東京で“博多うどんブーム”でも独自路線を貫く「牧のうどん」 畑中社長が明かす「遠方には出店しないこだわり」「食べても減らない魔法のうどんの秘密」
ルーツは製麺所、「熟成昆布の一番だし」にこだわる
牧のうどんのルーツは、畑中社長の祖父が糸島市加布里で営んだ畑中製麺所だ。もともとは従業員にまかないで茹でたてのうどんを振舞っていたが、その味が評判を呼び、1973年に畑中社長の父で初代社長の畑中立木氏が製麺所近くに1号店をオープンした。2010年に畑中社長が2代目として社長業を継ぎ、現在は福岡県と佐賀県を中心に18店舗を構える。 1号店開業から50年以上をかけて、博多っ子に愛されるソウルフードになった牧のうどんの最大の売りは、「スープ(かけつゆ)」である。福岡のうどんはつゆの旨みに定評があるが、そのなかでも牧のうどんは素材に特に力を入れている。 「よそと違うのはだし用昆布の使用量で、年間30トン使用するのは日本では牧のうどんだけと業者から言われます。使うのは新物の昆布ではなく、熟成昆布の一番だしのみ。今は昆布の値段が高くなり、実物の昆布量を減らしてエキスや調味料に代えたところが大半でしょうが、うちは実物しか使っていません。そのあたりもアドバンテージだと思います」 麺がかたくコシが強い讃岐うどんと異なり、コシがなくやわらかい麺が特徴的な博多うどんのなかでも、製麺所をルーツに持つ牧のうどんの麺には独特の提供スタイルがある。多くのうどんチェーン店では茹でた麺を冷水で締めておき、客に提供する前に温め直すのが一般的だが、牧のうどんは釜から揚げたてのアツアツの麺を提供するのだ。 「昔からうどん業界では、“うどんは茹でたてがいちばんおいしい”が定説でした。うどんはお湯から出すと水分が蒸発して、どんどん風味が失われてしまうから、釜から揚げた麺をそのまま提供するスタイルにこだわりました」 この釜揚げスタイルが、「食べても減らない魔法のうどん」という“伝説”を生んだ。 「親父の時代からお腹いっぱい食べてもらいたいというのがコンセプトで、うちの麺は普通盛りで500グラムと、よそよりだいぶ多い。もともと量が多いうえ、釜揚げの麺がスープをどんどん吸って太くなるから、“食べても減らない”と言われるのでしょうね」
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