<連載「措置入院のはざまで」④>全6回
措置入院を受けて傷つきながら生きる人がいる一方で、「早く医療につながってくれていたなら…」と願う事件被害者や遺族もいる。後半は被害者側の視点から考える。
◇ ◇
◆「俺の部屋に設置した盗撮機を切ってほしい」
平穏な日々から「事件」の被害者になるまで、わずか11日間だった。
夫婦でお正月休みを過ごしていた2023年1月3日朝、全く面識のない50代の男性が自宅前に立っていた。妻が玄関を開けると「すみません、間違えました」。
ただ、その1時間後、男性は再び訪れ、「カメラのことで来た」と告げ、今度は夫が対応。「うちは防犯カメラを付けていないよ」と説明したが、「俺の部屋に設置した盗撮機を切ってほしい」と訴えた。近所のアパートに住んでいるという。
◆再び訪れた男性の手には包丁が
会話もかみ合わなかったため、念のために最寄りの警察に電話で相談。現場にやってきた警察官と、男性を交えて改めて話を聞いたが「俺の部屋を盗聴盗撮している」の一点張り。その後は警察官が対応した。
事件が起きたのはそれから2週間もたたない1月14日朝。男性が夫婦宅のインターホンのチャイムを30回ほど連打し、「この家の息子が俺の家族を皆殺しにすると聞...
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