に送ったことが、捜査関係者への取材で分かりました。

斎藤知事は告発が受理された当時のことし1月、県庁で記者団に対し「パレードについてはきちんと適切に対応してきている」と述べていました。

また、片山元副知事も当時、NHKの取材に対し「百条委員会で説明してきたとおり、疑惑を持たれるようなことは何もしていない」とコメントしていました。

警察の捜査結果を受けて、検察は刑事責任の有無について慎重に判断するものとみられます。

第三者委と百条委も調査

優勝パレードの寄付金集めと補助金の増額の関係については斎藤知事の内部告発文書でも触れられていて、「補助金を増額し、募金としてキックバックさせた」などと記載されていました。

これについては、県から委託を受けた第三者委員会と兵庫県議会の百条委員会が調査を行い、いずれもことし3月、「キックバックは確認できなかった」などとする調査結果を公表しています。

一方、第三者委員会は報告書の中で「パレードの協賛金を依頼した元副知事が、補助金についても決定的な役割を果たしたことが外形的にみて疑念を抱かれる結果になったことは指摘せざるをえない」としていました。

知事と元副知事のコメント

斎藤知事は13日午後、記者団に対し、「私としては、適切・適法に対応しているという認識に変わりはありません」と述べたうえで、今後、捜査当局から協力の依頼があれば応じる考えを示しました。

また、片山安孝元副知事は代理人弁護士を通じて「警察から事情を聴かれましたが、優勝パレードと補助金には何ら関係ないと説明しており、これに対し、警察から何ら指摘は無かったと認識しています」というコメントを出しました。

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